電子申告の対応で比較する会計ソフト【個人事業主向け】
更新日 2024年5月01日
大手3社(弥生・freee・マネーフォワード)の会計ソフトを、電子申告への対応状況で比較します。現状、個人事業主向けのクラウド会計ソフトで、e-Taxへの対応が最も進んでいるのは「freee会計」です。
電子申告への対応状況【比較表】
大手3社のクラウド会計ソフトでは、どれも会計ソフトからスムーズに電子申告ができるようになっています。ただ、パソコンとスマホの使い分けについては、まだ対応状況に差があるので注意しましょう。
電子申告への対応状況
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
パソコンからの 電子申告 |
○ | ○ | △ ちょっと面倒 |
スマホからの 電子申告 |
× 未対応 |
○ | ○ |
- 弥生……………………PCからはスムーズに電子申告できるが、スマホ申告は未対応
- freee ………………… PCでもスマホでもスムーズに電子申告できる
- マネーフォワード……PCからの電子申告は少し面倒だが、スマホ申告ならカンタン
前提として、会計ソフトから電子申告をする際には「マイナンバーカード」と「ICカードリーダー」が必要です(スマホ申告の際はスマホのカード読み取り機能を使う)。いわゆる「ID・パスワード方式」による電子申告はできないので注意しましょう。
ちなみに、会計ソフトで申告書類を作って、その内容を「確定申告書等作成コーナー(国税庁のウェブサイト)」に手入力で転記する方法もあります。この方法なら二度手間にはなりますが、ソフトの対応状況に関わらず電子申告ができます。
やよいの白色申告 オンライン / やよいの青色申告 オンライン
弥生は「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」を別々に提供していますが、電子申告への対応状況はどちらも同じです。
- 弥生独自の電子申告ソフトを使って簡単に電子申告ができる
- スマホを使ってマイナンバーカードを読み取る
- スマホからの電子申告には未対応
パソコンから電子申告 | スマホから電子申告 |
---|---|
○ 「確定申告e-Taxオンライン」を使う |
× 未対応 |
弥生独自の電子申告ソフト(確定申告e-Taxオンライン)をパソコンにインストールしておけば、会計ソフトからシームレスに電子申告ができます。
電子申告の流れ -「やよいの青色申告 オンライン」の例
書類の作成 | データの出力 | データの送信 (確定申告e-Taxオンライン) |
---|---|---|
あらかじめパソコンに「確定申告e-Taxオンライン」をインストールしておけば、書類の作成画面からそのまま電子申告を始められます。画面の指示に従って操作すればよいので、特に難しいことはありません。
弥生の電子申告ソフトで申告データを送信する際は、マイナンバーカードの読み取りが必要です。マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを使ってカードを読み取ります。スマホに「弥生 電子署名」という無料アプリをインストールしておけば、簡単に読み取りができます。
>> やよいの白色申告 オンライン
>> やよいの青色申告 オンライン
freee会計
- freee独自の「freee電子申告アプリ」を使えば簡単に電子申告ができる
- 「freee電子申告アプリ」はパソコン版とスマホ版の両方が提供されている
- スマホでも確定申告書類の作成~電子申告が可能
パソコンから電子申告 | スマホから電子申告 |
---|---|
○ パソコン版の「freee電子申告アプリ」を使う |
○ スマホ版の「freee電子申告アプリ」を使う |
「freee電子申告アプリ」には、パソコン版(Windows・Mac)とスマホ版(Android・iOS)があります。デバイスやOSを問わず、確定申告書類の作成画面からシームレスに電子申告ができます。
パソコンから電子申告をする場合
マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば、パソコン版の「freee電子申告アプリ」を使って電子申告ができます。大まかな流れは、以下のとおりです。
書類の作成 | データの出力 | データの送信 (freee電子申告アプリ) |
---|---|---|
スマホから電子申告をする場合
マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを持っていれば、スマホ版の「freee電子申告アプリ」で電子申告ができます。この場合、わざわざICカードリーダーを買う必要はありません。
書類の作成 | データの出力 | データの送信 |
---|---|---|
ちなみに、パソコンで作った申告書類をスマホで送信する、ということもできます。逆に、スマホで作った申告書類をパソコンで送信することも可能です。
>> freee会計
マネーフォワード クラウド確定申告
- スマホアプリに電子申告機能が搭載されている
- スマホアプリだけでも確定申告書類の作成~電子申告が済ませられる
- パソコンで書類を作成し、スマホアプリで電子申告を行うことも可能
パソコンから電子申告 | スマホから電子申告 |
---|---|
△ 「e-Taxソフト(WEB版)」を使う |
○ スマホアプリを使う |
マネーフォワードから電子申告をする際は、主に下記3つの方法が考えられます。
- スマホで申告書類を作って、スマホから電子申告をする
- パソコンで申告書類を作って、スマホから電子申告をする
- パソコンで申告書類を作って、国税庁の「e-Taxソフト(WEB版)」で電子申告をする
1か2の方法なら、国税庁のソフトを介さずスムーズに電子申告ができます。たとえば、書類作成から電子申告までスマホで行う場合は、以下のような流れになります。
書類の作成 | データの送信 |
---|---|
スマホアプリからの電子申告は、スマホがマイナンバーカードの読み取りに対応していることが前提です。スマホが対応していない場合は、別途でICカードリーダーを用意して、3の方法で電子申告をすることになります。
クラウド会計ソフトの対応状況まとめ
料金プランと電子申告の対応状況
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
料金 (税込) |
【白色申告】 フリープラン 0円 ベーシックプラン 12,650円/年 初年度は無料 トータルプラン 23,100円/年 初年度は半額 |
スターター 1,628円/月 12,936円年 スタンダード 2,948円/月 26,136円/年 プレミアム 43,780円/年 |
パーソナルミニ 1,408円/月 11,880円/年 パーソナル 1,848円/月 16,896円/年 パーソナルプラス 39,336円/年 |
【青色申告】 セルフプラン 11,330円/年 初年度は無料 ベーシックプラン 18,975円/年 初年度は無料 トータルプラン 33,000円/年 初年度は半額 |
|||
パソコンでの電子申告 | ○ | ○ | △ ちょっと面倒 |
スマホでの電子申告 | × 未対応 |
○ | ○ |
弥生
- パソコンからなら、独自のツールでスムーズに電子申告ができる
- ただし、マイナンバーカードを読み取るためには対応スマホが必要
- スマホ申告には未対応
freee
- パソコンからは「freee電子申告アプリ」でスムーズに電子申告ができる
- スマホ版の「freee電子申告アプリ」を使えば、スマホ申告も可能
- スマホ申告の場合、マイナンバーカードはスマホで読み取れる(対応機種に限る)
マネーフォワード
- パソコンからの電子申告では「e-Taxソフト(WEB版)」を使うことになる
- スマホからならスムーズに電子申告ができる
- スマホ申告の際、マイナンバーカードはスマホで読み取れる(対応機種に限る)
現状、シームレスな電子申告に関しては「freee」が最も進んでいます。まだ電子申告の具体的な流れをイメージできない個人事業主でも、ひとまずfreeeを選んでおけば間違いありません。ただ、他社よりも利用料金が少し高めなので、この点も含めて比較検討しましょう。
>> やよいの白色申告 オンライン
>> やよいの青色申告 オンライン
>> freee会計
>> マネーフォワード クラウド確定申告