所得税

個人事業主の所得税

個人事業主の所得税は、年間収入から必要経費などを差し引いた「所得」に対して課される税金です。 基本的には最も金額が多くなり、事業主にとってのメインになる税金です。

所得税の納付時期 - 3月15日までに納める

基本的に、所得税は3月15日までに納付します。 例年、確定申告期間は2月16日〜3月15日なので、確定申告をしてからすぐに納めるイメージです。

所得税の納付期限日

2019年の納付期限日

2019年(平成31年)の納付期限日は、2019年3月15日(金)でした。 3月15日が土日祝日と重なる年には、期限日が後ろの平日にずれることになっています。

銀行口座から振替納税をする場合には、4月中旬頃の振替になります。 所得税を納付するタイミングが最も遅くなるのは、この振替納税です。 振替納税に関する詳細については、以下のページをご覧ください。 >> 所得税と消費税の納付方法について

所得税の納付方法 - 5つの納付方法

所得税は、確定申告書類を作成するにあたって自分で税額を算出することになっています。 納めるべき金額が分かったら、以下いずれかの方法で納税します。(計算方法は後述)

  • 税務署や銀行で、納付書を添えて納付する
  • コンビニで、QRコードや専用の納付書を用いて納付する
  • 国税 クレジットカードお支払サイトから、クレジットカード払いする
  • ネットバンキングで電子納税する
  • 指定の銀行口座から振替納税する

クレジットカードによる納付では、1万円ごとに82円の決済手数料がかかります。納付税額が多いほど、決済手数料も増えるということです。例えば、10万円の所得税をカード払いすると、820円の決済手数料がかかります。カードのポイントが貯まるとしても、そうお得とは言えません。

所得税の計算方法

個人事業主の所得税は、以下の計算式で算出します。
課税所得金額とは「課税の対象になる所得金額」を指します。
そして、この課税所得金額に対応した税率をかけて、
課税控除額と税額控除額を差し引いた額が所得税額になります。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 課税控除額 − 税額控除額 = 所得税額

各種控除には、所得控除青色申告特別控除白色の事業専従者控除が当てはまります。
課税所得金額に応じて、下の表のように税率と課税控除額が決まります。

課税所得金額に応じて「税率」と「課税控除額」が自動的に決まる

課税所得金額税率課税控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

(平成27年分以降の所得税率)

住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)などの「税額控除」がある場合は、
さらに税額控除額も差し引いて、所得税額を算出します。

主な税額控除

  • 住宅を購入した場合などの、いわゆる住宅ローン控除
  • 株などで配当を得た場合などの、配当控除

税額控除の一覧 - 国税庁ウェブサイト

所得税の具体的な計算例

例えば、下記のケースで所得税の計算方法をみていきましょう。
収入600万円・必要経費200万円
基礎控除38万円・その他の控除47万円・青色申告特別控除65万円
該当する税額控除(住宅ローン控除など)無し
これを所得税の計算式に当てはめて、所得税額を算出してみます。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 課税控除額 − 税額控除額 = 所得税額

600万円 − 200万円 − 38万円 − 47万円 − 65万円 = 250万円(課税所得金額)
250万円 × 10% = 25万円
25万円 − 97,500円(課税控除額)= 152,500円(所得税額)

この例の場合、所得税の金額が15万2,500円で、
後述の通り、この所得税に復興特別所得税を加算して税額を算出します。

課税所得金額に応じて、下の表のように税率と課税控除額が決まります。
上の例では、計算をして課税所得金額が250万円(195万円を超え 330万円以下)になったので、
下の表にならって、税率10%・課税控除額97,500円となります。

マーカーで示している部分に今回のケースが当てはまる

課税所得金額税率課税控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

(平成27年分以降の所得税率)

例えば、課税所得が320万円から340万円に上がると税率が10%増えるわけですが、 課税控除額も増えるので、税率の境界ラインで実質的な負担が大きく変わるということはありません。

2037年までは復興特別所得税も合わせて納付する

2013年から2037年までの各年分の確定申告においては、所得税に加えて「復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)」をあわせて納付することになっています。
この復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源を確保するための税金です。

先ほどの例の場合、
「基準所得税額」となる152,500円に2.1%をかけて復興特別所得税を算出します。
152,500 × 0.021 = 3,202.5円(1円未満の端数が出る場合は、端数を切り捨てる。)
この場合、3,202円が復興特別所得税額となります。
所得税に加えて、この復興特別所得税もあわせて納税します。

つまり、152,500円 + 3,202円 = 155,702円
155,702円が「所得税+復興特別所得税」の税額となります。

ここから、あらかじめ取引先の企業などから源泉徴収された金額や、予定納税として事前に納めた所得税などを差し引いて、実際に納付する金額(あるいは還付される金額)を算出します。
あらかじめ源泉徴収された金額や、予定納税として納付した金額などがない場合は、
「155,700円」が、実際に納める税金の金額ということになります。
(>> 確定金額の100円未満は切り捨て

所得税の仕訳・帳簿づけ例

所得税は、事業主個人に課せられる税金なので、税金を納めても帳簿づけする必要はありません。 事業主個人にかかる税金は、「租税公課」として経費処理することはできません。 納めた所得税額を、経費にすることはできないということです。

事業用の銀行口座から所得税を振替納付をした場合などで、納付した所得税を帳簿づけする際には「事業主貸」で処理しておきましょう。

事業用の銀行口座から所得税を振替納付した場合の仕訳例

日付借方貸方摘要
2019年4月22日事業主貸 100,000預金 100,000所得税納付

所得税は事業主個人の私的な支出ということで、帳簿につけたければ上記のように「事業主貸」という勘定科目で仕訳しておけばOKです。 一方、個人事業税など、事業に課せられる税金は「租税公課」の勘定科目で経費として仕訳します。

>> 租税公課?事業主貸? 個人事業主が納付する税金の仕訳・勘定科目について

個人事業主の所得税に関するまとめ

所得税は、ほとんどの個人事業主にとって最も大きな税金となります。個人事業主にとって主要な4つの税金、所得税・消費税・住民税・個人事業税の中でも、最も重要度が高い税金と言って良いでしょう。

個人事業主の所得税に関するポイントまとめ

  • 所得税の納付期限日は確定申告の期限日と同じで、基本は3月15日
  • 振替納付を事前申請しておけば、4月中旬頃に振替される
  • 納付方法には、窓口納付やクレカ納付、振替納税など、様々な方法がある
  • ざっくり言うと、収入から経費などを差し引いた「利益」に税率をかけて算出する
  • 税率は5%~45%で、「利益」が多いほど税率が高くなる
  • 所得税は事業主個人にかかる税金なので、納付しても帳簿につける必要はない
  • もし所得税の納付を記帳したければ「事業主貸」の勘定科目で仕訳すればOK

事業主が自分で確定申告をする場合、確定申告書を記入欄を埋めていく過程で、自らの所得税額を計算することになります。 個人事業用の会計ソフトを使えば、この計算はソフトが自動で行ってくれるので、確定申告に慣れていない方には、会計ソフトの利用をおすすめします。

>> 個人事業用の会計ソフト一覧
>> 個人事業主の税金まとめ - 主な税金の納付時期や計算方法など
>> 納付した税金の仕訳方法について