親族が専従者になると、その配偶者控除や扶養控除が受けられなくなる

専従者になると受けられなくなる配偶者控除や扶養控除

配偶者や扶養親族が、事業の専従者として給与をもらっている場合、 事業主は配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除が受けられなくなります。 控除対象の親族である条件のひとつに「専従者ではないこと」という要件があるからです。

「専従者」とは?
納税者の経営する事業に従事している者で、納税者と生計を共にしている配偶者・もしくはその他の親族。 おおまかにいうと「個人事業を手伝ってくれている家族従業員」。

配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除に共通の要件をおさらい

冒頭で述べた通り、事業主であるあなたの配偶者や扶養親族「専従者」の場合は、あなたは配偶者控除や扶養控除を受けることができません。

配偶者控除とは、事業主に「控除対象の配偶者」がいる場合に受けられる控除です。 扶養控除とは、事業主に「控除対象の扶養親族」がいる場合に受けられる控除です。

この両方に共通する要件のひとつに「青色申告専従者 or 白色専従者ではないこと」というものがあるからです。 (正確には「青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと。あるいは、白色申告者の事業専従者でないこと」)

青色申告専従者の場合は、届け出を出していても、
その年に給与の支払いが1円もなければ控除対象の条件に当てはまります。

扶養控除・配偶者控除をうけるための要件をおさらい

先で述べた「扶養控除」と「配偶者控除」の要件をおさらいしておきましょう。 扶養控除・配偶者控除を受けるための「控除対象の親族」は、それぞれ以下の全ての条件を満たしている必要があります。

控除対象になる扶養親族・配偶者の要件

扶養親族の要件配偶者の要件
  • 配偶者以外の親族
  • 納税者と生計を一緒にしている
  • 年間合計所得が38万円以下
    (給与収入のみの場合は103万円以下)
  • 青色申告専従者 or 白色専従者ではない
  • その年の12月31日時点で16歳以上
  • 配偶者(夫または妻)
  • 納税者と生計を一緒にしている
  • 年間合計所得が38万円以下
    (給与収入のみの場合は103万円以下)
  • 青色申告専従者 or 白色専従者ではない
控除額は38万円・48万円・58万円・63万円の4段階で、扶養親族の年齢や状況によって異なる控除額は0円・13万円・26万円・38万円の4段階で、納税者の所得に応じて異なる

ちなみに「配偶者特別控除」も配偶者控除と同様で、控除対象配偶者の要件に「青色申告専従者もしくは白色専従者ではない」というものがあります。

専従者控除・専従者給与・扶養控除・配偶者控除をまとめて比較

白色申告では、専従者控除として最高86万円を控除できます。青色申告の場合は、専従者への給与を「専従者給与」として経費にできます。控除とまとめて比較すると、下記の通りです。

控除の種類控除の内容
白色の専従者控除配偶者であれば最高86万円控除
配偶者でなければ専従者一人につき最高50万円控除
青色の専従者給与専従者への給与を全額経費にできる(上限はないが、労務の対価として相当であると認められる金額であること)
扶養控除控除額は38万円・48万円・58万円・63万円の4段階
扶養親族の年齢や状況によって異なる
配偶者控除控除額は0円・13万円・26万円・38万円の4段階
納税者の所得に応じて異なる

白色申告の場合は、専従者への給与を経費にはできませんが、 確定申告の際に、定められた方法で控除することができます(最大86万円)。 こちらは事前に届け出をする必要はありません。
>> 白色申告の専従者控除 - 計算例や条件など

青色申告の場合は、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を出していれば専従者への給与を経費にすることができます。 この届け出に、専従者が行う職務の内容、給与の金額、支給期などを記載することになっています。
>> 専従者給与とは?青色事業専従者としての要件など