源泉徴収が必要な報酬・料金とは?源泉徴収税の計算や支払調書

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更新日 2022年5月06日

源泉徴収が必要な報酬・料金とは?

源泉徴収が必要な報酬・料金等とは?

あなたの仕事が「源泉徴収が必要な報酬・料金等」に当てはまる場合で、なおかつ報酬を支払う事業者が源泉徴収義務者の場合には、報酬額から源泉所得税が差し引かれて支払いが行われます。

源泉徴収とは、所得税の前払いのようなものです。報酬の支払い側が、あらかじめ徴収した金額を国に納めてくれます。結果的に税金を払いすぎていた場合には、確定申告をすることにより還付してもらえます。

個人の仕事で、源泉徴収の対象となる報酬・料金等

  • 原稿料や講演料など(デザイン料、作曲料、指導料、通訳料なども)
  • 弁護士や公認会計士などの特定資格をもつ人に支払う報酬
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  • プロスポーツ選手やモデル、外交員などに支払う報酬
  • 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
  • 旅館などの宴会で、客に接待をする仕事(ホステスなど)に支払う報酬
  • プロ野球選手の契約金など
  • 宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

源泉徴収が必要な報酬・料金等とは - 国税庁

報酬の支払い金額が100万円以下の場合は、報酬額に10.21%をかけた金額が源泉徴収税額となります。 従来は10%でしたが、平成25年~令和19年までは復興特別所得税が加わって10.21%です。 (復興特別所得税とは、東日本大震災の被災者救援の財源確保を目的にした税金)

【デザイン料金10万円の場合 源泉徴収税額の計算】
100,000 × 0.1021 = 10,210(源泉徴収税額)→この金額が源泉税としてあらかじめ納付される
100,000 − 10,210 = 89,790(手取り金額)→この金額を手取り報酬として受け取れる

>> 源泉徴収税額の計算方法と100万円以上の報酬の計算例について
>> 源泉所得税・消費税の請求方法と計算例について

源泉徴収徴収義務者について

報酬を支払う事業者が法人の場合は、源泉徴収義務者です。 報酬を支払う事業者があなたと同じように個人事業主の場合は、源泉徴収義務者の場合とそうでない場合があります。

次のうち、どちらかに当てはまる個人は、源泉徴収義務者でありません。

  • 常時2人以下で、お手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与などを支払っている人
  • 給与などの支払いがなく、弁護士報酬などの「報酬・料金」だけを支払っている人

例えば、従業員を雇わずに一人で仕事をしている個人事業主は、源泉徴収義務者でありません。

報酬の支払い側が源泉徴収義務者ではない場合には、たとえあなたの仕事が源泉徴収の対象となる報酬・料金等であっても、報酬の支払い側が源泉徴収をする必要はありません。

翌年1月頃に支払い側の事業者から支払調書が届く

支払い側の事業者は源泉徴収をした場合、支払調書を作成します。 年間の支払額が一定額を超えた場合、支払い側の事業者は支払調書を税務署へ提出することを義務づけられています。

税務署としては、報酬を支払った企業から送られてくる支払調書と、 個人事業主のあなたが提出してくれる確定申告書、この2つを照らし合わせることで、正しく税金が納められているかチェックすることができるわけです。

支払い側の事業者は、税務署に提出した支払調書と同じものを、仕事を請けた個人事業主にも送付してあげるのが一般的です。 (支払い側の事業者が、支払先の個人に支払調書を送るのは義務ではありません。 なので、事業者によっては、仕事を受けた個人事業主・フリーランスの方に支払調書を送付しないところもあります。)

支払調書は、仕事を請けた翌年の1月中旬〜下旬頃に送られてくるのが一般的です。 例えば、今年の6月に仕事をした場合は、来年の1月頃に支払調書が送られてくるはずです。

この支払調書を見て、個人事業主は、源泉徴収税額と手取りの報酬金額を改めて確認できます。 前年のうちに帳簿付けを怠っていた人は、1月頃に送られてくる支払い調書をもとに帳簿付けをする形になります。

>> 個人事業の源泉徴収に関するまとめ
>> 支払調書はいつ送られてくる? 送付時期と提出義務について