電子申告における個人認証の方法 - マイナンバーカード方式とID・パスワード方式

更新日 2025年9月30日

電子申告における個人認証の方法

電子申告をする際、必ずオンラインで個人認証を行います。この認証方法について、マイナンバーカードを使う「マイナンバーカード方式」と、マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」を見ていきましょう。

電子申告における個人認証とは

e-Taxを利用する際には、オンラインでの個人認証が必須です。電子申告をする場合は、基本的に「マイナンバーカード方式」か「ID・パスワード方式」のどちらかの方法で認証を行います。

マイナンバーカード方式ID・パスワード方式
マイナンバーカードに内蔵された電子証明書を読み取ることで、認証する方法事前に税務署で発行したIDとパスワードを使って、マイナンバーカードなしで認証する方法

「ID・パスワード方式」は、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な手段として設けられた方法で、2025年10月以降は新規ID・パスワードの発行が停止されています。2025年9月以前にIDとパスワードを取得済の人に限り、当面は引き続き利用可能です。

利用できる場面

マイナンバーカード方式ID・パスワード方式
・確定申告書等作成コーナーからの電子申告
・e-Taxソフトからの電子申告
・e-Taxソフト(WEB版)からの電子申告
・会計ソフトからの電子申告
などなど
・確定申告書等作成コーナーからの電子申告

ウェブ上の「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をするだけなら、ID・パスワード方式で全く問題ありません。ただ、今後もe-Taxを活用していくつもりなら、始めからマイナンバーカード方式を利用しておいてもよいでしょう。

【認証の手順】マイナンバーカード方式

マイナンバーカード方式では、マイナンバーカードだけでなく、それを読み取るためのカードリーダーも必要です。また、カードから読み取った情報で個人認証を行うために、専用ソフト等のセットアップも必要になります。

マイナンバーカード方式の手順

マイナンバーカードは、総合サイトから申請すれば1~2ヶ月で取得できます。ICカードリーダーは、市販のものを使います。安いものなら2,000~3,000円で販売されています。

カードリーダーはスマホで代用できる場合も

iPhone(8以降)を含む一部のスマホでは、マイナンバーカードの情報を読み取ることができます。ただ、パソコンに接続して利用する際は、パソコンとスマホの相性によってうまく使えない場合もあります。詳しくは以下のページを参考にしてください。
>> ICカードリーダライタのご用意 - 公的個人認証サービス

【認証の手順】ID・パスワード方式

2025年9月以前に税務署で手続きが済んでいる人に限り、ID・パスワード方式で簡単に個人認証ができます。マイナンバーカードは必要ありません。ただし、ID・パスワード方式で個人認証ができるのは「確定申告書等作成コーナー」を利用する時だけです。

ID・パスワード方式の手順

ID・パスワードが記載されている書類

税務署でID・パスワードを発行した人は、以下の書類を持っているはずです。この紙に記載された番号を入力するだけで、オンラインでの個人認証を行えます。万が一、紙を紛失してパスワードを忘れていても、窓口やオンライン上で再発行の手続きは可能です。

ID・パスワード方式の届出完了通知

このIDとパスワードは、当面の間は使用可能です。ただ、ID・パスワード方式はあくまで暫定的な認証方法なので、すでにID・パスワードを持っている人であっても、いずれは利用できなくなるものと思っておきましょう。

ID・パスワード方式ではできないこと

「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をするだけなら、手順が簡単なID・パスワード方式がおすすめです。しかし、ID・パスワード方式による個人認証では、たとえば以下のような機能を利用できません。

  • e-Taxソフトやe-Taxソフト(WEB版)を使った電子申告
  • 会計ソフトからの電子申告
  • e-Taxのメッセージボックスに届く通知の確認

e-Taxソフト・e-Taxソフト(WEB版)を使った電子申告

e-Taxソフトやe-Taxソフト(WEB版)を使えば、利用中の会計ソフトから出力したデータをそのまま国税庁に送信できます。しかし、その際にはマイナンバーカード方式による個人認証が必須です。

会計ソフトからの電子申告

大手のクラウド会計ソフト(弥生・freee・マネーフォワードなど)は、会計ソフトからそのまま電子申告ができます。しかし、今のところID・パスワード方式で使えるものはありません。

e-Taxのメッセージボックスに届く通知の確認

e-Taxのメッセージボックスに届く通知の一部は、マイナンバーカード方式で認証をしないと閲覧できません。と言っても、必要最低限の通知はマイナンバーカードを使わなくても閲覧できるので、それほど困ることはないでしょう。

まとめ - どっちの方式がいい?

「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をする際は、マイナンバーカード方式かID・パスワード方式のどちらかで個人認証を行います。しかし、それ以外の方法で電子申告をする場合は、基本的にマイナンバーカード方式の一択です。

利用できる場面

マイナンバーカード方式ID・パスワード方式
・確定申告書作成コーナーからの電子申告
・e-Taxソフトからの電子申告
・e-Taxソフト(WEB版)からの電子申告
・会計ソフトからの電子申告
などなど
・確定申告書作成コーナーからの電子申告

「確定申告書等作成コーナー以外から電子申告をしたい」「本格的にe-Taxを活用していきたい」という人は、マイナンバーカード方式を利用しましょう。マイナンバーカードさえ手元にあれば、その他の準備はそれほど手間ではありません。

一方、ID・パスワード方式は、あくまでマイナンバーカードが普及するまでの暫定手段です。まだしばらくは利用できる見込みですが、2025年10月以降は新規利用を停止しており、いずれはマイナンバーカード方式に一本化されることが予想されます。

>> マイナンバーカードの作り方 - 個人番号カードの発行方法
>> 電子申告の流れ - 確定申告書等作成コーナーを利用する場合
>> 電子申告の流れ - 会計ソフトを使う場合