白色申告の経費とは?経費にできるもの・できないもの

更新日 2020年12月21日

白色申告の経費

白色申告で経費にできるもの・できないもの

基本的には、個人事業を行う上で必要な支出を経費にできます。例えば、仕事で使うノートを購入した場合、ノートの購入費用は経費計上できます。同じノートでも、事業主が趣味で使うためのものであれば、これは経費にできません。

経費にできるもの経費にできないもの
基本的な考え方事業運営に必要な支出事業運営とは関係ない支出
  • 売上をあげるための仕入れ費用
  • 従業員への給料
  • お店の家賃
  • 事務所で仕事をするテーブル代
  • 仕入先へ行くための交通費
  • 私生活の飲食費
  • 親戚へのお小遣い
  • 自宅の家賃
  • 家の台所で使うテーブル代
  • 遊びに行くための交通費

個人事業の場合、自宅の一部のスペースを事務所や店舗として使う事務所兼自宅のケースも多いです。 この場合は、面積などで「仕事:プライベート」の割合を算出して、費用の一部を経費にすることができます。 これを家事按分といいます。 家賃だけでなく、他の費用にも同様の考え方を適用できます。

白色申告での経費の種類・勘定科目について

経費の項目のことを「勘定科目」と呼びます。 白色申告の経費では、租税公課、荷造運賃、水道光熱費など、 約20種類の勘定科目があります。

勘定科目内容 / 例
租税公課税金や公共料金として支払った費用(>> 納付した税金の仕訳について
例)個人事業税、固定資産税、不動産取得税、自動車税、登録免許税、印紙税
荷造運賃商品・郵便物の梱包・配送費用
例)ダンボール箱、緩衝材(発泡スチロール等)、ガムテープ、郵便手数料
水道光熱費事業運営に必要な水道料金・電気料金・その他エネルギー費用
例)水道料金、電気料金、ガス料金、石油代、灯油代
旅費交通費移動費や宿泊費など
例)電車賃、バス代、タクシー代、航空運賃、駐車場代、出張宿泊費
通信費通信のために必要な料金
例)インターネット料金、電話料金、切手代、はがき代、ファックス代
広告宣伝費商品やサービスの広告・宣伝に使う費用
例)チラシ、新聞広告、看板、試供品、ポスティング費用、インターネット広告
接待交際費取引先や得意先の接待費用、事業に関わる人との交際費用
例)取引先との飲食代、お得意先へのお祝い金・贈答品、取引先とのゴルフ代
損害保険料事業を万が一の事故や災害から守るためにかけた保険料
例)自動車保険、自賠責保険、事務所の火災保険、賠償保険
修繕費建物や器具備品などの修理代
例)自動車の修理費、事務所の改修・修理費、パソコン修理代
消耗品費10万円未満、もしくは法定耐用年数が1年未満のものを購入する際の費用
例)文房具、電球、伝票、名刺、印鑑、CD、USB、10万円未満のパソコン
減価償却費高額な固定資産を一定期間にわたって計上する費用
例)パソコン、カメラ、コピー機、自動車、オフィスチェア
福利厚生費従業員の組織貢献度や勤労意欲の向上などを目的として活動した費用
例)慰安旅行費、レクリエーション費用、お祝い金、お見舞金、従業員健康診断
給料賃金従業員に支払う給料(>> 事業主・従業員・専従者の給与の仕訳について
青色事業専従者に対する給料は、下記の専従者給与に当てはまる。
外注工賃外部の業者に業務委託した場合の費用
例)電気工事費、デザイン、ホームページ運営費、システム開発、加工
利子割引料借入の支払利息や手形の割引料など
例)金融機関への支払利息、自動車ローン、住宅ローン
地代家賃事業所等の土地や建物にかかる賃借料や使用料
例)事務所・店舗家賃、駐車場料金、社宅家賃、倉庫使用料、土地使用料
貸倒金売掛金や貸付金の回収ができなくなった場合に損金処理として使う勘定科目
例)売掛金、未収金、貸付金、前渡金
雑費必要経費で、どの勘定科目にも属さない少額費用
例)ごみ処理代、クリーニング代、引越費用
>> 個人事業の経費に関する詳細はこちら

上記の勘定科目は、実際に白色申告の確定申告で提出する「収支内訳書」に記載されている経費の科目です。 使った経費は勘定科目ごとに金額をまとめて、この収支内訳書に合計額を記載します。

収支内訳書

ページ1ページ2
令和2年分以降用 収支内訳書1ページ目
令和2年分以降用 収支内訳書2ページ目

上表の勘定科目に当てはまらないものや、業務内容からして特別な経費がかさんでしまう場合には、 自分で勘定科目を作って帳簿づけをしても構いません。 例えば、ライターであれば「新聞図書費」、イベント運営者であれば「出演料」などといった勘定科目を新たに作ります。

収支内訳書の1ページ目、勘定科目が並んでいるところに空欄があります。 そこに自分で作った勘定科目と、その合計金額を書き込むことになります。

簿記には「継続性の原則」があるので、 毎年継続的に同じ勘定科目で帳簿づけをすることが重要です。 同じ内容の経費を、勘定科目をコロコロ変えて帳簿づけしないよう注意しましょう。

白色申告での経費の範囲について

「いくらまで経費にできるか」「何が経費にできるか」という問いに対して、一律の答えはありません。 事業内容や事業規模に照らし合わせて、ケースバイケースで考えます。

基本的には、その支出が事業運営に必要なものであるかどうかをもとに判断しますが、 あまりにも事業規模に見合わない支出や、事業との関連性の低い支出は認められません。

収支のバランスや業種などを考慮し、客観的に納得のできる支出であれば、経費として認められます。 最終的に税務調査があった場合に、経費としての妥当性があると調査官に認めてもらえればOKです。

>> 個人事業での経費の考え方について

レシートでもOK?領収書をもらえなかった場合は?

「経費の証拠といえば、手書きの領収証」と思っている方も多いかもしれませんが、 手書きの領収証にこだわる必要はありません。普通のレシートでも、証憑としての効果は十分にあります。

証憑(しょうひょう)書類とは?
取引の成立などを証明するための書類

ただレシートによっては、一見して何を買ったか分からないこともあるので、 後で見て用途が不明になりそうなレシートには、メモを加えておきましょう。 飲食代の領収書には誰と飲食したかが分かるようメモを加えておくと、税務調査対策を兼ねることができます。

交通費などで領収書をもらえなかった場合には、自分で出金伝票をおこせばOKです。 交通費の場合は、出金伝票に、日付、区間、料金、外出の用件等をメモしておきます。 出金伝票は100円均一の店などでも販売されているので、1セットは買っておくと便利です。

>> 領収書・レシートがない場合の経費処理はどうすれば?

白色申告と青色申告65万円控除でどのくらい税金が違う?

白色申告に特別控除はありませんが、 青色申告には最高65万円の「青色申告特別控除」があります。 ただ、これは控除であって、まるまる65万円税金が少なくなるわけではありません。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 控除額 − 税額控除額 = 所得税額

白色申告は簡易な帳簿づけが認められている代わりに、 青色申告特別控除をはじめとした、青色申告に適用される特典がありません。 >> 白色申告と青色申告の違いについて

では、白色申告と青色申告の場合で、納税額にどれ程の差が出るのでしょう? 各個人の控除額などが税額の差につながるので一概には言えませんが、 おおよその差額をつかんでおきましょう。

課税所得200万円の場合では、白色申告と青色申告(65万円控除)で、 所得税と住民税あわせておよそ10万円の差になります。 課税所得500万円の場合では、およそ20万円の差が生じます。 下記のページで、より詳細な比較をしているので参考にしてみて下さい。

>> 白色申告と青色申告で納税額の違いを比較
>> 白色申告するまでにやることをおさらい
>> 白色申告で提出する確定申告書類を見ておく