外注工賃とは?仕訳や源泉徴収について

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更新日 2020年7月14日

外注工賃の仕訳や源泉徴収などについて

外注工賃とは?

外注工賃とは、外部の業者に仕事を発注した際に払う手間賃や下請け賃料のことを指します。 「外注費」と同じ意味です。作業をしてくれる方へ、直接に指揮監督をする場合には、給与とみなされます。外注は、基本的に請負契約・委託契約です。

例えば、ホームページの運営や電気工事などを外部の業者に頼んでその代金を支払った場合、 この経費の勘定科目は「外注工賃」とします。

税理士・弁護士・司法書士などへの報酬は、外注工賃の勘定科目ではなく、「支払手数料」や「支払報酬」の勘定科目で帳簿づけします。もし、会計ソフトにこれらの勘定科目がない場合は、新たに作成して構いません。収支内訳書や青色申告決算書にも勘定科目を書き加えることができます。

外注工賃の消費税区分

外注工賃を支払った場合の消費税区分は「課税」です。給与や賃金の支払い「給料賃金」は不課税ですが、外注費のように、雇用関係になく事業として行ってもらう場合には課税取引となります。

源泉徴収義務者の場合、源泉徴収をする必要があることも

仕事を発注するあなたが源泉徴収義務者の場合で、なおかつ相手が個人事業主(フリーランス)の場合、発注する仕事の内容によっては源泉徴収をする必要があります。(一人で事業を行っている個人事業主は、源泉徴収義務者ではありません。) >> 「源泉徴収が必要な報酬・料金等」とは?

例えば、フリーランスのデザイナーにホームページのデザインを外注する場合、 あなたが源泉徴収義務者の場合は、源泉徴収をする必要があります。 同じ発注内容でも、あなたが源泉徴収義務者でない場合は源泉徴収をする必要はありません。

ちなみに、帳簿に外注工賃をつける際は、源泉所得税を差し引く前の金額を外注工賃として計上します。 源泉徴収の分は「預り金」として計上すればOKです。

外注工賃の仕訳例①

店舗にエアコンを取り付ける工事を電気工事業者に外注した場合は、下記のように帳簿づけします。

日付借方貸方摘要
20XX年7月17日外注工賃 30,000現金 30,000(株)ビリビリ電設
エアコン取り付け

個人事業主のあなたが源泉徴収義務者であっても、発注先が法人であれば、源泉徴収をする必要はありません。

外注工賃の仕訳例② - 源泉徴収する場合の記帳方法

源泉徴収義務者である個人事業主が、フリーランスのウェブデザイナーにホームページの制作を発注した場合は、下記のように帳簿づけします。この場合は、源泉徴収を行う必要があります。

報酬のうち源泉徴収をする金額は「預り金」の勘定科目で帳簿づけします。

日付借方貸方摘要
20XX年8月30日外注工賃 100,000普通預金 90,000伊藤さん
HP制作費用
預り金 10,000

「預り金」として帳簿づけした源泉所得税を国税庁に納付するタイミングで、下記のように帳簿づけします。 なお、源泉徴収した所得税は、原則として翌月の10日までに納める必要があります。銀行や郵便局の窓口で納付できます。

日付借方貸方摘要
20XX年9月9日預り金 10,000現金 10,000源泉税の納付

上の例では、分かりやすくするために源泉税率10%で計算していますが、 平成25年〜令和19年までは復興特別所得税(0.21%)が加算されて10.21%です。
>> 源泉徴収税額の計算方法と計算例

この他にも、報酬の支払い時に源泉徴収が必要な仕事があります。 源泉徴収が必要な仕事内容の詳細については、下記を確認して下さい。

>> 「源泉徴収が必要な報酬・料金等」とは
>> 個人事業で使う必要経費の種類一覧へ