白色申告対応の会計ソフト一覧【無料ソフトあり】
更新日 2024年12月02日
白色申告の個人事業主・フリーランス向けに、おすすめの会計ソフトをまとめました。結論から言うと、イチオシは「やよいの白色申告 オンライン」です。無料プランでも白色申告にバッチリ対応できるうえ、サポート付きの有料プランも初年度は割引で利用できます。
- 白色申告対応の会計ソフト【比較一覧表】
- オススメ!無料で使えるクラウド会計ソフト
- 機能で選ぶなら有料ソフトもアリ
- 比較① 請求書などの作成機能
- 比較② 電子申告への対応状況
- 比較③ スマホアプリの充実度
- まとめ - 大手3社のクラウド会計ソフトを比較!
白色申告対応の会計ソフト【比較一覧表】
以下で紹介する会計ソフトは、どれも日頃の帳簿づけから確定申告書類(白色申告の「収支内訳書」を含む)の作成まで対応しています。「青色申告」と名の付くソフトでも、白色申告の書類作成にも対応可能です。
白色申告対応の会計ソフト【比較一覧表】
料金 (税込) |
対応OS | 自動 仕訳 |
電子 申告 |
操作画面 | |
---|---|---|---|---|---|
やよいの白色申告 オンライン |
0円/年~ クラウド |
○ | ○ | ||
マネーフォワード クラウド確定申告 |
11,880円/年~ クラウド |
○ | ○ | ||
freee会計 |
12,936円/年~ クラウド |
○ | ○ | ||
やよいの青色申告 |
15,400円~ インストール |
○ | ○ | ||
みんなの青色申告 |
10,780円 インストール |
○ | △ | ||
やるぞ!青色申告 |
9,680円~ インストール |
× | △ | ||
ジョブカン 青色申告/確定申告 |
5,500円~ インストール |
○ | △ |
「クラウド型」の会計ソフトは、ネット環境さえあれば、OSやデバイスを問わずに利用できます。操作画面が分かりやすいのも特徴で、経理初心者でも難なく使えます。
一方「インストール型」の会計ソフトは、インストールしたパソコンでしか利用できません。また、クラウド型と比較するとインターフェイスが古めかしく操作しにくいため、経理に慣れていない初心者には不向きです。
>> クラウド型・インストール型の違いを詳しく
- Excelからのデータ移行も可能
- 上記の会計ソフトはいずれも、Excelなどで作成した記帳データを引き継ぐことが可能。データ移行時は、Excelデータを一旦CSV形式に変換してインポートするのが一般的だが、中には「.xlsx」形式のまま取り込めるソフトもある。
オススメ!無料で使えるクラウド会計ソフト
白色申告の個人事業主に、特にオススメなのは「やよいの白色申告 オンライン」です。白色申告に必要な機能が漏れなく搭載されているうえ、ずっと無料で使える「フリープラン」があります。
「やよいの白色申告 オンライン」の料金プラン
フリープラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
---|---|---|---|
料金 (税込) |
ずっと無料! | 12,650円/年 初年度は無料 |
23,100円/年 初年度は半額 |
帳簿づけ | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳 | ○ | ○ | ○ |
確定申告書の作成 | ○ | ○ | ○ |
ユーザーサポート | なし |
・メール ・チャット ・電話(年10回まで) |
・メール ・チャット ・電話(無制限) ・業務相談 |
「フリープラン」でも有料プランと同じ機能を使えます。初年度は有料プランを優待価格で使えるので、まずはサポートつきの有料プランで始めて、サポートが不要になったらフリープランへ切り替えるのがおすすめです。トータルプランの「業務相談」は、帳簿づけや確定申告の相談までカバーしています。
「やよいの白色申告 オンライン」の機能
無料で使えるとはいえ、基本的な機能は他の有料ソフトと比較しても遜色ありません。便利な「自動仕訳」の機能もバッチリ使えるうえ、インターフェイスも初心者が使いやすいように配慮されています。
帳簿づけ | 自動仕訳 | 確定申告書の作成 |
---|---|---|
「やよいの白色申告 オンライン」に登録したデータは、そのまま「やよいの青色申告 オンライン」に引き継げます。ですから、将来的に青色申告を考えている個人事業主も、まずは「やよいの白色申告 オンライン」から使い始めて問題ありません。
機能で選ぶなら有料ソフトもアリ
基本的な機能が揃っていれば十分という個人事業主には、先述した「やよいの白色申告 オンライン」がおすすめです。ただ、その他の細かな機能に目を向けると「マネーフォワード クラウド確定申告」と「freee会計」が勝っている部分もあります。
主な機能の比較 - 大手3社のクラウド会計ソフト
弥生 | マネーフォワード | freee | ||
---|---|---|---|---|
料金 (税込) |
月額契約 | - | 1,408円~ | 1,958円~ |
年額契約 | 0円~ | 11,880円~ | 12,936円~ | |
帳簿づけ | 手入力 | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳 | ○ | ○ | ○ | |
確定申告書の作成 | ○ | ○ | ○ | |
請求書の作成 | △ Misocaで対応 |
◯ 無制限 |
◯ 無制限 |
|
電子申告 | パソコンから | ○ | △ 少し面倒 |
○ |
スマホから | × | ○ | ○ | |
スマホ アプリ |
帳簿づけ(手入力) | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳 | × | ○ | ○ | |
レシート撮影 | ○ | ○ | ○ | |
申告書類の作成 | × | ○ | ○ | |
請求書の作成 | × | ○ | ○ |
料金面では、無料で使える「やよいの白色申告 オンライン」が抜きん出ています。ただ、下記のようなポイントを重視する個人事業主は「マネーフォワード クラウド確定申告」と「freee会計」もあわせて検討するとよいでしょう。
マネーフォワードとfreeeが優れている部分
- 請求書等の作成機能
- 電子申告への対応
- スマホアプリの充実度
比較① 請求書などの作成機能
- 「弥生」にも請求書等の作成機能はあるが、無料で作成できるのは月に5通まで
- 取引書類をたくさん発行する個人事業主は「弥生」だと追加料金がかかりがち
- 一方「マネーフォワード」と「freee」なら追加料金なしで何通でも作成できる
大手3社のクラウド会計ソフトでは、いずれも請求書や領収書の作成機能を利用できます。書類に記載する請求金額などは、自動的に帳簿にも反映され、経理作業が効率的に行えます。
請求書機能の比較 - 大手3社のクラウド会計ソフト
弥生 | マネーフォワード | freee | |
---|---|---|---|
発行できる請求書の数 | △ 月11通以上は有料 |
○ 無制限 |
○ 無制限 |
作成できる書類の種類 | ・請求書 ・見積書 ・納品書 ・領収書 ・発注書 ・注文請書 ・検収書 |
・請求書 ・見積書 ・納品書 ・領収書 |
・請求書 ・見積書 ・納品書 ・領収書 ・発注書 |
「やよいの白色申告 オンライン」では、同社が提供する「Misoca(ミソカ)」というクラウドサービスを使って請求書等を作成します。「Misoca」は無料でも使えますが、書類を月に11通以上作成する場合は有料プラン(9,680円/年~)への加入が必要です。
Misoca(ミソカ)の料金プラン一覧
無料プラン | プラン15 | プラン100 | プラン1,000 | |
---|---|---|---|---|
料金(税込) | 無料 | 9,680円/年 初年度は無料 |
36,850円/年 初年度は無料 |
125,400円/年 初年度は無料 |
発行できる書類の数 | 10通/月 | 15通/月 (超過分は1通77円) |
100通/月 (超過分は1通77円) |
1,000通/月 |
>> Misoca(公式)
一方「マネーフォワード クラウド確定申告」と「freee会計 」は、会計ソフトの利用料金内で、請求書等を無制限に作成できます。取引書類をたくさん発行する個人事業主は、これらの会計ソフトを使ったほうが、結果的にコストを抑えられるかもしれません。
比較② 電子申告への対応状況
- 3社とも、ソフトからそのまま電子申告が可能
- 「マネーフォワード」と「freee」はスマホから電子申告ができる
- どのソフトも、電子申告機能の利用には「マイナンバーカード」が必要
- 電子申告とは
- 「e-Tax」というシステムを介して、申告書類をデータの状態で国税庁に送信すること。従来は、操作性の悪い「e-Taxソフト(国税庁が提供する専用ソフト)」等の利用が必須だったが、現在は会計ソフトから簡単に電子申告まで済ませられるケースが増えている。
電子申告への対応状況 - 大手3社のクラウド会計ソフト
弥生 | マネーフォワード | freee | |
---|---|---|---|
パソコンからの 電子申告 |
○ | △ e-Taxソフトの利用が必須 |
○ |
スマホからの 電子申告 |
× | ○ | ○ |
「やよいの白色申告 オンライン」では、同社が無料提供する電子申告ソフト(確定申告e-Taxオンライン)を使って簡単に電子申告ができます。スマホ申告には未対応ですが、パソコンをメインで使うつもりなら問題ないでしょう。
「freee会計」の対応はもっとも進んでおり、OSやデバイスを問わず簡単に電子申告ができます。「マネーフォワード クラウド確定申告」では、スマホからのみ電子申告が可能です。パソコンから申告する場合は、Windows・Macのいずれもe-Taxソフトを使う必要があります。
比較③ スマホアプリの充実度
- 「弥生」のスマホアプリでできるのは、簡単な帳簿づけくらい
- 「マネーフォワード」と「freee」のスマホアプリは、帳簿づけ~電子申告まで可能
- 最も機能が充実しているのは「freee」のスマホアプリで、請求書の作成もできる
大手3社のクラウド会計ソフトには、いずれも専用のスマホアプリがあります。PC版とスマホアプリでは常にデータ共有されているので、いつどちらから操作してもOKです。スマホアプリの機能は、下表のとおりソフトによって差があります。
スマホアプリの機能 - 弥生・マネーフォワード・freee
弥生 | マネーフォワード | freee | ||
---|---|---|---|---|
操作画面 | ||||
対応OS | iOS・Android | iOS・Android | iOS・Android | |
記帳 | 手入力 | ○ 『弥生 申告』アプリ |
○ | ○ |
自動仕訳 | × | ○ | ○ | |
レシート撮影 | ○ 弥生 レシート取込アプリ |
○ | ○ | |
申告書類の作成 | × | ○ | ○ | |
請求書等の作成 | × | × | ○ | |
電子申告 | × | ○ | ○ |
「やよいの白色申告 オンライン」にはスマホアプリが2つありますが、どちらも「手入力による帳簿づけ」と「レシート撮影による帳簿づけ」に機能を絞っています。そもそも機能が少ないうえ、アプリが2つに分かれているので、主にスマホから利用したい個人事業主は不便です。
一方で「マネーフォワード クラウド確定申告」と「freee会計 」のスマホアプリには、確定申告に必要な機能が一通り備わっています。とくに「freee会計」のアプリは機能が充実しており、パソコン版とほぼ同様の機能を利用できます。
まとめ - 大手3社のクラウド会計ソフトを比較!
白色申告を行う個人事業主におすすめの会計ソフトは「やよいの白色申告 オンライン」です。基本的な機能がしっかり備わっているにも関わらず、「フリープラン」ならずっと無料で利用できます。最初の年だけは有料プランが半額になるので、まずはサポートつきの有料プランで始めて、サポートが必要なくなったらフリープランに切り替えましょう。
「やよいの白色申告 オンライン」の特徴
良い点 | 懸念点 |
---|---|
・ずっと無料でも利用できる ・無料プランでも機能制限なし ・有料プランも割安 ・青色申告への移行もスムーズ |
・請求書機能には追加料金がかかりがち ・スマホアプリの機能が少ない |
「やよいの白色申告 オンライン」以外の選択肢としては、同じく大手の会計ソフトメーカーが提供する「マネーフォワード クラウド確定申告」と「freee会計 」が挙げられます。プラスアルファの機能を重視するなら、これらの会計ソフトを有料で使うのもアリです。
主な機能の比較 - 大手3社のクラウド会計ソフト
弥生 | マネーフォワード | freee | ||
---|---|---|---|---|
料金 (税込) |
月額契約 | - | 1,408円~ | 1,958円~ |
年額契約 | 0円~ | 11,880円~ | 12,936円~ | |
帳簿づけ | 手入力 | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳 | ○ | ○ | ○ | |
確定申告書の作成 | ○ | ○ | ○ | |
請求書の作成 | △ Misocaで対応 |
◯ 無制限 |
◯ 無制限 |
|
電子申告 | パソコンから | ○ | △ 少し面倒 |
○ |
スマホから | × | ○ | ○ | |
スマホ アプリ |
帳簿づけ(手入力) | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳 | × | ○ | ○ | |
レシート撮影 | ○ | ○ | ○ | |
申告書類の作成 | × | ○ | ○ | |
請求書の作成 | × | ○ | ○ |
ちなみに、青色申告の場合は電子申告に税制上のメリット(青色申告65万円控除)がありますが、白色申告にそのようなメリットはありません。あくまで、書類提出の手間を省くための便利機能と考えておきましょう。
初心者ならインストール型は避けたほうが無難
インストール型のソフトは、インターフェイスが古めかしく複雑な傾向にあります。使いこなすには簿記の知識がある程度必要なので、経理初心者は避けたほうが無難です。トータルのコストもクラウド型と同じくらいかかるので、これから会計ソフトを導入するならクラウド型をオススメします。
>> やよいの白色申告 オンライン(公式)
>> マネーフォワード クラウド確定申告(公式)
>> freee会計(公式)