白色申告と青色申告の違い

更新日 2021年2月18日

白色申告と青色申告の違い

個人事業主が行う確定申告の方式を大別すると、白色申告と青色申告の2つがあります。 昔は確定申告書類の背景色に応じてこう呼び分けていたようですが、現在は用紙の色に違いはありません。

白色申告と青色申告の違い

白色申告は1種類です。一方、青色申告をその控除額で分けると、10万円・55万円・65万円の3つになります。どの控除額を狙うかに応じて、簿記や確定申告書類の要件が異なります。

白色申告と青色申告の主な違い

白色申告青色申告
10万円控除
青色申告
55万円控除
青色申告
65万円控除
事前申請なし必要必要必要
簿記単式簿記単式簿記複式簿記複式簿記
確定申告書類収支内訳書
確定申告書B
青色申告決算書
確定申告書B
青色申告決算書
確定申告書B
青色申告決算書
確定申告書B
電子申告
or
電子帳簿保存
不要不要不要必要
特別控除額なし10万円55万円65万円

事前申請

個人事業を開業して、特に申請をしていなければ自動的に白色申告の扱いになります。 青色申告するには、事前に税務署へ申請書をだしておく必要があります。 >> 青色申告の申請期限

簿記

白色申告と青色申告10万円控除は、帳簿づけの方法が単式簿記(簡易な簿記)で認められます。 一方、青色申告で55万円・65万円の特別控除を受けるには、複式簿記(正規の簿記)による帳簿づけが必要です。 簿記の違いに応じて、必要とされる帳簿類も異なります。 >> 単式簿記と複式簿記の違い

確定申告書類

申告の方式に応じて、提出する確定申告書類の要件も異なります。確定申告書Bについては、いずれの場合も同じ書類を使います。 白色申告の決算書としては、収支内訳書を提出します。青色申告では、青色申告決算書を提出します。 青色申告決算書は全4ページですが、10万円控除では最後のページの「貸借対照表」を記入する必要はありません。 >> 個人事業の確定申告で提出する書類

電子申告 or 電子帳簿保存

青色申告65万円控除を受けるには、電子申告か電子帳簿保存を行う必要があります。電子帳簿保存は要件が複雑で厳しく、個人事業主にはおすすめできません。65万円の控除を狙うなら、自宅等のパソコンからe-Taxで電子申告をしましょう。

特別控除額

白色申告には特典がありません。青色申告は、白色申告よりも手間をかけて会計業務を行う必要がある分、青色申告特別控除をはじめとした特典が用意されています。特別控除を適用してもらうことで、納める税金を減らすことができます。

白色申告と青色申告のメリット・デメリット

白色申告には、青色申告に用意されているような特典はありません。ただ、青色申告55万円・65万円控除と比較した場合は、単式簿記による記帳で認められる、確定申告で提出する書類の内容が少ないなどのメリットがあります。

白色申告のメリット・デメリット

白色申告のメリット白色申告のデメリット
  • 事前申請の必要なし
  • 帳簿づけが簡単
  • 確定申告の提出書類がやや少なくなる
  • 青色申告に適用される特典なし

青色申告は、白色申告よりも会計業務の手間が多い分、節税につながる特典がいくつか用意されています。

青色申告のメリット・デメリット

青色申告のメリット青色申告のデメリット
  • 青色申告者への特典あり
- 青色申告特別控除(最高65万円)
- 赤字が繰り越せる(3年間)
- 家族への給与が経費にできる
  • 事前申請の必要あり
  • 帳簿づけが面倒
  • 確定申告の提出書類がやや多くなる
>> 青色申告のメリット・デメリット詳細

「節税するほどの所得もない。複式簿記による帳簿づけが面倒。あまり簿記に詳しくない。」という場合には白色申告。 「節税したい。ちょっと頑張って帳簿づけをしてみよう。家族への給与をしっかり経費にしたい。」などという場合には青色申告です。

ちなみに青色申告は事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要がありますが、 一度提出すればOKで、毎年申請を出す必要はありません。>> 青色申告承認申請書について

所得が高い人ほど青色申告を選択する

所得金額ごとに分けた白色申告者と青色申告者の割合は、以下のグラフを参考にしてください。 主に、所得が高くなるほど青色申告による節税のメリットが大きくなるといった要因で、青色申告者の割合が増えていきます。(収入 - 必要経費 = 所得)

所得別にみる白色申告者と青色申告者の割合

データ:申告所得税(2018年分)・2-2 所得階級別人員 - 東京国税局

このグラフは東京国税局(東京都・神奈川県・千葉県・山梨県)のデータに基づいて、筆者が作成したものです。よって、管轄外の自治体は上記のデータには含まれていません。あくまで「大体こういう傾向がありますよ」という話です。

白色申告と青色申告(特別控除65万円)で所得税額の違いを比較

個人事業主が会計業務の手間と引き換えに青色申告を選択するのは、節税が目的です。 複式簿記により帳簿づけをして、青色申告用の書類で正しく電子申告をすれば、 65万円の特別控除を受けることができます(ただし初回のみ要事前申請 )。

仮に同じ金額の収入・必要経費だったとして、 白色申告の場合と青色申告(65万円控除)の場合の所得税額を比べてみましょう。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 控除額 = 所得税額
(>> 所得税の計算方法に関する詳細

所得税の速算表

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

(平成27年分以降)

収入700万円 必要経費200万円 各種控除120万円(基礎控除48万円+その他控除72万円)
この場合で比較してみましょう。

白色申告の場合

700万 - 200万円 - 120万円 = 380万円
380万円 × 20% - 427,500円 = 332,500円(所得税額)

青色申告65万円控除の場合

700万 - 200万円- 65万円 - 120万円 = 315万円
315万円 × 10% - 97,500円 = 217,500円(所得税額)

この例では、白色申告の場合に納める所得税額は332,500円、 青色申告の場合に納める所得税額は217,500円となりました。 両者の差額は115,000円です。
332,500 - 217,500 = 115,000

つまり今回の例では、青色申告(65万円控除)であれば所得税が115,000円少なくなるということです。 このように、一定の所得が見込める個人事業主は、節税のために青色申告を選択します。

なお、平成25年から令和19年までは上記の所得税に加えて、 復興特別所得税(所得税の2.1%)も合わせて納めることになっています。 これは東日本大震災の復興財源を確保するための税金で、所得がある人は全員納付することになるものです。 今回は例示を簡略化するために省いています。(復興特別所得税を含めた計算方法の詳細はこちら

>> 白色申告するまでにやること - 簡単な帳簿づけ・領収証等の保存
>> 青色申告するまでにやること - 複式簿記・領収証等の保存
>> 白色申告と青色申告の納税額の違いをもっと詳しく