会計ソフトから出力したデータで電子申告する方法【e-Tax】

更新日 2020年5月19日

電子申告の流れ - 会計ソフト編

本記事では、市販の会計ソフトから出力したデータを使って、電子申告を行う手順について説明します。出力したデータを国税庁へ送信する方法はいくつかありますが、どの場合でもマイナンバーカードの利用が必須です。>> 個人事業の会計ソフト一覧

電子申告のおおまかな流れ

多くの会計ソフトでは、ソフトで作成した確定申告書類のデータを、電子申告用に出力できます。出力したデータを「e-Taxソフト」などに取り込んで、国税庁(e-Tax受付システム)に送信することになります。電子申告はこれで完了です。

電子申告の流れ(会計ソフトから出力したデータを利用する場合)

データの送信には、必ず「e-Taxソフト」「e-Taxソフト(WEB版)」「会計ソフトの独自ツール」のどれかを使います。特徴はそれぞれ以下のとおりです。

e-TaxソフトWindowsパソコン用のインストール型ソフト
使い勝手が悪いため、個人事業ではあまり使わない
e-Taxソフト(WEB版)e-Taxソフトの一部機能を利用できるウェブサイト
OSを問わず使えるうえ、e-Taxソフトより断然扱いやすい
会計ソフトの独自ツール会計ソフトのメーカーが独自に開発・提供するソフト
仕様はメーカーごとに異なるが、いちばん使いやすい

基本的には「e-Taxソフト(WEB版)」か「独自ツール」を使うのがおすすめです。特に「独自ツール」なら、会計ソフトで申告データを作って、そのままカンタンな流れで送信まで済ませられます。

しかし、「e-Taxソフト(WEB版)」と「独自ツール」に未対応の会計ソフトもあります。そのため、本記事では「e-Taxソフト」を使う手順も簡単に触れておきます。

マイナンバーカードとICカードリーダーが必須

会計ソフトから出力したデータで電子申告を行う際は、マイナンバーカード(電子証明書)と、それを読み取るためのカードリーダーが必須です。マイナンバーカード無しで電子申告をしたい場合は「確定申告書等作成コーナー」を利用しましょう。
>> 確定申告書等作成コーナーから電子申告をする手順

【事前準備】e-Taxの利用開始手続き

始めにe-Taxの利用開始手続きを済ませておくと、後々スムーズです。「マイナンバーカード方式」の手順を踏めば、本来必要な「開始届出書」の提出を省略して、簡単にe-Taxの利用登録ができます。

マイナンバーカード方式によるe-Taxの利用開始

e-Tax公式サイトのトップページから「e-Tax受付システム」にアクセスしましょう。そこで「マイナンバーカードの読み取り」を選択し、必要なセットアップを済ませれば、実際にカードの読み取りを行えます。

① e-Tax受付システムへアクセス② マイナンバーカードの読取③ 利用者情報の入力④ 利用者識別番号
の取得
e-Tax受付システムへのアクセス方法ログイン画面(e-Tax受付システム)利用者情報の入力(e-Tax)利用者識別番号の取得(e-Tax)

>> e-Tax 国税電子申告・納税システム - 国税庁

カードを読み取ったら、あとは指示に従って必要事項を入力するだけです。最終的に「利用者識別番号」を取得して、e-Taxの利用開始手続きは完了です。

独自ツールもあらかじめインストールしておこう

会計ソフトの「独自ツール」を使って申告データを送信したい場合は、そちらの準備も済ませておきましょう。クラウド会計ソフトでも、電子申告用のツールはインストール型が基本です。各メーカーの公式サイトからダウンロードできます。

データの作成・出力

会計ソフトでは、確定申告書類を作る前後に、提出方法を選択するのが一般的です。表現はソフトごとに異なりますが、そこで「電子申告」なり「e-Tax」なりを選択すれば、電子申告用の形式でデータが出力されます。

たとえば、クラウド会計ソフトの「freee」では、申告書類を作り始める際に以下のような選択肢が表示されます。

提出方法の選択(freee)

ここで「国税庁システムで電子申告」を選んでおけば、「e-Taxソフト」と「e-Taxソフト(WEB版)」に取り込める形式で申告データが出力されるわけです。

ちなみに「freeeで電子申告」を選ぶと、freee独自の「電子申告アプリ」というツールを使って申告データの送信を行う流れになります。

対応状況は会計ソフトごとに異なる

どの送信媒体に向けて申告データを出力できるかは、会計ソフトごとに異なります。大手3社が提供するクラウド会計ソフトの対応状況は、それぞれ以下の通りです。

やよいfreeeマネーフォワード
e-Taxソフト
e-Taxソフト(WEB版)
(非推奨)
独自ツール
(Windowsのみ)

「e-Taxソフト(WEB版)」と「独自ツール」は使いやすいのですが、会計ソフトの対応状況がまちまちです。「e-Taxソフト」しか使えない場合はどうしても手間がかかるので、使っている会計ソフトの仕様を確認しておきましょう。

送信方法① e-Taxソフトを使う場合

e-Taxソフトは、e-Taxの公式サイトからダウンロードできます。先述の通り、これはWindows専用ソフトです。「共通プログラム」と「税目プログラム」の2つがありますが、両方をインストールしないと所得税の電子申告はできません。

「共通プログラム」のインストール「税目プログラム」の追加インストール
共通プログラムのインストール(e-Taxソフト)税目プログラムのインストール(e-Taxソフト)

>> e-Taxソフトダウンロードコーナー - 国税庁

インストールしたら、初回のみ「利用者ファイルの作成」や「利用者情報の登録」など、アカウント作成のような作業が必要になります。それらが済んだら、会計ソフトから出力したデータを取り込めます。

① 利用者ファイル
の作成
② 利用者情報の登録③ 申告データの取込④ 申告データの送信
利用者ファイルの作成(e-Taxソフト)利用者情報の登録(e-Taxソフト)申告データの取込(e-Taxソフト)申告データの送信(e-Taxソフト)

申告データを送信すると、すぐに送信結果が表示されます。問題なく送信できていれば、電子申告は完了です。電子納税を選択する場合は、ソフト内のメッセージボックスに届く「受付結果」から納付手続きを行いましょう。

送信方法② e-Taxソフト(WEB版)を使う場合

e-Taxソフト(WEB版)は、ソフトをダウンロードしなくても、ブラウザ上で利用できます。WindowsでもMacでも利用可能です。公式ページからログインしたら「申告・申請」のメニューに進み、「作成済みデータの利用」を選択しましょう。ここで、会計ソフトから出力した申告データを取り込めます。

① ログイン② 申告・申請メニュー③ 申告データの取込④ 申告データの送信
e-Taxソフト(WEB版)のログイン画面申告・申請メニュー【e-Taxソフト(WEB版)】申告データの取込み【e-Taxソフト(WEB版)】申告データの送信【e-Taxソフト(WEB版)】

e-Taxソフト(WEB版) - 国税庁

申告データを取り込んだら、あとは「電子署名の付与」を行って送信するだけです。送信が完了したら、「送信結果・お知らせ」のメニューから送信結果を確認できます。なお、電子納税をする場合は、その後に届く通知から手続きを行いましょう。

送信方法③ 会計ソフトの独自ツールを使う場合

独自ツールの仕様は会計ソフトによって異なりますが、データ作成から送信までの流れはあまり変わりません。本記事ではクラウド会計ソフト「freee」の「電子申告アプリ」を例に説明します。

「電子申告アプリ」は、あらかじめインストールを済ませていれば、確定申告書類の作成画面からそのまま起動できます。このとき、データの移動は自動的に行われ、ユーザーが出力や入力の操作を行う必要はありません。

① 独自ツールの
インストール
② 提出方法の選択③ 電子署名の
付与・送信
④ 受付結果の確認
電子申告アプリのインストール(freee)提出方法の選択(freee)電子署名の付与・送信(freee)受付結果の確認(freee)

初回利用時には各種の設定が必要になりますが、それ以降は非常にシンプルな操作でデータ送信を行えます。

ただし現状では、電子納税の手続き(納付情報登録依頼の送信)を「電子申告アプリ」から行うことはできません。「ダイレクト納付」か「登録方式」の電子納税を選択したい場合は、e-Taxソフト(WEB版)などにログインして手続きを進めましょう。

添付書類の扱いについて

電子申告では、添付書類(控除証明書など)の記載内容も、申告データと一緒に入力して送信できる場合があります。記載内容を入力できる添付書類は、別途で紙を提示・提出する必要がありません。

ただし、記載内容を入力できない書類については、たとえ電子申告をしても、郵送などで別途提出しなくてはなりません。本記事で説明した方法で電子申告を行う場合、提出を省略できる書類は、会計ソフトの対応状況によって異なります。

内容を入力できる書類内容を入力できない書類
別途での提示・提出は不要窓口や郵送で提示・提出する必要あり

ソフトの対応状況は、各メーカーの公式サイトなどで公開されています。また、確定申告書類の作成画面でも注意書きが表示されたりします。それに従って、不足のない申告を行いましょう。

e-Taxソフトならほとんどの書類が省略可能

e-Taxソフトで追加の操作を行えば、会計ソフトから取り込んだ申告データに、あらゆる添付書類のデータを付加できます。e-Taxソフトでデータ送信を行う際は、基本的に郵送等の手間がかからないということです。
>> 電子申告によって添付を省略できる第三者作成書類

まとめ - 申告の流れと注意点

会計ソフトから出力した申告データは、e-Taxソフトなどを介して国税庁(e-Tax受付システム)に送信します。どの媒体を介してデータを送信するかは自由ですが、初心者にはe-Taxソフト(WEB版)か、会計ソフトの独自ツールが使いやすいです。

e-Tax受付システムへの送信方法(電子申告)

なお、会計ソフトから出力したデータで電子申告をする際には、以下のような点に気をつけましょう。

会計ソフトのデータで電子申告をする際の注意点

  • マイナンバーカードカードリーダーが必須
  • e-Taxの利用開始手続きも必須
  • インストール型のe-TaxソフトはWindowsパソコンでしか使えない
  • e-Taxソフト(WEB版)に未対応の会計ソフトもある
  • 独自の送信ツールを提供していない会計ソフトもある
  • 省略できる添付書類は会計ソフトの対応状況によって異なる

ちなみに、会計ソフトのデータを「確定申告書等作成コーナー」で手打ちして電子申告を行う、というのも方法のひとつです。出力したデータをそのまま送信することはできませんが、事前準備などの手間を考えると、そちらの方が手っ取り早い場合もあります。

>> 個人事業の会計ソフト一覧
>> e-Taxのシステム全体像を把握しておこう
>> 電子申告のおおまかな流れ