固定資産税とは?納付時期・計算方法・仕訳例など

更新日 2020年6月22日

個人事業の固定資産税

固定資産税とは?

固定資産税とは、固定資産の所有者に対して課せられる税金です。 固定資産とは、土地や家屋、償却資産のことを指します。 固定資産税は、国ではなく地方自治体が課税する税金です。

償却資産とは、耐用年数1年以上かつ取得価額が10万円以上の資産です。減価償却する資産のことです。 (例えば、パソコン、エアコン、事務用デスク、看板、レジなど)

固定資産税には「免税点」が定められています。 たとえば償却資産については、課税標準額(詳細は後述)が合計で150万円以上の場合にだけ課税されます。 合計150万円未満の場合には、課税されません。 つまり、事業で使う高額な資産をあまり保持していない場合には課税されないわけです。

固定資産税の免税点

土地家屋(かおく)償却資産
30万円20万円150万円

このように、土地や家屋だけでなく、償却資産であるパソコンなども固定資産税の対象になります。 なお、一般的な自動車には自動車税がかかるので、固定資産税の対象からは外れます。

償却資産の申告期限と納付時期

1月1日時点で保有している償却資産をその年の1月31日までに、 管轄の都道府県税事務所に申告する必要があります。 >> 令和2年度固定資産税(償却資産)申告の手引き - 東京都主税局

自治体によって通知時期や納付時期が異なり、4月~6月頃に納付通知書が届いて、一括納付もしくは分割納付します。 東京都23区内の場合、6月上旬に納税通知書が交付されます。 そして、分割納付の場合は6月、9月、12月、翌年2月に納税します。

事業に関わる固定資産税を納付した場合には、その分を「租税公課」として経費計上できます。 下記ページも合わせて参考にして下さい。 >> 租税公課とは?個人事業で租税公課に計上できるもの

土地・家屋の固定資産税について

土地と家屋の固定資産税評価額は、国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が決定します。 評価額は、土地については時価の60~70%(公示価格の70%)、建物については建築費の50~70%ほどです。

この評価額は、原則として3年ごとに評価替えが行われます。 東京都の場合、前々回は平成27年度に評価替えがされ、直近の評価替えは平成30年度です。
土地・家屋の価格の決定について - 東京都主税局

固定資産税の計算方法 - 償却資産の固定資産税

償却資産の固定資産税額を算出するには、まず課税標準額を出します。 そして、課税標準額に税率1.4%をかけます。 課税標準額が150万円(免税点)未満の場合には課税されないため、納税通知書は交付されません。 ただし、150万円未満の場合でも、償却資産の申請は出しておく必要があります。

固定資産税の計算でみる数字

資産を取得した年、取得価額、耐用年数

これらの数字をもとに固定資産税を算出します。 取得価額とは、かんたんにいうとその資産を購入したときの合計金額です。 本体価格はもちろん、手数料や送料なども含んだ金額です。

東京都の場合、以下の減価残存率表を見て、耐用年数に応じた減価残存率を探します。

残価残存率表の一部 - 東京都主税局

>> 東京都主税局 - 減価残存率表

前年中に取得した資産には「A」、前年より前に取得した資産には「B」をかけます。 例えば、耐用年数8年のもので前年中に取得したものには、 耐用年数が「8年」で、前年中に取得のもの「A」なので、0.875をかけます。

価額 × A(もしくはB) = 評価額
(評価額が「取得価額の5%」を下回る場合は、取得価額の5%が評価額となります。)

複数の償却資産がある場合は、評価額の合計 = 課税標準額(1,000円未満切り捨て)となります。 例えばパソコン、看板、音響機器がある場合は、 3つの評価額の合計が課税標準額になるということです。

まとめるとこうなります↓

固定資産税の計算式

価額 × A(もしくはB) = 評価額
評価額の合計 = 課税標準額(1,000円未満切り捨て)
課税標準額 × 税率 1.4% = 固定資産税額(100円未満切り捨て)

ちなみに、表の中の「A」と「B」は、それぞれ以下の計算式で算出できます。

1 − 耐用年数に応ずる減価率(r) × 0.5 = A
1 − 耐用年数に応ずる減価率(r) = B

ですが、上の表では、この計算結果が「A」「B」としてすでに表示されているので、 これら「A」と「B」をもとめる計算をする必要はありません。

固定資産税の計算例 - 償却資産の固定資産税

平成29年に300万円の音響機器を購入した場合
音響機器の耐用年数は5年(耐用年数 器具・備品 - 国税庁

平成30年に納税する固定資産税

3,000,000 × 0.815 = 2,445,000円
2,445,000円 × 0.014 = 34,230円 → 100円未満切り捨てで、固定資産税額 34,200円
(0.815という数字は、先述の減価残存率表から。)

平成31年(令和元年)に納税する固定資産税

2,445,000円 × 0.631 = 1,542,795(1,000円未満切り捨て)
1,542,000円 × 0.014 = 21,588円 → 100円未満切り捨てで、固定資産税額 21,500円
(0.631という数字は、先述の減価残存率表から。)

令和2年に納税する固定資産税

1,542,795円 × 0.631 = 973,503円
→ 課税標準額が150万円未満なので固定資産税は課税されない。

課税標準額は、ひとつひとつの資産で分けて考えるわけではないということに注意が必要です。 もし他にも償却資産があれば、その資産の評価額も計算し、評価額の合計を課税標準額とします。

固定資産税を考える上では、減価償却という概念もセットで理解しておきましょう。 減価償却については右記のページを参考にして下さい。>> 減価償却の基本

固定資産税の仕訳例

先ほどの音響機器は、サウンドエンジニアの個人事業主が仕事で使うものであるとします。 これについての固定資産税を納めた時には、下記のように帳簿づけします。

日付借方貸方摘要
20XX年6月30日租税公課 34,200普通預金 34,200音響機器の固定資産税

この仕訳は、固定資産税を事業用の銀行口座から振替納税したことを表します。 事業で使う償却資産についての固定資産税であれば、このように「租税公課」の勘定科目で経費計上できます。 私用でも使うものについては、家事按分して一部を経費計上し、残りは事業主貸で仕訳しましょう。

>> 個人事業での償却方法まとめ
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