按分(アンブン)とは?

按分とは?

個人事業での経費の按分について

按分とは、基準とする割合で数量を分けることです。
個人事業の経理で使われる「按分」は、
主に経費と、事業とは関係ない個人的な支出の分割という意味で用いられます。

支出のうちの何割を事業用(経費)としてみなし、何割を家庭用としてみなすかの比率を表すときに使います。 一般的に「按分」もしくは「家事按分」などと言います。

例えば、個人事業主の多くは自宅と事務所を兼ねています。
オフィスと自宅が法人のように分かれておらず、
自宅のスペースでそのまま仕事をするスタイルですね。

この場合、自宅兼事務所で発生する光熱費や通信費、家賃などは、
どのぐらい経費にできるの?という疑問が出てきます。
このような時に、按分を用います。

按分の基準は、客観的かつ合理的に説明できる必要あり

例えば、自宅兼事務所の家賃が10万円の場合
1日に占める仕事時間や作業スペースの専有面積などをもとに、
事業用と個人用に按分します。

事業用と個人用の比率を「事業用3:個人用7」とすれば、
家賃10万円のうち3万円を「地代家賃」として経費にします。
7万円分は事業主の生活のための分なので、経費にできません。
7万円は個人的な出費として「事業主貸」の勘定科目で仕訳します。

按分の基準は、客観的かつ合理的に説明できる必要があります。
按分に正式なルールはありませんが、税務署員に按分の根拠を尋ねられた時に、
納得してもらえるような合理的な理由を用意しておくことが大切です。
後に税務調査が入った場合に備えて、
客観的に第三者が納得できる按分の基準を用意しておきましょう。

地代家賃でみる按分の方法

例えば仕事部屋、あるいは仕事スペースの床面積が、
自宅全体の床面積のうちの何割を占めるのか、あらかじめ計算しておきます。
可能であれば、間取り図などを使って面積の割合をわりだしておきましょう。

仕事スペースが30%、生活スペースが70%の場合は、
家賃の30%を地代家賃として経費計上します。
残りの70%は「事業主貸」として計上します。

専有面積があいまいな場合は、時間をもとに按分します。
ひと月辺りの営業時間や作業時間などをもとに按分をして下さい。

こうしておけば、客観的にも納得がいく形で説明できますね。
荒唐無稽な基準では税務署員に認められず、
追徴課税されて結果的に損をすることになりかねません。

通信費や光熱費に関しても、同じように客観的かつ合理的で
誰でも納得できるような基準をもって按分します。

複式簿記での仕訳の方法

先ほどの例でみてみましょう。
家賃が10万円で、仕事スペースとして30%、生活スペースが70%の場合
家賃を毎月事業用の口座から引き落としている場合は、以下のように仕訳します。

借方貸方
地代家賃 30,000預金 100,000
事業主貸 70,000

これは複合仕訳の場合の仕訳方法ですが、
会計ソフトの仕様上、単一仕訳しかできない場合もあります。
諸口を用いて単一仕訳をすると以下のようになります。

借方貸方
諸口 100,000預金 100,000
地代家賃 30,000諸口 30,000
事業主貸 70,000諸口 70,000

あるいは、1年分を全て地代家賃として経費につけておいて、
年末にプライベート分をまとめて按分する方法でも構いません。

この方法がラクなので一番おすすめです。
その場合は、毎月の家賃をこのようにまず全て地代家賃として仕訳していきます。

借方貸方
地代家賃 100,000預金 100,000

この仕訳で12ヶ月分を毎月仕訳します。
100,000 × 12ヶ月分 = 1200,000(1年分の家賃)
そして、年末に1年分をまとめて按分します。
今回の例では70%が事業主の生活分なので、70%を事業主貸にします。
1200,000 × 70% = 840,000(事業主貸に計上する金額)

事業主貸 840,000地代家賃 840,000

摘要の欄は「地代家賃 家事按分30%」と入力しておきましょう。
これで1年間に支払った家賃120万円のうち、
36万円が地代家賃として経費に計上され、84万円が事業主貸として計上されることになります。
水道光熱費や通信費など、毎月支払いがあり、なおかつ按分の必要がある場合にはこの方法で計上してみて下さい。

今回の例では、まず地代家賃として毎月の家賃を計上する方法を紹介しましたが、
毎月の家賃を事業主貸として帳簿づけしていき、年末に地代家賃へ按分する方法でも構いません。

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