青色申告特別控除について

青色申告特別控除

個人事業の確定申告には、大きくわけて白色申告と青色申告があります。 特に何も申請をしなければ白色申告となります。青色申告は事前申請の必要がありますが、 本ページで紹介する青色申告特別控除など、いくつかの特典が用意されています。

青色申告特別控除とは?

青色申告特別控除は、青色申告者にのみ適用される控除です。 控除額は10万円と65万円の2種類があり、簿記の方法によって控除額が変わります。 簡易簿記、もしくは現金式簡易簿記の場合には10万円控除。 複式簿記で正しく記帳すれば65万円控除が受けられます。
>> 簡易簿記・現金式簡易簿記・複式簿記の違いについて

所得税は、下記の計算式で算出します。この中の「各種控除」に青色申告特別控除が入ります。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 課税控除額 − 税額控除額 = 所得税額

新規開業や廃業などで1年間のうちに営業できたのが数ヶ月であったとしても、 青色申告特別控除は月割りなどにはなりません。 例えば、新規開業で9月から12月までの4ヶ月しか営業していないとしても、 後述の適用条件を満たしていれば、10万円か65万円の控除を受けることができます。

青色申告特別控除が適用される税金

青色申告特別控除が適用されることで、個人事業主が納付する所得税・住民税・国民健康保険の金額が少なくなります。 一方、個人事業税や消費税、国民年金などには青色申告特別控除が関係しません。

青色申告特別控除の適用について

適用される税金の例適用されない税金の例
  • 所得税
  • 住民税
  • 国民健康保険
  • 個人事業税
  • 消費税
  • 国民年金

個人事業で納める主な税金には、個人事業税や消費税がありますが、 これらの計算に青色申告特別控除は適用されません。 また、国民年金も全員一律なので、青色申告特別控除は適用されません。 (国民年金保険料は、だいたい1ヶ月16,000円程で一律。)

青色申告65万円控除を受けるための要件

青色申告で65万円の特別控除を受けるには、以下に挙げる3つの要件を満たす必要があります。 この要件にひとつでも該当しない青色申告者は、10万円控除の適用となります。

  1. 事業所得か不動産所得を得る事業を営んでいること
  2. 正規の簿記(複式簿記)で記帳していること
  3. 確定申告書類を法定申告期限内に提出すること
詳細要件は青色申告特別控除(平成31年4月1日現在法令等) - 国税庁ウェブサイト

1. 事業所得か不動産所得を得る事業を営んでいること

所得の種類は10種類ほどありますが、その中でも事業所得と不動産所得が生じる事業を営んでいる必要があります。 事業所得とは、事業から生ずる所得のことで、個人事業者の所得はほとんどの場合これに当てはまります。 >> 10種類の所得について

2. 正規の簿記(複式簿記)で記帳していること

青色申告で65万円控除を受けるためには「正規の簿記(複式簿記)」による会計記録が要件となっています。 >> 簡易な簿記(単式簿記)と正規の簿記(複式簿記)の違い

3. 確定申告書類を法定申告期限内に提出すること

複式簿記で記帳した帳簿にもとづき、確定申告書類を作成します。 その確定申告書類の所定欄に65万円の控除額を記入します。 青色申告では、青色申告決算書と確定申告書Bを提出することになっていますので、 これらを法定申告期限(基本的には3月15日)までに提出します。

上記のように、65万円控除を受けるには法定申告期限内の提出が要件となっていますので、 期限後申告では65万円控除を受けることができません。 (期限後申告になっても、10万円控除であれば受けることができます。)

所得税と住民税で具体的にいくら税金が少なくなる?

青色申告特別控除は、あくまでも「控除」なので、 65万円控除であっても、納める税金がまるまる65万円少なくなるわけではありません。 ということで、具体的にどのくらい納める税金が少なくなるかを見ていきましょう。

下記の表は、課税所得(ざっくり言うと年収)が、200万円・500万円・800万円の場合に、白色申告と青色申告でどれほど納税額の差が出るかを簡易的に示したものです。

白色申告青色申告10万円控除青色申告65万円控除
200万円所得税 102,500
住民税 200,000
合計 302,500
所得税 95,000
住民税 190,000
合計 285,000
白色との差額 −17,500
所得税 67,500
住民税 135,000
合計 202,500
白色との差額 −100,000
500万円572,500
500,000
1,072,500
552,500
490,000
1,042,500
−30,000
442,500
435,000
877,500
−195,000
800万円1,204,000
800,000
2,004,000
1,181,000
790,000
1,971,000
−33,000
1,054,500
735,000
1,789,500
−214,500

(一番左の列は、青色申告特別控除前の課税所得金額)

状況により多少違いが出るので、白色申告と青色申告で納税額のおおよその差額をつかむイメージでご覧下さい。 (売上 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得)

例えば、課税所得200万円の場合は、白色申告で所得税と住民税の合計額が302,500円となります。 一方、青色申告65万円控除を適用した場合には、所得税と住民税の合計額が202,500円となります。 つまり、この場合だと青色申告65万円控除では、白色申告よりも約10万円納める税金が少なくなるということです。

ちなみに、先述の通り「国民健康保険」にも青色申告特別控除が適用されますが、 これはお住まいの自治体によって計算方法が異なります。

2020年分からの改正について

2020年分(令和2年分)から、青色申告特別控除の制度が変更されます。「2020年分から」なので、2021年(令和3年)2月16日〜3月15日に提出する確定申告書からの適用ということです。まだ少し先の話ではあります。

今までは控除額が10万円か65万円に大別されていました。これに、55万円という中間点が加わります。10万円の控除に関して変更はありませんが、65万円の控除を受ける要件がひとつ加わります。

青色申告特別控除の変更点

65万円控除を受けるための新しい要件は、「e-Taxによる申告」か「電子帳簿保存」のいずれかを行うこと。これを満たさなければ、55万円の控除になります。

青色申告特別控除65万の主な要件

要件がひとつ増えるので、納税者にとっては不利な改正と言えます。政府の「電子申告やマイナンバーカードをもっと普及させたい」という課題感から、このような制度改正が実行されます。

>> 2020年分の所得控除改正について - 基礎控除と青色申告特別控除
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