領収書がない場合の経費処理はどうすれば?

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更新日 2022年3月02日

領収書・レシートがない場合の経費処理

領収書・レシートがない場合は、出金伝票を起こそう

電車賃などで領収書がもらえない出費、領収書をなくしてしまった場合などには、出金伝票を起こします。 「伝票を起こす」とは、新しく伝票を書くことを指します。 出金伝票は100円〜200円ほどで市販されているので、このような場合に使えるよう購入し、備え付けておきましょう。

出金伝票が必要な例

  • 電車やバスなどの交通費(領収書が発行されない費用)
  • 慶弔(ケイチョウ)費(取引先の結婚祝や香典など)
  • 領収書をなくした時

上記のように、基本的には領収書がもらえない出費、領収書を紛失してしまった場合に出金伝票を起こします。

取引先の冠婚葬祭に要した費用は、接待交際費として必要経費にすることができます。これらの伝票を起こす場合には、式典の招待状や祝儀・香典のコピーなども一緒にとって保存しておくと、なお良いです。

出金伝票をおこす際に記載しておくべき重要な情報は、以下の4点です。

  • 取引の日付
  • 金額
  • 相手先
  • 取引内容

例えば、取引先までの打ち合わせに要した旅費交通費の記録は、以下のように行います。 本ページ後半で説明している通り、エクセルなどでまとめて記録する方法でもOKです。

出金伝票での交通費の書き方

>> 出金伝票 - Amazon.co.jp

証憑書類の優先順位について

出金伝票は、あくまでも事業主本人が自ら作成するものですので、 経費の証憑を出金伝票ばかりに頼るのはおすすめできません。 経費の証憑書類になるものが他にある場合は、その書類も合わせて保管しておきましょう。

証憑(しょうひょう)書類とは?
取引の成立などを証明するための書類

証憑書類としての優先順位は、以下の通りです。 やはり領収書やレシートがもらえるのであれば、これを残しておくのが一番です。

  • 領収書・レシート
  • 請求書
  • 納品書
  • メール領収書
  • 出金伝票

このように、自分で書き起こす出金伝票は、証憑としての優先順位が低いので、 領収書がもらえない場合でも請求書や納品書などの証憑が残っている場合には、あわせて保管しておきましょう。

銀行振込の場合には、ATMなどから出てくる振り込み明細が領収書代わりになります。 ただし、振込明細だけでは先述の4つの情報を満たさないので、 他の書類があれば、あわせて保管しておくとよいです。

厳密には、請求書や納品書は代金を受領されたという証明にはなりません。しかし、税務上で領収書やレシートの代替となる可能性は高いです。 メールや取引画面をプリントアウトしたものも証憑としての価値はあるので、このような情報も合わせて保存しておくことをおすすめします。

接待交際費は特にチェックが入りやすいので注意

個人事業の場合の接待交際費は、法人とは違って上限なく経費計上できますが、 税務署からの厳しくチェックが入る項目のひとつでもあります。 取引先や従業員と飲食店で飲み食いした場合には、先ほどの4つの情報にあわせて、なるべく具体的な情報を残しておきましょう。

なお、たとえば仕事上の付き合いで飲食費が割り勘になった場合でも、 自分が支払った分は接待交際費として経費計上することができます。 このときの領収書やレシートがもらえなかった場合には、出金伝票でそのときの記録を残しておきましょう。

交通費の記録はまとめて記録してもOK

職業上、電車で様々な場所へ移動することが多い場合、 そのたびに出金伝票をおこすのは大変な労力を要します。 このような場合には、エクセルなどで月ごと、あるいは週ごとの交通費をまとめて記録することもできます。

エクセルでの交通費の入力例

日付、交通機関、区間、摘要、金額、これらの情報を記載しましょう。 交通機関の利用頻度が多い方は、週間あるいは月間でまとめる方法をおすすめします。 電車賃やバス料金はこの方法で致し方ありませんが、 利用料が高額になりがちなタクシー代や航空運賃では領収書がもらえるので必ずもらっておきましょう。

なお、SuicaやPASMO、ICOCAなどを利用している場合、 カードにチャージした際の領収書を、交通費の証憑書類として利用することはできません。 これらのICカードは、コンビニや飲食店の買い物でも利用できるからです。 いくら利用用途が交通費だけと言っても、それを示す証拠がなければ証憑書類として利用することはできません。

この場合も、チャージ料金とは関係なく、 交通機関の利用日で出金伝票をおこすか、交通費のエクセルシートに入力しましょう。

>> 旅費交通費の仕訳例などはこちら
>> いつまで保管すればよい?帳簿や領収書の保存期間
>> 必要経費の勘定科目一覧 - 個人事業の経費