簡易課税制度とは?適用のメリットとデメリットについて

簡易課税制度とは?

簡易課税制度とは?

簡易課税制度とは、消費税の「仕入控除税額」を「みなし仕入率」によって計算し、
簡易的に算出することができる制度のことです。

仕入控除税額とは?
仕入控除税額とは、消費税を計算する時に、売上などで受け取った消費税から差し引く税額のこと

通常の消費税計算では、仕入れや経費で支払った税額が「仕入控除税額」となりますが、
簡易課税制度では「受け取った消費税 × みなし税率」が、仕入控除税額となります。
簡易課税方式では、消費税計算において支払った消費税を考慮する必要がないわけです。

簡易課税方式での最も基本的な消費税計算
受け取った消費税 − (受け取った消費税 × みなし仕入率) = 納付する消費税

これが簡易課税制度での最も基本的な計算方法になりますが、
複数の事業を運営している場合には、計算方法がやや複雑になります。
(後述のデメリットを参照)

業種みなし仕入率
第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業)80%
第三種事業(製造業等)70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(サービス業等)50%
(平成27年4月1日以後の課税期間から、金融業・保険業が50%に。
不動産業は、第六種として40%に改正。)

簡易課税制度を適用せず、
消費税を通常通り納める場合には「原則課税方式」となります。
その最も基本的な形が、以下の計算式です。

基本的な消費税の計算
受け取った消費税 − 支払った消費税 = 納付する消費税
※ 支払った消費税 = 仕入控除税額

>> 納付する消費税の計算方法

簡易課税制度を適用する条件

簡易課税制度を適用するには、以下の条件があります。

  • 前々年の課税売上高が5,000万円以下であること
  • 簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出すること

前々年の課税売上高が5,000万円超の事業者は簡易課税制度を適用できません。
つまり、小規模事業者のための制度なのです。
法人の場合は、前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下であることが条件です。

個人事業者が簡易課税制度を適用するには、
前年のうちに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しておく必要があります。
例えば、2016年分の消費税を簡易課税方式で計算したい場合は、
2015年のうちに申請を出しておきます。

簡易課税制度を適用するメリット・デメリット

メリットデメリット
  • 消費税の計算が簡単になる
  • みなし仕入率を利用するので、納税額で有利になる場合も
  • 仕入税額控除のための帳簿づけが必要ない
  • 税負担が増す場合もあり
  • 2年間継続の必要あり
  • 複数事業の場合は売上を区分する必要があり、計算がかえって面倒になる場合も
  • 売上を区分できていなければ最も低いみなし仕入率を適用となる

簡易課税適用のメリットについて

簡易課税制度では、その名の通り消費税の計算が簡易になります。
この計算では、仕入れや経費のために支払った消費税を考慮する必要がありません。
みなし仕入率によって、受けとった消費税から差し引く消費税を決定するため、
仕入れや経費として支払う実際の消費税額が少ない事業者にとっては有利になります。

例えば、コンサルタントなどの知識労働で、仕入れなどに使うお金が少ない場合、
サービス業等のみなし仕入率50%で計算すると、消費税の納税額で得をします。

簡易課税適用のデメリットについて

みなし仕入率によって計算をする(支払った消費税は考慮しない)ので、
実際には仕入れや経費をたくさん使って消費税を還付されるような場合でも、
還付を受ける事ができません。

この制度を適用すると、基本的に2年間は実額計算による計算方法に戻すことができません。
とりやめる場合にも届出を提出する必要があります。
(ただし、課税売上高5,000万円超になれば原則課税方式になりますし、
1,000万円以下となれば、また免税事業者に戻れます。)

また、みなし仕入率は取引単位で判定する必要があります。
複数の業種にまたがって事業運営している事業者は、
課税売上を事業ごとに区分けする必要があります。
この場合は、かえって経理作業が煩雑になる場合があります。
>> 簡易課税制度の計算方法について