複合仕訳

複合仕訳

複合仕訳とは、複数の行でひとつの取引を表すことを指します。
「1対多(1:N)」あるいは「多対多(N:N)」の場合です。

「1対1」で済む取引の仕訳は、単一仕訳(単純仕訳)と呼びます。

複合仕訳をする場合は、振替伝票を使って仕訳を行います。

複合仕訳の例

複合仕訳の代表的な例としては、経費を按分する場合、
従業員の給与を支払う場合、売掛金と支払手数料が絡んだ場合などがあります。

会計ソフトの仕様上、複合仕訳ができない場合には、
単一仕訳で「諸口(しょくち)」という勘定科目を使い、全てを1対1の取引として入力します。
(「諸口」の勘定科目がない会計ソフトもあります。
その場合は複合仕訳ができるはずですが、諸口という勘定科目を新たに作っても構いません。)

諸口とは、借方・貸方のどちらかに2つ以上の勘定科目がある場合に使う科目です。
諸口という科目は「まとめて書いてま〜す」程の意味で、
単につなぎのために使われる言葉としてとらえておきましょう。

仕訳例 1

売掛金50,000円から振込手数料200円を差し引いた金額が口座に振り込まれた場合
まず、複合仕訳で入力するとこうなります。

借方貸方
預金49,800売掛金50,000
支払手数料200

この取引を、諸口を使って入力すると以下のようになります。

借方貸方
諸口50,000売掛金50,000
預金49,800諸口49,800
支払手数料200諸口200

仕訳例 2

自動車税100,000円を現金で支払った場合
この自動車は仕事で80%、私用で20%利用しているとする。
(事業と私用で使う自動車の自動車税は按分をして、一部を租税公課として経費に、
一部を事業主貸としてプライベートな支出として計上します。)

借方貸方
租税公課80,000現金100,000
事業主貸20,000

これを諸口を用いて表すと、以下のようになります。

借方貸方
諸口100,000現金100,000
租税公課80,000諸口80,000
事業主貸20,000諸口20,000

あるいは、以下のように仕訳をしても構いません。

借方貸方
租税公課100,000現金100,000
事業主貸20,000租税公課20,000

複合仕訳のメリット・デメリット

例えば、やよいの青色申告オンラインでは、複合仕訳による帳簿づけが可能です。
「追加」のボタンで行を増やして、1対1だけでなく、N対Nの複合仕訳を行うことができます。

複合仕訳 - やよいの青色申告オンライン 売掛金10万円が入金され、こちら側が振込手数料300円を負担する場合の仕訳

このように、複合仕訳は取引を分解したりすることなく自然に記録できるので、
取引の内容が分かりやすくなるというメリットがあります。
取引を分解せず1つにまとめるので、仕訳の件数も減ります。

一方、総勘定元帳に転記された時に行単位で借方と貸方が対にならないので、
相手科目が特定できなくなるというデメリットがあります。
勘定科目ごとの残高分析が行いづらくなるということです。
総勘定元帳では、相手科目には「諸口(しょくち)」と表示されます。

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