減価償却費とは?個人事業での計算方法や耐用年数の一覧・青色申告者への特例について

更新日 2020年7月14日

減価償却費とは

減価償却とは?

「高額で、長期にわたって利用できるもの」は、すぐに消耗するのではなく、徐々に価値が減っていくものとみなします。それゆえ、数年〜数十年にわたって、帳簿の上で少しずつ資産価値を減らし、その減った分を経費として計上します。これが「減価償却」です。

たとえば、事業で使う小型車を100万円で購入したとしましょう。 これは「高額で、長期にわたって利用できるもの」なので、減価償却する必要があります。 この場合は、4年にわたって少しずつ経費計上することになります。

このように、事業のために高価なものを買った場合、すぐに全額を経費計上することはできないわけです。 基本的に、取得価額が10万円以上のものは減価償却することになります。

「取得価額」とは?
取得価額とは、資産を得るときに支払った合計金額。資産の本体価格はもちろん、送料や手数料なども含めた金額が「取得価額」とされる。 減価償却においては、この取得価額を基準にする。減価償却資産の取得価額 - 国税庁

減価償却資産と耐用年数

何をどのような期間で償却していくかは、あらかじめ物品ごとに「法定耐用年数」が定められています。 法定耐用年数とは、簡単にいうと「これぐらいの期間は使えるでしょ」という年数のことです。 例えば、パソコンであれば「4年ぐらいは使えるでしょ」ということで、法定耐用年数が4年と定められています。

このように、法的に定められた耐用年数にしたがって、徐々に価値が減っていくとみなし、複数の年にわたって徐々に経費計上していきます。 下表では、減価償却するものの例とその耐用年数・償却率を紹介しています。

減価償却資産と耐用年数・償却率

減価償却資産耐用年数償却率
小型車
(総排気量が0.66リットル以下のもの)
4年25%
事務机、事務いす、キャビネット
(主として金属製のもの)
15年6.7%
事務机、事務いす、キャビネット
(その他のもの)
8年12.5%
ベッド8年12.5%
パソコン4年25%
時計10年10%
ラジオ、テレビジョン、テープレコーダー5年20%
ソフトウエア
(複写して販売するための原本)
3年33%
ソフトウエア
(その他のもの)
5年20%

耐用年数表 - 東京主税局

「償却率」は、その年に減価償却する金額を計算する際に用います。 これについては、次の計算例をご覧下さい。

個人事業では定額法で計算するのが基本

減価償却費の計算方法には、主に定額法と定率法があります。個人事業の場合は「定額法」で計算するのが原則です。 もし減価償却費を定率法で計算したければ、あらかじめ税務署へ申請を出して許可をとる必要があります。 よほどこだわりがなければ、定額法のままで構いません。

【定額法の計算方法】
取得価額 × 償却率 ÷ 12 × その年に使った月数 = その年の減価償却費
(取得価額とは、ざっくり言うと買ったときの合計金額)

【定額法の計算例】
例えば、2020年1月に24万円のパソコンを買って1月から使い始めた場合
パソコンの耐用年数は4年と定められており、償却率は25%です。

この情報を、計算式に当てはめます。
20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12 = 6万円
この場合、2020年に経費として計上する金額(減価償却費)は、6万円ということです。

1年目6万円、2年目6万円、3年目6万円、4年目5万9999円と、 4年にわたって6万円ずつ経費処理することになります。 最後の年だけ、6万円から1円引いた額を計上します。(備忘価額といって、1円残しておくルールになっています) >> 1年の途中で資産を購入した場合の例はこちら

このように減価償却資産は、法定耐用年数にしたがって、複数年にわたって徐々に経費計上します。

20万円未満の資産について

取得価額が20万円未満のものは「一括償却資産」として処理することもできます。 「一括償却資産」として扱う場合は、資産を買った日にちや法定耐用年数には関係なく、3年間で均等償却します。 通常通り「減価償却資産」とするか「一括償却資産」にするか、納税者が自由に選択できます。

例えば、パソコンを15万円で購入して使い始めたら、1年目5万円、2年目5万円、3年目5万円と、3年にわたって均等に経費計上します。 (一括償却資産の場合は、備忘価額1円を残さず、3年で全額償却します)

先述のとおり、パソコンの法定耐用年数は4年とされています。 しかし、一括償却資産として処理する場合には、法定耐用年数に関わらず3年で経費計上できるわけです。 これが1番簡単な方法です。

また、一括償却資産は固定資産税の対象外になるというメリットもあります。 ただ、固定資産税は合計の課税標準額が「150万円」未満であれば課税されませんので、 資産としてパソコンを2〜3台もっている程度であれば気にする必要はありません。

30万円未満の資産について

青色申告者であれば「取得価額30万円未満のものであれば、一括でその年の経費にできる」という特例が適用できます(少額減価償却資産の特例)。 この特例の対象は、2022(令和4)年3月31日までの間に取得したものに限られます。

利益がたくさん出そうな年には、この制度を活用して即時償却(その年の経費に)しましょう。

この特例を適用できる合計限度額は、1年あたり300万円です。 30万円未満のものであれば、いくらでも一括でその年の経費にできるということではありません。 新規開業した年などで、会計期間が1年に満たない場合は、300万円を12で割って月数をかけた金額が限度額となります。

高額資産の計上方法まとめ

普通に減価償却する方法、一括償却資産にする方法、少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ)、3つの償却方法を紹介してきました。 資産の取得価額によって選択肢が異なるわけですが、まとめると以下のようになります。

取得価額選べる償却方法
10万円 ~ 20万円減価償却資産 or 一括償却資産 or 少額減価償却資産の特例(青色のみ)
20万円 ~ 30万円減価償却資産 or 少額減価償却資産の特例(青色のみ)
30万円以上減価償却資産

「〜」は「以上 〜 未満」

10万円未満のものは、消耗品費として経費計上しましょう。 10万円~20万円のものは、青色申告者であれば3つの処理方法から選べます。 20万円~30万円未満のものは、青色申告であれば通常の減価償却か「少額減価償却資産の特例」の適用を選択できます。

償却方法の違いを比較すると、下表のようになります。

減価償却資産一括償却資産少額減価償却資産
取得価額10万円〜10万円〜20万円10万円〜30万円
償却定額法が基本3年で均等償却全額その年で償却
合計限度額制限なし制限なし300万円
申告方法白色申告・青色申告白色申告・青色申告青色申告のみ
固定資産税対象対象外対象

「〜」は「以上 〜 未満」

「一括償却資産」は、ネーミングがややこしいですね。「一括」とはいいつつも、期間の面では3年で均等償却するわけです。 一方「少額減価償却資産の特例」を適用すれば、一括でその年の経費に計上できます。 通常の減価償却は、そのものの法定耐用年数に応じて償却します。

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