租税公課(そぜいこうか)

租税公課とは?

租税公課とは?

租税公課とは、簡単に言えば「税金や公の負担金のこと」を指します。

少し厳密に言うと、
租税 → 国税や地方税として納める税金
公課 → 租税以外の賦課金(ふかきん)や罰金などで課せられる公の金銭負担
これらをあわせて「租税公課(そぜいこうか)」と言います。
(賦課金 = 税金などのように、割り当てられて負担するお金のこと)

広義には以上のものを租税公課としますが、
個人事業の経理においては、経費として扱えるものを「租税公課」という勘定科目で仕訳します。

個人事業で「租税公課」として経費にできる税金の例

  • 個人事業税
  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 自動車税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 商工会議所や同業者組合などの会費や組合費

上記の税金は、「租税公課」として、経費処理できます。
固定資産税や自動車税・不動産取得税などは、事業での使用用途があるものに限ります。
また、事業用と個人用で併用しているものは、按分するのも忘れないようにしましょう。

複式簿記での仕訳例

1. 個人事業税10万円を現金で納付した場合

借方貸方摘要
租税公課 100,000現金 100,000個人事業税納付

2. 自動車税10万円を事業用口座から支払った場合
この自動車は仕事で60% プライベートで40%使っているとする。

借方貸方摘要
租税公課 60,000預金 100,000自動車税納付
事業主貸 40,000

上記は複合仕訳の入力方法です。
もしくは、会計ソフトの仕様などで複合仕訳ができない場合、
下記のように2つに分けて仕訳しても構いません。

借方貸方摘要
租税公課 100,000預金 100,000自動車税納付
事業主貸 40,000租税公課 40,000自動車税 家事按分40%

個人事業で「租税公課」として認められない税金の例

  • 所得税
  • 相続税
  • 都道府県民税、市町村民税、住民税
  • 国税の延滞税・加算税など
  • 地方税の延滞金・加算金など
  • 交通違反での罰金など

上に挙げた所得税・住民税などは、
事業主個人にかかる税金なので租税公課として経費処理はできません。
また罰金や延滞税など、罰則的な意味合いの税金も経費として認められません。

租税公課として経費処理できない税金を支払った際には、
事業主貸」の勘定科目で処理すればOKです。

個人事業主が納付する税金の勘定科目はこちらに一覧をまとめたので、
あわせて参考にして下さい。 >> 個人事業主が納付する税金の仕訳・勘定科目について

複式簿記での仕訳例

所得税10万円を事業用の口座から振替納付した場合

借方貸方摘要
事業主貸 100,000預金 100,000所得税納付

印紙税の消費税区分について

帳簿付けの際、租税公課の消費税区分は「不課税」です。
ただし、金券ショップなどで収入印紙や証紙を買う場合には「課税」となります。
また、郵便局で印紙を買う場合でも、買った時点では「非課税」となります。

印紙などを郵便局で購入した場合印紙などを金券ショップで購入した場合
消費税区分は「非課税」消費税区分は「課税」

ちなみに、コンビニで収入印紙を買う場合は、
郵便局で購入する場合と同様「非課税」となります。
消費税が非課税となるのは「郵便局、郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所」から印紙などを買った場合で、コンビニは「郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所」に該当するからです。
金券ショップはこれに該当しません。

ここで、印紙を買った場合の「非課税」「不課税」について理解を深めておきましょう。
厳密に言うと、収入印紙を郵便局から購入した時点では「非課税」取引となります。
「日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡」 は、非課税となる取引に規定されているからです。
>> 国税庁ウェブサイト - 非課税となる取引

で、印紙税というのは貼り付けて消印を押した時点でようやく納付したことになります。
印紙を購入しただけでは納税したことになりません。
なので、買った収入印紙を領収書にペタッと貼り付ける行為をもって印紙税を納付したことになります。
税金の納付は「不課税」なので、貼り付けた時点ではじめて「不課税」になるのです。

複式簿記での仕訳例

郵便局で200円の収入印紙を現金購入した。後日、その印紙を領収書に貼り付けて使用した。
これを厳密に表すと以下のようになります。

借方貸方
購入した時点 →租税公課(非課税) 200現金 200
貼り付けた時点 →租税公課(不課税) 200租税公課(非課税) 200

ややこしいな、と感じると思います。
事実上はこのような経緯を経て収入印紙は「非課税」から「不課税」となるのですが、
実務では収入印紙を買った時点で消費税区分を「不課税」にしておいて構いません↓

借方貸方
購入した時点 →租税公課(不課税) 200現金 200

消費税は経理方式によって仕訳の仕方が異なる

事業で納付する「消費税」は租税公課として処理できるのでしょうか?
消費税については、税込経理方式をとるか税抜経理方式をとるかによって、
仕訳の仕方がかわります。

税込経理方式とは、売上高や仕入高に消費税を含めて経理をつける方法です。
この税込経理方式の場合、納付する消費税は「租税公課」で処理します。

税抜き経理方式とは、売上高や仕入高に消費税を含めない経理の方法です。
税抜経理方式の場合、納付する消費税は「未払消費税」で処理します。

個人事業の場合、そもそも消費税を納めなくてもよい免税事業者も多くいます。
(開業してから2年間は免税、あるいは前々年の課税売上高が1,000万円以下でも免税。
ただし、前年の上半期だけで課税売上高1,000万円を超えた場合には課税事業者となる。)
免税事業者の場合は、消費税を納付しないので仕訳について気にする必要はありません。
(免税事業者は税込経理方式を採用します。)

消費税を納付する場合の仕訳については、下記のトピックを参考にして下さい。
>> 消費税の仕訳について

租税公課として経費にはできないが、控除対象となる税金もある

国民健康保険や国民年金も事業主個人にかかる税金なので、
租税公課として経費処理はできません。
これらを帳簿づけする場合も同じように「事業主貸」で仕訳しておきます。

ただ、国民健康保険や国民年金は所得税の社会保険料控除の対象になります。
確定申告で提出する書類に社会保険料控除の欄があるので、
そこに1年間で支払う総額を記入することになります。

収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
この各種控除の部分に、社会保険料控除も入るわけです。
課税所得はこのように算出されるので、控除額が多いほど節税になります。
>> 個人事業の所得控除一覧はこちら

>> 個人事業で使う必要経費の種類一覧へ