青色申告で必要な帳簿【複式簿記のやり方】65万円控除を狙うには?

PR

更新日 2026年7月21日

青色申告で必要な帳簿【複式簿記のやり方】65万円控除を狙うには?

個人事業主・フリーランス向けに、青色申告で必要な帳簿の種類や、帳簿付けの流れを分かりやすく解説します。白色申告と比べると、記帳方法や確定申告の提出書類が異なります。

青色申告の帳簿付け【1年の流れ】

青色申告の帳簿付け - 確定申告までの流れ

※ 10万円の青色申告特別控除を狙うなら主要簿は不要

帳簿付けをサボっていると、最悪の場合、青色申告の取り消し処分を受ける可能性もあります。遅くとも確定申告の時期までには、1年分の帳簿付けを済ませておきましょう。

近年では、会計ソフトを使って帳簿付けをするのが一般的です。年額1〜2万円程度の利用料金がかかりますが、簡単に65万円控除を狙えるうえ、会計業務にかかる時間を大幅に短縮できるので、すぐに元が取れるでしょう。
>> 個人事業主におすすめの会計ソフト【比較一覧】

青色申告に必要な帳簿

青色申告に必要な帳簿は「主要簿」と「補助簿」の2つに大別できます。55万円・65万円の青色申告特別控除を狙う場合は、両方を用意する必要があります。

青色申告
10万円控除
青色申告
55万円控除
青色申告
65万円控除
主要簿 なくてもOK 必須 必須
補助簿 必要に応じて作る
(どれか1つは必須)
必要に応じて作る 必要に応じて作る

青色申告の主要簿とは(仕訳帳・総勘定元帳)

青色申告に必要な主要簿(55万円・65万円控除)

青色申告の主要簿とは「仕訳帳(シワケチョウ)」と「総勘定元帳(ソウカンジョウモトチョウ)」のことです。それぞれ、下記のような役割を持っています。

仕訳帳 すべての取引を時系列で記帳する
勘定科目の種類に関係なく、1月1日から12月31日まで日付順で取引を書く
総勘定元帳 すべての取引を勘定科目別に記帳する
勘定科目ごとに取引を記録する「元帳」を1つにまとめたもの

主要簿は55万円か65万円の青色申告特別控除をねらう場合に用意する帳簿です。この2つは必ず「複式簿記」のフォーマットで作成します。なお「10万円の特別控除でいいや」という場合、主要簿を作る必要はありません。

青色申告の補助簿とは

青色申告に必要な補助簿

補助簿は、主要簿の補助的な役割を担う帳簿で、業種や取引の内容によって使うものが異なります。たとえば、売掛金が発生しない個人事業主なら「売掛帳」を作る必要はありません。

現金出納帳 現金の出入りや残高を記帳する
預金出納帳 預貯金の出入りや残高を記帳する
売掛帳 売掛金の回収状況を記帳する
買掛帳 買掛金の支払い状況を記帳する
経費帳 経費を勘定科目ごとに記帳する
固定資産台帳 減価償却の処理状況を記帳する

※ これ以外にも必要な補助簿があれば作る

補助簿に関しては、必要なものだけ作成すればOKです。なお、補助簿はどれも単式簿記の形式で構いません。

帳簿付けの流れ【会計ソフトあり】

会計ソフトを使えば、取引の日付や金額などを入力するだけで、複式簿記での帳簿付けができます。「借方・貸方とかよくわからん!」という個人事業主にもおすすめです。

帳簿付けの流れ(会計ソフトの場合)

帳簿付けの流れ(青色申告の会計ソフトでの記帳)

※画像は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

さらに、銀行口座の入出金履歴や、クレカの利用明細を自動で取り込んでくれる便利機能もあります(自動仕訳)。このとき、自動で勘定科目も割り振ってくれるので、その内容が合っているかチェックするだけで帳簿付けができます。

自動仕訳機能の画面(例)

自動仕訳の画面(やよいの青色申告オンライン)

※画像は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

このように、クラウド会計ソフトを導入すれば、会計知識がなくても簡単に複式簿記で帳簿付けできます。主要簿・補助簿の大半を自動的に生成してくれるうえ、青色申告決算書への転記なども自動でやってくれます。

>> 個人事業主におすすめの会計ソフト【比較一覧】

帳簿付けの流れ【会計ソフトなし】

帳簿をエクセルなどで自作する場合は、下記の流れで帳簿付けします。会計ソフトを使わずに記帳するのはかなり大変なので、あまりおすすめはしませんが一応紹介しておきます。

帳簿付けの流れ

青色申告特別控除
10万円をねらう場合
青色申告特別控除
55万円・65万円をねらう場合
全ての取引を補助簿に記帳する ・「仕訳帳」に取引を記帳する
・「総勘定元帳」に転記する
・補助簿にも記帳する(任意)

ここからは、55万円・65万円の青色申告特別控除をねらう場合について解説します。取引が発生したら、まずは主要簿(仕訳帳&総勘定元帳)に以下のように記帳します。

「仕訳帳」と「総勘定元帳」への帳簿付け

仕訳帳と総勘定元帳の記帳方法(青色申告の主要簿)

※一般的に流通しているものより簡略化しています

続いて、関係する補助簿にも記帳します。記帳する補助簿は、取引の内容によって異なります。

記帳する補助簿の例【主なシーン】

売上が立ったとき ・現金出納帳 or 預金出納帳
・売掛帳(掛取引の場合)
必要経費が生じたとき ・現金出納帳 or 預金出納帳
・買掛帳(掛け仕入れの場合)
・経費帳
固定資産を取得したとき ・現金出納帳 or 預金出納帳
・固定資産台帳

ここまでの「仕訳帳→総勘定元帳→補助簿」という流れを、取引のたびに繰り返します。 扱う帳簿の種類も多いので、毎回これらの作業を行うのはけっこう面倒です。

確定申告での注意点 - 65万円控除を狙うには?

65万円の青色申告特別控除を狙うには、主要簿を作成したうえで、その内容を「青色申告決算書」へ転記することが前提となります。会計ソフトを使えば、この転記作業も自動で行ってくれます。

青色申告特別控除65万円の要件とは?

青色申告特別控除の要件(55万円・65万円)

65万円控除をねらう場合は「電子申告」か「電子帳簿保存」のどちらかが必須です。結論からいうと、おすすめは「電子申告」です。

「電子申告」と「電子帳簿保存」って?

電子申告 e-Taxで確定申告データをオンライン送信する
※会計ソフトで送信してもOK
電子帳簿保存 「優良な電子帳簿」の要件を満たして、帳簿をデータ保存する

電子帳簿は「優良な電子帳簿」と「その他の電子帳簿」の2つに分類されます。「優良な電子帳簿」の要件を満たすには、データを不正に訂正・削除できないシステムを利用するなど、複雑な条件があります。

帳簿や領収書は提出する?【保存期間まとめ】

帳簿や領収書は、確定申告で提出するわけではありません。提出はせずに、5〜7年間にわたって保管しておく必要があります。

青色申告で帳簿や領収書は提出する?

帳簿や領収書の保存期間は下表のとおりです。保存を怠ると、税務調査によって「追徴課税(不足分の税金などを追加で徴収されること)」などを受けるリスクがあります。

帳簿・決算書・領収書などの保存期間【青色申告】

帳簿・書類 保存期間
帳簿 (仕訳帳や総勘定元帳など) 7年
決算関係書類 (貸借対照表、損益計算書、棚卸表など)
現金預金取引等の関係書類 (領収書、請求書、預金通帳など)
※前々年分の所得が300万円以下の場合は5年
その他の書類 (見積書、注文書、納品書など) 5年

会計ソフトを使っている場合は、帳簿の電子保存に対応しているか確認しておきましょう。「電子帳簿保存法」の要件に対応しているなら、ソフト内で作成した帳簿や決算書類は、そのままデータの状態で保存しておいてOKです。(弥生やマネーフォワード等の大手ソフトなら基本的に対応しています)

電子帳簿保存法に非対応の会計ソフトを使っている場合や、エクセル等で帳簿付けをしている場合は、帳簿類の電子保存が認められない可能性があります。したがって、面倒ですが基本的にはプリントアウトして紙で保存するものと思っておきましょう。

まとめ

青色申告では、以下のような帳簿や確定申告書類を作成します。「仕訳帳」と「総勘定元帳」は、青色申告特別控除55万円・65万円を狙うなら必ず用意しましょう。

帳簿付け〜確定申告の流れ【青色申告】

帳簿付けから確定申告の流れ【個人事業主の青色申告】

青色申告対応の会計ソフトを利用すれば、「こういう取引がありましたよ」とソフトに入力するだけで、上記の帳簿や確定申告書類を自動的に作成してくれます。

青色申告特別控除の種類 - 用意する帳簿など

10万円控除 55万円・65万円控除
主要簿
(複式簿記)
不要 必要
補助簿 必要なものだけ作成
(最低1つは必須)
必要なものだけ作成
青色申告決算書 記入欄が少ない 記入欄が多い

用意すべき帳簿などは「10万円控除」のほうが少ないです。ただ、会計ソフトを使えば、どれも自動で作成されるので、さほど手間をかけずに「55万円・65万円控除」を狙えます。

>> 個人事業主におすすめの会計ソフト【比較一覧】
>> Mac対応の青色申告ソフトまとめ!おすすめはどれ?
>> 青色申告特別控除の条件まとめ【10万・55万・65万】