個人事業主の所得税 - 計算方法・税率・所得控除など

更新日 2026年6月24日

個人事業主の所得税

個人事業主・フリーランスの「所得税」をわかりやすく解説します。納付方法や計算方法に加えて、納付したときの帳簿付け方法などをまとめました。

所得税の納付時期 - 3月15日までに納める

所得税は、確定申告期限日までに納付するのが原則です。確定申告期間は原則2月16日〜3月15日なので、3月15日までに納税しましょう。(期限日が土日祝と重なる年は翌平日にずれます)

所得税の納付期限日

例年、銀行口座から振替納税をする場合には、4月中旬頃の振替になります。 所得税を納付するタイミングが最も遅くなるのは、この振替納税です。 振替納税に関する詳細については、以下のページをご覧ください。
>> 所得税と消費税の納付方法について

所得税の納付方法

窓口納付 税務署や銀行で納付書を添えて納付する
納付書は税務署や銀行に置いてある
コンビニ納付 専用の納付書を用いてコンビニで納付する
納税額が30万円以下の場合のみ
スマホアプリ納付 国税スマートフォン決済専用サイトからスマホ決済アプリで納める
PayPay・d払い・au PAYなどが利用可能
カード納付 国税クレジットカードお支払サイトからカード払いする
1万円ごとに99円の手数料がかかる
電子納税 ネットバンキング等で電子納税する
数種類の納付方法がある
振替納税 銀行口座から振替納税する
事前申請が必要。通常4月中旬の指定日に振替される

確定申告書を作成するプロセスで、所得税を算出することになります。確定申告が済んだら、いずれかの方法で納税しましょう。

コンビニ納付とは?

まず自宅でQRコードを作成し、そのQRコードをコンビニへ持参します。コンビニにある端末を操作してQRコードを読み取ると、専用の納付書が印刷できます。 この納付書をコンビニのレジへ持っていき納付します。
>> 自宅でQRコードを作成する方法 - 国税庁

クレジットカード納付の注意点

クレジットカードによる納付では、1万円ごとに税込99円の決済手数料がかかります。納付税額が多いほど、決済手数料も増えます。たとえば、10万円の所得税をカード払いすると、税込990円の決済手数料がかかります。カードのポイントが貯まるとしても、そうお得とは言えません。

所得税の計算方法

個人事業主の所得税は、以下の計算式で算出します。ざっくり言うと、「課税所得金額(課税の対象になる所得金額)」に所定の税率をかけて計算します。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 控除額 − 税額控除額 = 所得税額

計算式の「各種控除」には、所得控除青色申告特別控除事業専従者控除が当てはまります。課税所得金額がわかれば、あとは下表にその金額をあてはめることで、計算式に当てはめるべき「税率」と「控除額」がわかります。

所得税の速算表

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円 〜 330万円10%97,500円
330万円 〜 695万円20%427,500円
695万円 〜 900万円23%636,000円
900万円 〜 1,800万円33%1,536,000円
1,800万円 〜 4,000万円40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)などの「税額控除」がある場合は、さらに税額控除額も差し引いて、所得税額を算出します。

主な税額控除

  • 住宅ローン控除(住宅を購入した場合など)
  • 配当控除(株で配当を得た場合など)

税額控除の一覧 - 国税庁

所得税の計算例

たとえば、下記のケースで所得税の計算方法をみていきましょう。

収入:600万円
必要経費:200万円
所得控除:合計130万円
青色申告特別控除:65万円
税額控除:無し

これを所得税の計算式に当てはめて、所得税額を算出してみます。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 控除額 − 税額控除額 = 所得税額

600万円 − 200万円 − 130万円 − 65万円 = 205万円(課税所得金額)
205万円 × 10% = 205,000円
205,000円 − 控除額97,500円 = 107,500円(所得税額)

この例の場合、所得税の金額が107,500円です。 後述の通り、この所得税に復興特別所得税を加算して税額を算出します。

課税所得金額に応じて、下表のとおり税率と控除額が決まります。 上の例では、計算をして課税所得金額が205万円になりました。 下表に当てはめると、税率10%・控除額97,500円ということがわかります。

今回の例では太字部分を参照

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

たとえば、課税所得が320万円から340万円に上がると税率が10%増えるわけですが、 控除額も増えるので、税率の境界ラインで実質的な負担が大きく変わるということはありません。

2037年までは復興特別所得税も合わせて納付する

2013年から2037年までの各年分の確定申告においては、所得税に加えて「復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)」をあわせて納付することになっています。 この復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源を確保するための税金です。

先ほどの例の場合、「基準所得税額」となる107,500円に2.1%をかけて復興特別所得税を算出します。 107,500 × 0.021 = 2,257.5円(1円未満の端数が出る場合は、端数を切り捨てる。)

この場合、2,257円が復興特別所得税額ということです。 所得税に加えて、この復興特別所得税もあわせて納税します。

つまり、107,500円 + 2,257円 = 109,757円
109,757円が「所得税+復興特別所得税」の税額となります。

ここから、あらかじめ取引先の企業などから源泉徴収された金額や、予定納税として事前に納めた所得税などを差し引いて、実際に納付する金額(あるいは還付される金額)を算出します。 あらかじめ源泉徴収された金額や、予定納税として納付した金額などがない場合は、 「109,757円」が、実際に納める税金の金額ということになります。
>> 100円未満は切り捨て?税額計算の端数処理について

所得税を納めたときの記帳方法【仕訳例】

所得税は、あくまで個人的な支出という扱いなので、事業の必要経費にはできません。ですから、基本的には帳簿付けをする必要もありません。

ただし、もし所得税を事業用の銀行口座から納付した場合などは、「事業主貸」で帳簿付けしておきましょう。事業主貸とは、簡単に言うと「プライベートの費用を事業資金から払いましたよ」と示す勘定科目です。

事業用の銀行口座から所得税を振替納付した場合の仕訳例

日付借方貸方摘要
20XX年4月21日事業主貸 100,000預金 100,000所得税納付

ちなみに、一部の税金(個人事業税など)は「租税公課」の勘定科目で必要経費に計上できます。ただ、所得税は該当しないので注意しましょう。
>> 租税公課?事業主貸?個人事業主が納付する税金の仕訳方法

個人事業主の所得税に関するまとめ

所得税は、ほとんどの個人事業主にとって最も大きな税金となります。個人事業主にとって主要な4つの税金、所得税・消費税・住民税・個人事業税の中でも、最も重要度が高い税金と言えます。

個人事業主の所得税に関するポイントまとめ

  • 所得税の納付期限日は確定申告の期限日と同じで、基本は3月15日
  • 振替納税を事前申請しておけば、4月中旬頃に振替される
  • 納付方法には、窓口納付やクレカ納付、振替納税など、様々な方法がある
  • ざっくり言うと、収入から経費などを差し引いた「利益」に税率をかけて算出する
  • 税率は5%~45%で、「利益」が多いほど税率が高くなる
  • 所得税は事業主個人にかかる税金なので、納付しても帳簿付けする必要はない
  • もし所得税の納付を記帳したければ「事業主貸」の勘定科目で仕訳すればOK

個人事業主が自分で確定申告をする場合、確定申告書の記入欄を埋めていく過程で、自らの所得税額を計算することになります。 個人事業主向けの会計ソフトを使えば、この計算はソフトが自動で行ってくれるので、確定申告に慣れていない方には、会計ソフトの利用をおすすめします。

>> 個人事業主におすすめの会計ソフト【比較一覧】
>> 個人事業主の税金まとめ - 納付時期や計算方法など
>> 租税公課?事業主貸?納付した税金の仕訳方法