子ども・子育て拠出金とは?各年度の拠出金率や計算方法

PR

更新日 2023年9月01日

子ども・子育て拠出金の料率や計算例について

子ども・子育て拠出金とは?

「 子ども・子育て拠出金」とは、子育て支援のために充てられる税金のことです。 社会保険料と一緒に年金事務所(日本年金機構)が徴収していますが、この拠出金の実態は社会保険料ではなく、税金です。

  • 従業員は「子ども・子育て拠出金」を負担しない
  • 雇用者側(会社や個人事業主)が、全額を負担する
  • 雇用者側が、従業員の社会保険料を納めるときに納付する

社会保険料は、雇用者側と従業員が折半ですが、この拠出金は雇用者側が全額を負担することになっています。

その従業員に子どもがいるかどうかは関係ありません。 従業員が独身で子供がいない場合でも、厚生年金に加入している方全員が対象となっています。 ちなみに、以前は「児童手当拠出金」という名称でしたが、平成27年4月から「子ども・子育て拠出金」という名称に変更されました。

令和5年度(2023年度)の拠出金率は「0.36%」

令和5年度(2023年年度)の子ども・子育て拠出金の拠出金率は「0.36%」です。

子ども・子育て拠出金における年度
令和5年度という場合、令和5年4月〜令和6年3月の期間を指す。
たとえば「5月分」の納付期限は、6月末日。

この拠出金率は令和2年度(2020年度)から変わっていません。ただ、今後は段階的に引き上げが実施される予定です(今のところ、上限が0.45%と設定されています)。 拠出金率の推移を下表にまとめておきます。

子ども・子育て拠出金 - 拠出金率の推移

年度拠出金率
2020年度(令和2年度) 〜 2023年度(令和5年度)0.36%
2019年度(平成31年度・令和元年度)0.34%
2018年度(平成30年度)0.29%
2017年度(平成29年度)0.23%
2016年度(平成28年度)0.20%
2012年(平成24年度) 〜 2015年度(平成27年度)0.15%

子ども・子育て拠出金の計算方法について

子ども・子育て拠出金は、従業員の標準報酬月額(と、標準賞与額)に、上記の料率をかけて算出します。 標準報酬月額とは、報酬月額(その人の月給)に応じて定められているものです。

標準報酬月額報酬月額(以上 〜 未満)
200,000195,000 〜 210,000
220,000210,000 〜 230,000
240,000230,000 〜 250,000
260,000250,000 〜 270,000

厚生年金保険料額表 - 日本年金機構

上の表は、厚生年金保険料額表の一部を抜粋したものです。 例えば、従業員の報酬月額(月給)が198,000円の場合は、 標準報酬月額が200,000円ということになります。 報酬月額が245,000円の場合は、標準報酬月額が240,000円ということになります。

上記は厚生年金の保険料額表ですが、ここで出てきた「標準報酬月額」を、子ども・子育て拠出金の計算にも利用します。 続いて、拠出金の計算例を紹介します。

子ども・子育て拠出金の計算例

例えば、従業員の報酬月額(月給)が25万円の場合で計算してみましょう。 この場合、先ほどの表にしたがって、標準報酬月額が260,000ということが分かります。 (「以上 〜 未満」なので、240,000ではなく、260,000の方に当てはまります。) この26万円に税率をかけて(乗じて)計算します。

子ども・子育て拠出金の計算式
標準報酬月額 × 拠出金率 = 子ども・子育て拠出金の額

令和5年度(2023年度)は拠出金率が0.36%なので、標準報酬月額に0.0036をかけます。
260,000円 × 0.0036 = 936円

この従業員の一月あたりの子ども・子育て拠出金は、936円ということになります。 先述の通り、従業員はこの拠出金を納める必要はなく、 この全額を雇用者が社会保険料と一緒に納付することになります。

このように、子ども・子育て拠出金は、従業員の給料をもとにして計算しますが、雇用者側が全額を負担するので、 給料から差し引くわけではありません。

>> 従業員へ給料を支払うときの源泉徴収について
>> 従業員の社会保険 - 社会保険の加入義務と任意加入について
>> 個人事業で従業員を雇用する場合