白色申告でも発生主義で記帳する?

白色申告の記帳方法

白色申告でも発生主義で帳簿付けする

結論からいうと、白色申告でも基本的には発生主義で記帳する必要があります。
ただし、白色申告は簡易な方法による記帳が認められているので、
「きっちりとした」発生主義で記帳しなくても構いません。詳細は後述しています。

現金主義で記帳することが認められるのは、
青色申告で現金主義のための申請書を提出した場合のみです。
>> 青色申告の3種類を比較

そもそも白色申告で所得300万円以下の場合は、帳簿を作る義務がないという情報がいまだにインターネット上で散見されますが、これは古い情報ですのでご注意下さい。
平成26年(2014年)以降は、
白色申告者全員に記帳と帳簿保存の義務が課されるようになりました。

つまり、現在では所得300万円以下の白色申告者にも記帳義務があるということです。

白色申告の記帳方法

記帳義務はありますが、白色申告では簡易な方法による記帳が認められています。
例えば、少額な現金売上はひとつひとつ帳簿付けせず、
1日分をまとめてつけても良いことになっています。
>> 国税庁ウェブサイト - 簡易な方法による記帳

また、掛売で取引している場合でも、
納品書や請求書で内容を確認できるものについては、
実際に現金を受け取ったときに現金売上として記載するだけで構いません。

これだけでは現金主義の簿記となりますが、
例えば、年末の売掛金に関しては、本年中の売上として記載することになっています。

「掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。」(国税庁ウェブサイト - 簡易な方法による記帳 1 売上(4)掛売上の取引

つまり、期中は現金主義的な記帳方法で良いが、
期末には発生主義的な記帳方法にして調整してね、ということです。
>> 現金主義と発生主義の違い

期中現金主義・期末発生主義をもう少し具体的に解説

先ほど述べたとおり、簡易な方法による記帳では、
売上や仕入れ、経費については実際に現金の動きがあった時に記帳すれば良いとされています。
ただし、この場合、年末の売上や仕入れ、経費は本年中のものとして計上します。

具体的にいうと、
8月10日に売掛が発生し、9月20日に売掛分の現金が回収できたとします。
この場合、正規の簿記では、8月10日に売掛金が発生したことを記載し、
9月20日に現金が回収できたことを記載します。
合計で2回記帳をするわけです。
しかし、簡易な簿記では、最初の記載を省略して、
9月20日に売上として現金を得たことだけを記載すれば良いわけです。

ただし、これは年度をまたがない「期中」だけの話で、
「期末」の掛売に関しては、その年の売掛金として記載する必要があります。
個人事業の事業年度は1月1日~12月31日と規定されているので、
期末の取引というのは、つまり年末の取引のことです。

例えば、2015年12月15日に売掛が発生し、2016年1月20日に売掛分のお金を回収する場合には、 2015年12月15日の売上を売掛金として記載し、2015年分の売上として計上します。
実際に入金をされていなくても、2015年分の収入金額として加算するということです。
この売上は2016年の1月20日に入金されますが、当然2016年分の収入としては計上しません。

「1年間の合計収支」を考えるときには、8月に売上が出ても9月に売上が出ても同じなわけです。
しかし、12月に売上が出るのと、翌年1月に売上が出るのでは、年度ごとの収支金額に影響しますね。
なので、期末の取引で年度をまたぐものは、発生主義的に記帳します。
翌々月払いなどということもありますので、
年度をまたぐ取引であれば、10月や11月の取引も同様に扱います。

年末に残った売掛金は、「◯◯社 売掛残」などの摘要で本年度の売上として計上します。
国税庁ウェブサイト - 白色申告者の決算の手引 P.15「未収入金の記載例」を参照

このように、白色申告では簡易な方法による記帳が認められているため、
期中の取引は実際に現金が動いた段階でのみ記帳して良いことになっています。
そして、期末の取引については、まだ実際にお金を受け取っていない売上でも、
売掛が確定した時点でその年の収入として計上します。
これは売上だけでなく、仕入れや経費についても同じ考え方で処理します。

>> 白色申告の簡単な帳簿づけ・領収証等の保存
>> 個人事業の確定申告で提出する必要書類