白色申告と青色申告の違い

更新日 2020年6月13日

白色申告と青色申告の違い

個人事業主が行う確定申告の方式を大別すると、白色申告と青色申告の2つがあります。 昔は確定申告書類の背景色に応じてこう呼び分けていたようですが、現在は用紙の色に違いはありません。

白色申告と青色申告の違い

白色申告は1種類です。一方、青色申告をその控除額で分けると、10万円控除と65万円控除の2つがあります。 どちらの控除額を狙うかに応じて、簿記や確定申告書類の要件が異なります。

白色申告と青色申告の主な違い

白色申告青色申告(10万円控除)青色申告(65万円控除)
事前申請なし必要必要
簿記単式簿記単式簿記複式簿記
確定申告書類収支内訳書(2ページ)
確定申告書B
青色申告決算書(4ページ)
確定申告書B
青色申告決算書(4ページ)
確定申告書B
特別控除額なし10万円65万円

事前申請

個人事業を開業して、特に申請をしていなければ自動的に白色申告の扱いになります。 青色申告するには、事前に税務署へ申請書をだしておく必要があります。 >> 青色申告の申請期限

簿記

白色申告と青色申告10万円控除は、帳簿づけの方法が単式簿記(簡易な簿記)で認められます。 一方、青色申告で65万円の特別控除を受けるには、複式簿記(正規の簿記)による帳簿づけが必要です。 簿記の違いに応じて、必要とされる帳簿類も異なります。 >> 単式簿記と複式簿記の違い

青色申告特別控除の改正 - 令和2年分から
2020年分の確定申告(2021年2月16日〜3月15日に行う確定申告)から、青色申告特別控除の改正が適用される。 これにより、青色申告特別控除の控除額は10万円・55万円・65万円の3段階に。 >> 青色申告特別控除の改正点

確定申告書類

申告の方式に応じて、提出する確定申告書類の要件も異なります。確定申告書Bについては、いずれの場合も同じ書類を使います。 白色申告の決算書としては、収支内訳書を提出します。青色申告では、青色申告決算書を提出します。 青色申告決算書は全4ページですが、10万円控除では最後のページの「貸借対照表」を記入する必要はありません。 >> 個人事業の確定申告で提出する書類

特別控除額

白色申告には特典がありません。青色申告は、白色申告よりも手間をかけて会計業務を行う必要がある分、青色申告特別控除をはじめとした特典が用意されています。特別控除を適用してもらうことで、納める税金を減らすことができます。

白色申告と青色申告のメリット・デメリット

白色申告には、青色申告に用意されているような特典はありません。ただ、単式簿記による記帳で認められる、確定申告で提出する書類の内容が少ないなどのメリットがあります。

白色申告のメリット・デメリット

白色申告のメリット白色申告のデメリット
  • 事前申請の必要なし
  • 帳簿づけが簡単
  • 確定申告の提出書類が少し少なくなる
  • 青色申告に適用される特典なし

青色申告は、白色申告よりも会計業務の手間が多い分、節税につながる特典がいくつか用意されています。

青色申告のメリット・デメリット

青色申告のメリット青色申告のデメリット
  • 青色申告者への特典あり
- 青色申告特別控除(最高65万円)
- 赤字が繰り越せる(3年間)
- 家族への給与が経費にできる
  • 事前申請の必要あり
  • 帳簿づけが面倒
  • 確定申告の提出書類が少し多くなる
>> 青色申告のメリット・デメリット詳細

「節税するほどの所得もない。複式簿記による帳簿付けが面倒。あまり簿記に詳しくない。」という場合には白色申告。 「節税したい。ちょっと頑張って帳簿付けをしてみよう。家族への給与をしっかり経費にしたい。」などという場合には青色申告です。

ちなみに青色申告は事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要がありますが、 一度提出すればOKで、毎年申請を出す必要はありません。>> 青色申告承認申請書について

所得が高い人ほど青色申告を選択する

所得金額ごとに分けた白色申告者と青色申告者の割合は、以下のグラフを参考にして下さい。 所得が高くなるほど青色申告による節税のメリットが大きくなるといった要因で、青色申告者の割合が増えていきます。(収入 − 経費 = 所得)

所得別にみる白色申告者と青色申告者の割合 (不明回答があるため、合計100%になっていません。)
  • 所得300万円以下で白色申告者33%・青色申告者49%
  • 所得300~500万円で白色申告者32%・青色申告者56%
  • 所得500~1,000万円で白色申告者27%・青色申告者67%
  • 所得1,000万円超で白色申告者20%・青色申告者77%

少し古いデータですが、弥生株式会社が平成21年に実施した際のアンケート結果です。 NTTナビスペースの登録モニターを母集団とする、個人事業者1000名を対象としたオンライン調査。 不明回答などもあったため、青色申告者と白色申告者の割合を足しても100%になっていません。

白色申告と青色申告(特別控除65万円)で所得税額の違いを比較

個人事業主が会計業務の手間と引き換えに青色申告を選択するのは、節税が目的です。 青色申告で65万円控除を受けるための申請を期限内に出して、複式簿記により正しい方法で帳簿付けをして青色申告をすれば、 最高65万円の特別控除を受けることができます。

仮に同じ金額の収入・経費だったとして、 白色申告の場合と青色申告(65万円控除)の場合の所得税額を比べてみましょう。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 控除額 = 所得税額
(>> 所得税の計算方法に関する詳細

年間収入600万円 必要経費200万円 各種控除70万円(基礎控除38万円+その他控除32万円)
この場合で比較してみましょう。

白色申告の場合の計算例

600万 − 200万 − 70万 = 330万(課税所得金額)
330万 × 0.1 = 330,000
330,000 − 97,500 = 232,500(所得税額)

青色申告(65万円控除)の場合の計算例

600万 − 200万 − 70万 − 65万 = 265万(課税所得金額)
265万 × 0.1 = 265,000
265,000 − 97,500 = 167,500(所得税額)

この例では、白色申告の場合に納める所得税額は232,500円、 青色申告の場合に納める所得税額は167,500円となりました。 これら両者の差額は65,000円です。 232,500 − 167,500 = 65,000円

つまり今回の例では、青色申告であれば所得税が65,000円少なくなるということです。 このように、一定の収入が見込める個人事業主は節税のために青色申告を選択します。

なお、平成25年から令和19年までは上記の所得税に加えて、 復興特別所得税(所得税の2.1%)もあわせて納めることになっています。 これは東日本大震災の復興財源を確保するための税金で、所得がある人は全員納付することになるものです。 今回は例示を簡略化するために省いています。(復興特別所得税を含めた計算方法の詳細はこちら

>> 白色申告するまでにやること 簡単な帳簿づけ・領収証等の保存
>> 青色申告するまでにやること 複式簿記・領収証等の保存
>> 白色申告と青色申告の納税額の違いをもっと詳しく