配偶者控除や扶養控除とは重複NG!専従者控除・専従者給与の注意点

更新日 2026年6月09日

専従者になると受けられなくなる配偶者控除や扶養控除

親族が「事業専従者」として働いている場合、あなたはその親族のぶんの「配偶者控除」や「扶養控除」を受けられません。配偶者控除や扶養控除には、「その親族が専従者ではないこと」という要件があるからです。

【おさらい】そもそも事業専従者とは?

事業専従者とは、簡単に言うと「一定の条件を満たす家族従業員」のことです。通常、親族に支払った給与は必要経費に計上できませんが、事業専従者に対する給与は必要経費として扱えます。

事業専従者の条件

  • 事業主と生計を一にする親族であること
  • その年の12月31日時点で15歳以上であること
  • 事業にもっぱら従事していること

事業を手伝ってくれる親族のうち、上記の条件をすべて満たす人は「事業専従者」と認められます。(実際には白色申告と青色申告で微妙に条件が異なります)
>> 事業専従者の詳細記事はこちら

事業専従者は配偶者控除・扶養控除の対象外!

あなたの配偶者や扶養親族が「事業専従者」として給料をもらうようになると、あなたはその人のぶんの「配偶者控除」や「扶養控除」を受けられなくなります。これは、配偶者控除や扶養控除には「その人が事業専従者ではないこと」という条件があるからです。

配偶者控除・扶養控除の控除対象者【要件まとめ】

配偶者控除の対象者 扶養控除の対象者
  • 配偶者である
  • 納税者と生計を一緒にしている
  • 所得が48万円以下である
  • 事業専従者ではない
  • 配偶者以外の親族である
  • 納税者と生計を一緒にしている
  • 所得が48万円以下である
  • 16歳以上である
  • 事業専従者ではない

なお「配偶者特別控除」も配偶者控除と同様で、控除対象となる配偶者には「事業専従者ではないこと」という条件があります。

事業専従者にしないほうがいい?節税メリットを比較

「配偶者控除や扶養控除が受けられなくなるなら専従者にしないほうがいいじゃん!」と思うかもしれませんが、もちろん事業専従者にも節税メリットがあります。事業専従者の節税メリットは、白色申告と青色申告で少し異なります。

事業専従者の節税メリット

白色申告の場合 青色申告の場合
専従者がいると
専従者控除を受けられる

所得から最高86万円を
控除できる
専従者給与
経費計上できる

専従者への給与を
全額経費にできる

白色申告の場合、専従者への給与をすべて経費にできるわけではありません。ただ、給与の一部を「専従者控除」として所得から差し引けます。控除できる金額は、専従者が配偶者なら「最高86万円」で、配偶者以外なら「1人につき最高50万円」です。
>> 白色申告の専従者控除について詳しく

青色申告の場合、専従者への給与を「専従者給与」という勘定科目で経費にできます。基本的には給与の全額を経費計上できるので、白色申告の「専従者控除」よりも節税効果が大きいです。
>> 青色申告の専従者給与について詳しく

配偶者控除や扶養控除の控除額と比較すると、下表のとおりです。

専従者控除
(白色申告)
専従者に払った給与の一部を控除できる
配偶者:86万円まで
配偶者以外:1人につき50万円まで
専従者給与
(青色申告)
専従者に払った給与の全額を経費計上できる
※上限はないが、労務の対価として相当であると認められる金額であること
配偶者控除 控除額は38万円(配偶者が70歳以上だと48万円)
※事業主本人の所得が900万円超だと控除額が段階的に下がる
扶養控除 控除額は扶養親族の年齢によって異なる
16歳〜18歳:38万円
19歳〜22歳:63万円
23歳〜69歳:38万円
70歳以上:48万円(同居の場合は58万円)

基本的には、専従者控除・専従者給与の節税メリットのほうが大きいはずです。ただし、たとえば12月に開業して「1ヶ月しか給与を払っていない」などという場合は、配偶者控除・扶養控除のほうが節税額が大きくなる可能性もあります。

>> 白色申告の「専従者控除」について詳しく
>> 青色申告の「専従者給与」について詳しく
>> 配偶者控除の詳細はこちら
>> 扶養控除の詳細はこちら