青色申告決算書(一般用)の書き方・記入例
更新日 2024年8月29日
青色申告決算書(一般用)は、全4ページで構成されています。本記事では1ページ目の書き方を説明しています。 その他のページはこちら→ ページ2, ページ3, ページ4
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令和6年(2024年)2月16日~3月15日が確定申告期間の、令和5年分(2023年分)の申告では、用紙の左はしに縦書きで「令和5年分以降用」と記載されている青色申告決算書を用います。以下の期間に行う令和6年分については、今後の情報公開を待ちましょう。
青色申告ソフトからの印刷でなく、手書きにする場合はボールペンで記入します。 訂正する場合は、訂正する文字を二重線で消し、その近くの余白に正しい文字をわかりやすく記入します。
所得税青色申告決算書 1ページ目
1. 3つの日付記入欄
令和0□年分 所得税青色申告決算書
集計した会計期間の年号を記入します。令和6年2月16日~3月15日の確定申告期間中に提出する、令和5年分の確定申告の内容の場合「5」と記入します。
令和 年 月 日
左部分の日付欄には、この用紙の提出日を記入します。たとえば、令和6年2月20日に税務署へ提出するのであれば、その日付を書きます。
損益計算書(自□□月□□日 至□□月□□日)
集計した会計期間の日付を記入します。個人事業の会計期間は1月1日~12月31日と決まっているので、基本的には「自□1月□1日 至12月31日」と記入します。新規開業などで1年の途中から個人事業を始めた場合などは、事業開始した日から年末までの日付を記入します。
例)自□9月10日 至12月31日
2. 事業者情報
住所 | 個人事業主が住んでいる住所。自宅の住所を記入。 |
事業所所在地 | 店舗や事務所など、事業を行っている場所の住所。事業所などは無く、自宅で仕事をしている方は「同上」と記入する |
業種名 | 業種名。例)デザイン業、飲食店業、広告業、問屋業、その他の業種例 |
屋号 | 個人事業の屋号(会社名みたいなもの)を記入する。特に決めていなければ、事業主の本名でも良い。 |
氏名 | 個人事業主の氏名を記入。印鑑は、普通の認め印でOK(2021年4月以降、そもそも押印の義務はない)。 |
電話番号 | 自宅と事業所の電話番号をそれぞれ記入する。自宅兼事務所であれば、ひとつの番号を書けばOK。固定電話がなければ、本人につながる携帯電話の番号を1つ書けばOK。 |
加入団体名 | 青色申告会など特定の団体に加入している場合、記帳や申告の講習を受けた団体がある場合に記入する。無ければ空欄のままにしておく。 |
依頼税理士等 | 基本的には、事業の税務に関わった税理士の情報を記入する。税理士に依頼していない場合は、空欄。 |
3. 売上(収入)金額・売上原価
売上(収入)金額 | ① | 1年間の売上(収入)の合計金額を記入する。本業以外のちょっとした収入(雑収入)なども含めた金額を記入する。 |
期首商品(製品) 棚卸高 | ② | 基本的には1月1日時点での商品・製品の総額 1年の途中で開業した場合などは、開業日時点での商品・製品の総額 |
仕入金額 | ③ | 1年間の仕入金額 |
小計 | ④ | 上記2つの合計金額を記入する(② + ③ = 小計) |
期末商品(製品) 棚卸高 | ⑤ | 基本的には12月31時点での商品・製品の総額 1年の途中で廃業した場合等は、年度末とした日付時点での商品・製品の総額 |
差引原価 | ⑥ | ⑦から⑧を差し引いた計算結果を記入(④ − ⑤ = 差引原価) |
差引金額 | ⑦ | ⑦から⑧を差し引いた計算結果を記入(① − ⑥ = 差引金額) |
たとえばWEBデザイナーなど、商品の仕入れがない仕事であれば、売上原価に関する項目は空欄で構いません。
4. 経費
それぞれの経費の1年分の合計金額を記入していきます。
租税公課 | ⑧ | 税金や公共料金として支払った費用(>> 納付した税金の仕訳について) 例)個人事業税、固定資産税、不動産取得税、自動車税、登録免許税、印紙税 |
荷造運賃 | ⑨ | 商品・郵便物の梱包・配送費用 例)ダンボール箱、緩衝材(発泡スチロール等)、ガムテープ、郵便手数料 |
水道光熱費 | ⑩ | 事業運営に必要な水道料金・電気料金・その他エネルギー費用 例)水道料金、電気料金、ガス料金、石油代、灯油代 |
旅費交通費 | ⑪ | 移動費や宿泊費など 例)電車賃、バス代、タクシー代、航空運賃、駐車場代、出張宿泊費 |
通信費 | ⑫ | 通信のために必要な料金 例)インターネット料金、電話料金、切手代、はがき代、ファックス代 |
広告宣伝費 | ⑬ | 商品やサービスの広告・宣伝に使う費用 例)チラシ、新聞広告、看板、試供品、ポスティング費用、インターネット広告 |
接待交際費 | ⑭ | 取引先や得意先の接待費用、事業に関わる人との交際費用 例)取引先との飲食代、お得意先へのお祝い金・贈答品、取引先とのゴルフ代 |
損害保険料 | ⑮ | 事業を万が一の事故や災害から守るためにかけた保険料 例)自動車保険、自賠責保険、事務所の火災保険、賠償保険 |
修繕費 | ⑯ | 建物や器具備品などの修理代 例)自動車の修理費、事務所の改修・修理費、パソコン修理代 |
消耗品費 | ⑰ | 10万円未満、もしくは法定耐用年数が1年未満のものを購入する際の費用 例)文房具、電球、伝票、名刺、印鑑、CD、USB、10万円未満のパソコン |
減価償却費 | ⑱ | 高額な固定資産を一定期間にわたって計上する費用 例)パソコン、カメラ、コピー機、自動車、オフィスチェア |
福利厚生費 | ⑲ | 従業員の組織貢献度や勤労意欲の向上などを目的として活動した費用 例)慰安旅行費、レクリエーション費用、お祝い金、お見舞金、従業員健康診断 |
給料賃金 | ⑳ | 従業員に支払う給料(>> 事業主・従業員・専従者の給与の仕訳について) 青色事業専従者に対する給料は、下記の専従者給与に当てはまる。 |
外注工賃 | ㉑ | 外部の業者に業務委託した場合の費用 例)電気工事費、デザイン、ホームページ運営費、システム開発、加工 |
利子割引料 | ㉒ | 借入の支払利息や手形の割引料など 例)金融機関への支払利息、自動車ローン、住宅ローン |
地代家賃 | ㉓ | 事業所等の土地や建物にかかる賃借料や使用料 例)事務所・店舗家賃、駐車場料金、社宅家賃、倉庫使用料、土地使用料 |
貸倒金 | ㉔ | 売掛金や貸付金の回収ができなくなった場合に損金処理として使う勘定科目 例)売掛金、未収金、貸付金、前渡金 |
㉕ ↓ ㉚ | ここの空欄に自分で作った勘定科目を追加できる。仕事柄、上記以外で特定の支出が多くなる場合などに勘定科目を追加して仕訳する。 例)新聞図書費、出演料、研修費、リース料、支払報酬、諸会費、保守料など | |
雑費 | ㉛ | 必要経費で、どの勘定科目にも属さない少額費用 例)ごみ処理代、クリーニング代、引越費用 |
計 | ㉜ | ⑧から㉛までの経費の合計金額を記入する。 |
差引金額 | ㉝ | 売上(収入)の差引金額(⑦)から経費の合計(㉜)を差し引いた金額を記入する。(⑦ − ㉜ = 差引金額) |
5. 各種引当金・準備金等, 青色申告特別控除, 所得金額
貸倒引当金や専従者給与を記入します。貸倒引当金がない場合、専従者(家族の従業員)がいない場合は、記入する必要はありません。
貸倒引当金繰入額は、貸し倒れを見込んで所得から差し引くものです。実際に貸し倒れにならなかった場合には、前年に所得から差し引いた分を所得に繰り戻します。そして残りの貸倒引当金があれば、あらためて貸倒引当金を計算して貸倒引当金に繰り入れます。
繰戻額等 - 各種引当金・準備金等
貸倒引当金 | ㉞ | 前年に貸倒引当金を計上したが実際に貸し倒れにならなかった場合、繰り戻す貸倒引当金の金額を記入する |
㉟ | その他に繰り戻した準備金などがあれば、左記の空欄に科目を追加の上、記入する | |
㊱ | その他に繰り戻した準備金などがあれば、左記の空欄に科目を追加の上、記入する | |
計 | ㊲ | ㉞~㊱の合計金額を記入する。 |
繰入額等 - 各種引当金・準備金等
専従者給与 | ㊳ | 専従者給与の金額を記入する。 |
貸倒引当金 | ㊴ | この年に繰り入れた貸倒引当金の金額を記入する。 |
㊵ | その他に繰り入れた準備金などがあれば、左記の空欄に科目を追加の上、記入する | |
㊶ | その他に繰り入れた準備金などがあれば、左記の空欄に科目を追加の上、記入する | |
計 | ㊷ | ㊴~㊶の合計額を記入する。 |
青色控除前の所得, 青色申告特別控除, 所得金額
青色申告特別控除前の所得金額 | ㊸ | ㉝ + ㊲ − ㊷ = この計算結果を記入する。㊲と㊷が0の場合は、㉝と同じ金額をそのまま記入すればOK。 |
青色申告特別控除額 | ㊹ | 青色申告特別控除として差し引くことができる金額を記入する (差し引ける金額は2ページ目の右下の欄で計算する) |
所得金額 | ㊺ | 「青色申告特別控除前の所得金額」から「青色申告特別控除額」を差し引いた金額を記入する。(㊸ − ㊹ = 所得金額) |