オンラインで使える無料の青色申告ソフト【個人事業主向け】
更新日 2024年5月01日
青色申告の個人事業主向けに、オンラインで使える無料の会計ソフトを紹介します。「クラウド型」のソフトなら、パソコンへのインストールは不要で、インターネット上で利用できます。
無料で使える青色申告ソフト
個人事業主向けの会計ソフトには、無料で使えるものがいくつか存在します。本記事では、このうち「クラウド型」で「青色申告向け」のソフトを紹介します。
無料で使える会計ソフトの分類(主な例)
白色申告向け | 青色申告向け | |
---|---|---|
クラウド型 | ・やよいの白色申告 オンライン | ・円簿青色申告 ・魔法陣会計クラウド |
インストール型 | とくになし | ・会計アプリ aoiro ・フリーウェイ経理Lite など |
「円簿青色申告」と「魔法陣会計クラウド」は、どちらもインターネット上で無料で利用できます。ただ、現状では必要最低限の機能しか備えていません。
オンラインで使える青色申告ソフト【比較一覧表】
円簿青色申告 | 魔法陣会計クラウド | 一般的な 青色申告ソフト |
|
---|---|---|---|
料金 | 無料 | 無料〜 | 年額 1万円程度〜 |
帳簿付け | ○ | △ 無料プランは制限あり |
○ |
自動仕訳 | × | × | ○ |
請求書の作成 | × | × | ○ |
確定申告書類の作成 | ○ | △ 決算書のみ |
○ |
電子申告 (e-Tax) |
× | × | ○ |
消費税の申告 | × | × | △ ソフトごとにまちまち |
サポート | ・メール | ・メール ・電話 |
・メール ・チャット ・電話 |
「どうしても無料のソフトがいい!」という個人事業主には、ひとまず「円簿青色申告」をおすすめします。もう片方の「魔法陣会計クラウド」もオンラインで使えますが、確定申告書の作成には対応していません。
ただ「円簿青色申告」も、大手メーカーのソフトと比べると機能性や使い勝手は劣ります。特に簿記初心者の場合は、無料ソフトを使いこなすのが難しいので、年額1万円程度で有料ソフトの利用を検討しましょう。(記事の後半で有料ソフトも紹介しています)
【無料】円簿青色申告
「円簿青色申告」は、無料で使える青色申告向けのクラウド会計ソフトです。「とにかくお金をかけたくない!」という個人事業主には最適なソフトだと言えます。ただ、初心者向けの機能などはなく、簿記の知識がそこそこある人向けの仕様です。
「円簿青色申告」の基本情報
料金 | サポート | 帳簿付け | 自動仕訳 |
---|---|---|---|
無料 | メールのみ | ○ | × |
請求書の作成 | 青色決算書の作成 | 確定申告書の作成 | 電子申告 |
× | ○ | ○ | × |
- 操作画面にインターネット広告が表示される
- 帳簿付けは仕訳形式で入力するので、複式簿記の知識がないと使いこなせない
- 自動仕訳の機能がないので、取引が多い個人事業主には不向き
複式簿記での帳簿付けや申告書類の作成など、青色申告に必要な最低限の機能は備わっています。しかし、自動仕訳などの気の利いた便利機能はないので、どちらかと言うと「これまでも自力でガンガン帳簿付けしてたよ~」という簿記中級者向けです。
操作画面の例(円簿青色申告)
ホーム画面 | 帳簿付け | 確定申告書類の作成 |
---|---|---|
帳簿付けは「仕訳」の形式で行います。初心者向けの入力フォームなどは用意されていません。ある程度は複式簿記の知識がないと、ちょっとした収支を記録するだけでも手こずりそうです。
【無料】魔法陣会計クラウド
「魔法陣会計クラウド」は、複式簿記に対応した無料のクラウド会計ソフトです。同社が提供する有料ソフト(「《魔法陣》所得税」など)との連携を前提とした仕様で、このソフト単体では確定申告書を作成できません。
「魔法陣会計クラウド」の基本情報
料金 | サポート | 帳簿付け | 自動仕訳 |
---|---|---|---|
無料〜 | メール・電話 | △ 無料プランは制限あり |
× |
請求書の作成 | 青色決算書の作成 | 確定申告書の作成 | 電子申告 |
× | ○ | × | × |
- 無料プランだと、1年間で仕訳100行分の帳簿付けしかできない
- 有料プランは年額13,200円~
- 別ソフトの「《魔法陣》所得税」と連携すれば確定申告書も作れる(39,600円)
無料プランだと、年間100行までしか仕訳を登録できません。要するに、1年間に最大でも100件までしか収支を記帳できないということです。取引の回数が少ないフリーランス等の個人事業主なら大丈夫かもしれませんが、業種によっては厳しいでしょう。
操作画面の例(魔法陣会計クラウド)
ホーム画面 | 帳簿付け | 確定申告書類の作成 |
---|---|---|
操作画面の使い勝手は「円簿青色申告」とトントンといった印象です。簡易的な帳簿付け画面などは無いので、簿記初心者の個人事業主は苦労しそうです。
なお、このソフト単体では確定申告書を作成できません。確定申告の際には、ソフト上で青色申告決算書を作成して、それをもとに手書きなどで申告書類を作成する必要があります。
やっぱり青色申告には有料ソフトがオススメ!
青色申告の個人事業主は、多少コストをかけてでも有料のクラウド会計ソフトを使うのがオススメです。無料ソフトにも最低限の機能はありますが、効率面で考えると有料ソフトのほうが圧倒的に優れています。
有料のクラウド会計ソフトを使うメリット
- 初心者でも使いやすいよう、インターフェイスが工夫されている
- 自動仕訳の機能で、帳簿付けの大部分をソフトに任せることも可能
- 電子申告(e-Tax)への対応が進んでおり、青色65万円控除をラクに狙える
- 請求書の作成や経費精算など、サブ機能も充実している
- スマホアプリからもサクッと操作できる
たとえば、青色申告ソフトの定番とも言える「やよいの青色申告 オンライン」には、以下のような機能が備わっています。操作画面もスッキリしていて、初心者でも使いやすいです。
初心者向けの記帳フォーム | 自動仕訳による取引登録 |
---|---|
確定申告書類の作成 | スマホアプリの記帳機能 |
「とはいえ、お高いんでしょう?」と思われるかもしれませんが、大手メーカーのソフトでも年額1万円程度から使えます。事務作業の時短による生産性アップや、青色申告65万円控除の節税効果などを考えれば、決して高い金額ではありません。
おすすめのクラウド会計ソフト【3選】
有料ソフトを選ぶなら、大手3社の「弥生・freee・マネーフォワード」が提供するクラウド会計ソフトがオススメです。オンラインの個人事業主向け会計ソフトでは、この3社がシェアの大部分を占めています。
大手3社のクラウド会計ソフト【比較一覧表】
やよいの青色申告 オンライン |
freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
|
---|---|---|---|
操作画面 | |||
料金 (税込) |
セルフプラン 11,330円/年 (初年度は無料) ベーシックプラン 18,975円/年 (初年度は無料) トータルプラン 33,000円/年 (初年度は半額) |
スターター 12,936円/年 スタンダード 26,136円/年 プレミアム 43,780円/年 |
パーソナルミニ 11,880円/年 パーソナル 16,896円/年 パーソナルプラス 39,336円/年 |
帳簿付け | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳 | ○ | ○ | ○ |
請求書の作成 | △ 月6枚以上は有料 |
○ | ○ |
確定申告書類の 作成 |
○ | ○ | ○ |
電子申告 (e-Tax) |
○ | ○ | ○ |
スマホアプリ | △ 機能が少ない |
○ | ○ |
消費税の申告 | ○ | △ スタンダードプランから |
× |
やよいの青色申告 オンライン |
freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
料金を抑えたいなら「やよいの青色申告 オンライン」がオススメです。どのプランも、初年度は大幅な割引が適用されます。1年目はサポートがバッチリ付いた「トータルプラン」をおトクに利用して、だんだん簿記のことが分かってきたら無料ソフトへの乗り換えを検討するのもアリです。
「freee会計」と「マネーフォワード クラウド確定申告」も、無料トライアルができます。その間に、無料ソフトと使い勝手を比べてみてもよいでしょう。
>> クラウド3社を徹底比較!- 弥生・freee・マネーフォワード
>> 青色申告にオススメの会計ソフト【比較一覧表】
>> 電子申告(e-Tax)の対応で比較する会計ソフト