電子申告の対応で比較する会計ソフト【個人事業主向け】

更新日 2021年9月22日

電子申告できるクラウド会計ソフト【e-Tax】

本記事では、個人事業主向けクラウド会計ソフトにおける電子申告への対応状況をまとめています。本記事に記載のいずれのソフトも、パソコンとスマホの両方から利用できます。

電子申告への対応状況【比較表】

個人事業主向けクラウド会計ソフトで、電子申告への対応が最も進んでいるのは「freee会計」です。弥生とマネーフォワードは、下表のとおりまだ弱い部分があります。

電子申告への対応状況

弥生 freee マネーフォワード
パソコンでの
電子申告
Windows
ちょっと面倒
Mac
ちょっと面倒

ちょっと面倒
スマホでの電子申告 ×
未対応
  • 弥生……………………Windowsユーザーなら問題ないが、Macだとちょっと面倒
  • freee ………………… 幅広い対応状況でひとまず困らない
  • マネーフォワード……PCでの電子申告には不向きだが、スマホを使えば問題ない

前提として、会計ソフトから電子申告をする際には「マイナンバーカード」と「ICカードリーダー」が必要です(スマホ申告の際はスマホのカード読み取り機能を使う)。いわゆる「ID・パスワード方式」による電子申告はできないので注意しましょう。

ちなみに、会計ソフトで申告書類を作って、その内容を「確定申告書等作成コーナー(国税庁のウェブサイト)」に手入力で転記する方法もあります。この方法なら二度手間にはなりますが、ソフトの対応状況に関わらず電子申告ができます。

やよいの白色申告 オンライン / やよいの青色申告 オンライ

  • 弥生独自の「確定申告e-Taxモジュール」を使えば簡単に電子申告ができる
  • ただし「確定申告e-Taxモジュール」はWindows版しか提供されてない
  • スマホからの電子申告には未対応
  • 申告書 第五表の作成には未対応 (第五表は、修正申告をする人だけが使う書類)
Windowsユーザー Macユーザー
パソコンから
電子申告

「確定申告e-Taxモジュール」を使う

「e-Taxソフト(WEB版)」を使う
スマホから
電子申告
×
未対応

弥生は「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」を別々に提供していますが、電子申告への対応状況はどちらも同じです。

Windowsの場合

Windowsユーザーは、会計ソフトで作成した申告書類を「確定申告e-Taxモジュール」でそのまま送信できます。画面の表示に従って操作していけば、自動的に「確定申告e-Taxモジュール」が起動され、ほとんどシームレスに電子申告が完了します。

書類の作成 データの出力 データの送信
(確定申告e-Taxモジュール)
確定申告書類の作成(やよいの青色申告) 確定申告e-Taxモジュールの起動(やよいの青色申告) 電子申告データの送信(確定申告e-Taxモジュール)

Macの場合

Macユーザーは、会計ソフトで作成した申告書類を「e-Taxソフト(WEB版)」に取り込んでから送信する必要があります。「e-Taxソフト(WEB版)」は国税庁のウェブサービスで、やはり民間のソフトと比べると使い勝手が劣ります。

書類の作成 データの取り込み
(e-TaxソフトWEB版)
データの送信
(e-TaxソフトWEB版)
確定申告書類の作成(やよいの青色申告) e-TaxソフトWEB版の取り込み画面 e-TaxソフトWEB版の送信画面

>> やよいの白色申告 オンライン
>> やよいの青色申告 オンライン

freee会計

  • freee独自の「電子申告アプリ」を使えば簡単に電子申告ができる
  • 「電子申告アプリ」はパソコン版とスマホ版の両方が提供されている
  • スマホでも確定申告書類の作成~電子申告が可能
  • 確定申告書 第五表の作成には未対応(パソコンでもスマホでも)
Windowsユーザー Macユーザー
パソコンから
電子申告

パソコン版の「電子申告アプリ」を使う
スマホから
電子申告

スマホ版の「電子申告アプリ」を使う

freeeの「電子申告アプリ」には、パソコン版(Windows・Mac)とスマホ版(Android・iOS)があります。デバイスやOSを問わず、確定申告書類の作成画面からシームレスに電子申告ができます。

パソコンから電子申告をする場合

マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば、パソコン版の「電子申告アプリ」を使って電子申告ができます。大まかな流れは、以下のとおりです。

書類の作成 データの出力 データの送信
(電子申告アプリ)
確定申告書類の作成(freee会計) 電子申告アプリの起動(freee会計) 電子申告データの送信(freee会計)

スマホから電子申告をする場合

マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを持っていれば、スマホ版の「電子申告アプリ」で電子申告ができます。この場合、わざわざICカードリーダーを買う必要はありません。

書類の作成 データの出力 データの送信
確定申告書類の作成(freeeのスマホアプリ) 電子申告アプリの起動(freeeのスマホアプリ) 電子申告データの送信(freeeのスマホアプリ)

ちなみに、パソコンで作った申告書類をスマホで送信する、ということもできます。逆に、スマホで作った申告書類をパソコンで送信することも可能です。

>> freee会計

マネーフォワード クラウド確定申告

  • スマホアプリに電子申告機能が搭載されている
  • スマホアプリだけでも確定申告書類の作成~電子申告が済ませられる
  • パソコンで書類を作成し、スマホアプリで電子申告を行うことも可能
  • 確定申告書 第三表~第五表の作成には未対応
    (多くの事業主は第一表と第二表だけで申告できる。第三表は分離課税用、第四表は損失申告用、第五表は修正申告用)
Windowsユーザー Macユーザー
パソコンから
電子申告

「e-Taxソフト(WEB版)」を使う
スマホから
電子申告

スマホアプリを使う

マネーフォワードから電子申告をする際は、主に下記3つの方法が考えられます。

  1. スマホで申告書類を作って、スマホから電子申告をする
  2. パソコンで申告書類を作って、スマホから電子申告をする
  3. パソコンで申告書類を作って、国税庁の「e-Taxソフト(WEB版)」で電子申告をする

1か2の方法なら、国税庁のソフトを介さずスムーズに電子申告ができます。たとえば、書類作成から電子申告までスマホで行う場合は、以下のような流れになります。

書類の作成 データの送信
確定申告書類の作成(マネーフォワードのスマホアプリ) 電子申告データの送信(マネーフォワードのスマホアプリ)

スマホアプリからの電子申告は、スマホがマイナンバーカードの読み取りに対応していることが前提です。スマホが対応していない場合は、別途でICカードリーダーを用意して、3の方法で電子申告をすることになります。

>> マネーフォワード クラウド確定申告

第三者作成書類の提出省略について

  • 通常、確定申告では控除証明書などの添付書類も提出する
  • 電子申告では、添付書類も「データ」で送信するのが基本
  • 会計ソフトから電子申告をする際は「紙」の提出が必要な場合もある

たとえば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をする場合は、添付書類に関する入力欄が用意されています。ここに書類の内容を転記すれば、その書類を紙で提出する必要がなくなる、というわけです。

しかし、会計ソフトから電子申告をする場合は、そのソフトの対応状況によって、紙での提出を省略できるかどうかが異なります。

【対応状況】第三者作成書類の提出省略

弥生 freee マネーフォワード
社会保険料控除の証明書 省略できない
生命保険料控除の証明書 省略できない
地震保険料料控除の証明書 省略できない
寄附金控除の証明書
(ふるさと納税の受領証)
省略できない
小規模企業共済等掛金控除の証明書 省略できない
住宅ローン控除の証明書 省略できない 省略できない 省略できない

※記事更新時点の各社の公開情報に準ずる

提出省略に未対応の書類については、電子申告をしてから紙で提出する必要があります。たとえば、弥生で電子申告をしたら、ほとんどの添付書類をあとから「窓口 or 郵送」で提出する必要があります。公式サイトでも、以下のように説明されています。

【引用】
第三者作成書類の内容を入力して送信することにより税務署への提出を省略できるものがあります。…(中略)…ただし『やよいの青色申告(白色申告) オンライン』では省略して送信することに対応していないため、確定申告e-Taxモジュールにてe-Taxによる申告を行う場合は、申告後に、該当する第三者作成書類を別途郵送していただけますようお願いします。

郵送などによる提出が必要な書類 - 弥生

必要な書類を出していないと、後で税務署から提示・提出を求められる場合があります。けっきょく手間が生じるので、省略の可否はあらかじめ把握しておきましょう。

クラウド会計ソフトの対応状況まとめ

料金プランと電子申告の対応状況

やよいの青色申告 オンライン freee マネーフォワード
料金 (税込) 無料体験プラン
(2ヶ月)


セルフプラン
8,800円/年

ベーシックプラン
13,200円/年

トータルプラン
22,000円/年
無料プラン
(データ保存1ヶ月)

スターター
1,298円/月
12,936円/年

スタンダード
2,618円/月
26,136円/年

プレミアム
43,780円/年
フリープラン
(年間仕訳50件まで)


パーソナルミニ
1,078円/月
10,560円/年

パーソナル
1,408円/月
12,936円/年

パーソナルプラス
39,336円/年
パソコンでの
電子申告
Windows
ちょっと面倒
Mac
ちょっと面倒

ちょっと面倒
スマホでの電子申告 ×
未対応
添付書類の省略 ×
ほとんど未対応

だいたい対応済み

だいたい対応済み

弥生

  • Windowsユーザーなら「確定申告e-Taxモジュール」を使えるからラク
  • Macユーザーは国税庁の「e-Taxソフト(WEB版)」を使うことになる
  • どちらの場合も添付書類は郵送等で提出するのが基本

freee

  • WindowsでもMacでも「電子申告アプリ」を使えるからラク
  • スマホ版の「電子申告アプリ」もあり、スマホからの電子申告もラク
  • ほとんどの添付書類は提出を省略できる

マネーフォワード

  • パソコンからの電子申告では「e-Taxソフト(WEB版)」を使うことになる
  • スマホなら、ひとつのアプリで書類作成~電子申告を完結できる
  • ほとんどの添付書類は提出を省略できる

現状、シームレスな電子申告に関しては「freee」が最も進んでいます。まだ電子申告の具体的な流れをイメージできない個人事業主でも、ひとまずfreeeを選んでおけば間違いありません。ただ、他社よりも利用料金が少し高めなので、この点も含めて比較検討しましょう。

>> やよいの白色申告 オンライン
>> やよいの青色申告 オンライン
>> freee会計
>> マネーフォワード クラウド確定申告