複式簿記の知識なしで青色申告55万円・65万円控除を狙うには?
更新日 2024年8月02日
青色申告特別控除の節税効果
所得が多いほど、青色申告特別控除による節税効果が大きくなります。下表では、所得税と住民税(所得割)の合計金額を表示しています。赤文字は、白色申告と比べたときの節税額です。
白色申告 | 青色申告 10万円控除 | 青色申告 55万円控除 | 青色申告 65万円控除 | |
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所得金額 200万円 | 175,000 (所得税と住民税の合計額) | 160,000 白色との差額 −15,000 | 92,500 白色との差額 −82,500 | 77,500 白色との差額 −97,500 |
500万円 | 722,500 | 692,500 −30,000 | 562,500 −160,000 | 542,500 −180,000 |
800万円 | 1,532,500 | 1,502,500 −30,000 | 1,367,500 −165,000 | 1,337,500 −195,000 |
1,000万円 | 2,179,000 | 2,146,000 −33,000 | 1,997,500 −181,500 | 1,964,500 −214,500 |
例えば、所得500万円の場合、白色申告では所得税と住民税(所得割)を合わせて「722,500円」納付します。一方、同じ所得500万円の場合でも、青色申告65万円控除を適用すれば、所得税と住民税の合計納付額は「542,500円」となります。このとき、白色申告と比べて180,000円の節税になるということです。
状況により税額が変わるので、節税額をおおまかに理解する表としてご参照ください。この表の計算方法については、下記のページで詳述しています。
>> 白色申告と青色申告の納税額の違いを徹底比較
複式簿記の知識がなくても帳簿づけできる?
「55万円・65万円の特別控除を受けるのはすごく大変?」かというと、実はそんなこともありません。10万円控除との大きな違いは「必要な帳簿」と「貸借対照表」の作成です。
もし手書きで帳簿づけするのであれば、正確な簿記の知識や、たくさんの帳簿に転記していく時間と労力が必要になります。 しかし、会計ソフトを使えば取引内容を入力をするだけで必要な帳簿はソフトが自動作成してくれます。前述の「必要な帳簿」と「貸借対照表」作成も、会計ソフトにまかせておけば問題ありません。
今では青色申告で55万円・65万円の控除を受けるためのハードルが、会計ソフトのおかげでだいぶ下がったということです。 もちろん簿記の知識があるに越したことはないので、ソフトを使いながら事業に関係する部分を学習しつつ帳簿づけすればなおよいでしょう。
会計ソフトを利用するメリット・デメリット
個人事業主向け会計ソフトの年間コストは、法人用のものよりも大分低く、大体どの会計ソフトでも年間1万円前後です。 青色申告特別控除によって10万円や20万円の節税が見込めるのであれば、会計ソフトを使わない手はありません。 会計ソフトに投資して、節税と帳簿づけ時間短縮のリターンを得ましょう。
会計ソフトをを利用するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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2014年(平成26年)以降は、白色申告者でも記帳と帳簿の保存が義務付けられ、白色申告を選択する大きなメリットが失われました。 みずから会計業務を行う個人事業主は青色申告を選択し、会計ソフトを利用して55万円・65万円の特別控除を目指すことをおすすめします。
会計ソフトで帳簿付けと確定申告書類の作成
個人事業主向けのクラウド型会計ソフトを使えば、複式簿記もかんたんになります。 従来の会計ソフトのように「まずもってどの帳簿にどう入力すればいいのか分からない!」ということがありません。
おすすめのクラウド会計ソフト
マネーフォワード | やよいの青色申告 オンライン | freee |
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白色申告・青色申告に対応 | 青色申告に対応 | 白色申告・青色申告に対応 |
とくにおすすめなのはマネーフォワードや、やよいの青色申告 オンライン、freeeで、これらは、とにかくシンプルで使いやすい個人事業用の会計ソフトです。 取引内容を入力していけば、複式簿記の帳簿が自動的に作成されます。 帳簿を作成するのに複式簿記の知識はほとんど必要ありません。
ひとつ留意しておきたいのは、青色申告は税務署への事前申請が必要であるということです。 青色申告の申請が間に合わなかった人は、ひとまず白色で確定申告しましょう。
>> マネーフォワード クラウド確定申告(白色申告・青色申告対応)
>> やよいの青色申告 オンライン(青色申告対応)
>> freee(白色申告・青色申告対応)
>> 白色申告と青色申告の違いを確認