白色申告の専従者控除 - 計算例や要件など

更新日 2020年7月16日

白色事業専従者控除

専従者給与と専従者控除の違い

青色申告では専従者への給与を「専従者給与」として全額経費に計上することができます。一方、白色申告では独自の計算式で算出する金額(上限あり)を、必要経費とみなすことができます。 専従者への給与を全額経費にできるのは、青色申告を選択するメリットのひとつです。

青色申告のように経費にはできませんが、白色申告では上限つきの金額を「必要経費とみなす」という微妙な扱いになっています。 白色申告で提出する収支内訳書確定申告書Bに控除額などを記入する欄があるので、そこに後述の計算式で算出した金額を書き込みます。

白色申告(専従者控除)青色申告(専従者給与)
独自の計算式でもとめる金額を経費とみなす
(上限あり)
専従者への給与を経費にできる
支払い金額を記帳したければ「事業主貸」を使う「専従者給与」の勘定科目で経費計上する

>> 青色事業専従者給与と事業専従者控除 - 国税庁

白色申告の専従者へ支払った給与を帳簿につけたい場合は、 「事業主貸」の勘定科目でつけておけばOKです。 白色申告の場合は、青色申告の専従者給与と同じような経費扱いをすることはできないので、帳簿上ではプライベートな出費をしたことにするわけです。

白色事業専従者控除額の計算例と上限について

白色事業専従者控除額は、下記の計算式によってもとめます。 控除額をもとめる際、実際に専従者へ給与をいくら払ったかなどは考慮しません。下記の計算によって出た金額か、後述の上限額を適用します。

白色事業専従者控除額の計算
事業所得等 ÷ (専従者の数 + 1) = 事業専従者控除額
(もし山林所得不動産所得がある場合、「事業所得等」にそれを含める。)

【計算例1】
収入300万円 経費150万円 専従者1人(配偶者)の場合
300万 − 150万 = 150万(事業所得等)
150万 ÷ (1 + 1) = 75万円
この場合の専従者控除額は75万円になります。

控除額には上限があります。事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円。 配偶者でなければ専従者一人につき50万円です。 計算結果がこの上限額を超える場合は、この上限額が控除額になります。

【計算例2】
収入500万円 経費200万円 専従者1人(配偶者)の場合
500万 − 200万 = 300万(事業所得等)
300万 ÷ (1 + 1) = 150万
この場合は、上限の86万円を超えているので、控除額は86万円になるということです。

例えば、計算例2の場合で、専従者が配偶者ではなく、事業主の息子だとします。 この場合には、控除額が50万円になります。(配偶者でなければ専従者一人につき50万円)

専従者からしてみれば、控除額が給与収入になる

こうやってもとめた控除額は、専従者の側からすると、給与収入に含まれます。 なかなか重要なポイントなので繰り返しますが「専従者控除額 = 専従者の給与収入」となります。 白色申告の場合、実際にいくら専従者へ給与を支払ったかには関係なく、事業主が受けた控除額が、専従者にとっての給与収入額になるというわけです(国税庁に確認済み)。

これはネット上でも間違った情報(専従者からすれば給与にはならないという解釈など)が多い部分なので、注意が必要です。

例えば、事業を手伝ってくれている妻が、少しの間でも他の会社でパートタイマーとして働いた場合には、 「パートで得た収入額 + 専従者控除額 = 妻の給与収入額」となります。 妻(専従者)にとっては、給与所得の一部になるということです。

白色事業専従者控除の考え方

個人事業主からみれば専従者からみれば
給料賃金専従者給与として経費にはできない
確定申告時に経費と「みなす」ことはできる
算出された控除額を給与収入額に含める
実際にもらった金額は考慮しない

白色事業専従者控除を受けるための要件

白色事業専従者控除を受けるためには、2つの要件があります。

  1. 白色申告者の営む事業に、事業専従者がいること
  2. 確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること

1の中の「事業専従者」とは、下記3つの要件が全て当てはまる人です。

  • 白色申告者と生計を一にする、配偶者などの親族であること
  • その年の12月31日時点で、年齢が15歳以上であること
  • その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業にもっぱら従事していること

半年よりも多く事業に従事していることが、白色申告専従者の要件のひとつです。 青色申告専従者の要件とは少し異なります。

例えば、4月から仕事を始めたとしても「4月~12月の半分よりも多く」ではなく、 「1月~12月の半分よりも多く(つまり半年よりも多く)」仕事をしている必要があります。 つまり「従事することができる期間の2分の1を超える期間」とする青色専従者の要件よりも、 白色専従者の要件の方が厳しいということです。

2に関しては、確定申告書の記入に関する念押しのようなものです。 「確定申告書類に控除額とか忘れずに書いてね」ということです。

青色申告の専従者給与については「青色事業専従者給与に関する届出書」を事前に提出しておく必要がありますが、 白色申告の専従者控除については、事前申請の手続きがありません。 白色申告で提出する確定申告書類に、計算した控除額(上限の場合は上限額)などを書いておけばOKです。

>> 専従者控除・専従者給与と配偶者控除・扶養控除
>> 個人事業の所得控除【一覧表】
>> 白色申告に関する情報まとめ