配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除・配偶者特別控除
最終更新日:2019年6月20日

ここでは「配偶者控除」と「配偶者特別控除」について見ていきます。 配偶者控除と配偶者特別控除を、同時に重複して受けることはできません。 配偶者特別控除とは、配偶者控除を受けられない場合に受ける控除です。

配偶者控除と配偶者特別控除は、2018年(平成30年)分からルールが改正されました。 2019年2月18日〜3月15日の確定申告から、本ページで紹介しているルールが適用されました。 本ページでは、制度の改正点も交えて紹介しています。

「配偶者控除」とは?

配偶者控除とは、納税者(確定申告をする本人)に控除対象の配偶者がいる場合に受けられる控除です。「配偶者がいる方を税金面で優遇してあげよう」という内容の控除です。

個人事業主のあなたに妻か夫がいる場合、後述の要件を満たせば、最高38万円の配偶者控除を受けることができます。 これによってあなたが納める所得税や住民税が少なくなります。

似たような控除に「扶養控除」がありますが、 配偶者控除や配偶者特別控除と、扶養控除を同時に重複して受けることはできません。 どちらにも当てはまる場合は、配偶者控除が優先されます。 また、配偶者控除は夫婦の間でお互いに受けることはできません。

2018年(平成30年)分からの改正点(配偶者控除)

今までは、納税者の所得金額には関係なく、一定金額の控除を受けることができました。しかし今回の改正で、納税者の所得金額が控除額に関係するようになりました。かんたんに言えば「リッチな人は配偶者控除少なめでヨロシク」という改正です。

配偶者控除の改正点

改正前改正後
納税者の所得は控除額と関係しなかった納税者の所得が控除額に関係するようになった

この改正により、納税者の所得が多いほど、配偶者控除として控除される金額が少なくなります。 納税者の所得が1,000万円を超える場合には控除額は0円となり、配偶者控除は受けられなくなりました。

合計所得1,000万円超というのは個人事業主の場合です。納税者が会社員(給与収入だけ)の場合は、給与収入が1,220万円を超えると控除額が0円になります。

配偶者控除を受けるための要件

所得税法上の控除対象配偶者とは、 その年の12月31日時点で、以下4つの要件全てに当てはまる人です。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の場合は該当しない)
  2. 納税者と生計を共にしていること
  3. 青色申告者の事業専従者・白色申告者の事業専従者でないこと
    (青色専従者でも、その年に給与を一度も支払われていない場合はOK)
  4. 年間の合計所得金額が38万円以下であること
     (給与収入のみの場合は、給与収入が103万円以下であること。)

1. 民法の規定による配偶者であること

あなたの妻もしくは夫が、婚姻届を提出して法的に結婚を認められた相手である必要があります。 事実婚では認められません。

2. 納税者と生計を一緒にしていること

納税者と配偶者が生計を共にしている必要がありますが、
必ずしも同居をしている必要はありません。

3. 青色申告者の事業専従者・白色申告者の事業専従者でないこと

青色申告者の事業専従者 or 白色申告者の事業専従者である場合には、
配偶者控除や配偶者特別控除を受けることができません。
>> 専従者になると配偶者控除や扶養控除が受けられなくなる

4. 年間の合計所得金額が38万円以下であること
(給与収入のみの場合は、給与が103万円以下であること。)

配偶者の合計所得金額が、38万円以下であることが条件となります。
(収入 − 必要経費 = 所得)

配偶者がパートやアルバイトとして働いていて、収入が給与収入のみの場合には、
給与収入の総額が103万円以下であることが条件となります。
「給与収入の総額」とは、保険や税金を差し引く前の金額です。

配偶者控除の金額 - 0円・13万円・26万円・38万円の4段階

納税者本人の合計所得金額と、控除額の関係をまとめると下記の表のようになります。

納税者本人の合計所得金額と配偶者控除額

確定申告をする本人の合計所得金額控除額
1,000万円超
給与所得者の場合は1,220万円超
控除なし
950万円超〜1,000万円以下
給与所得者の場合は1,170万円超〜1,220万円以下
13万円
900万円超〜950万円以下
給与所得者の場合は1,120万円超〜1,170万円以下
26万円
900万円以下
給与所得者の場合は1,120万円以下
38万円

(「超」「未満」はその数を含みません。10円超 = 11円〜
「以上」「以下」はその数を含みます。10円以下 = 〜10円)

個人事業主の場合、合計所得が900万円以下の場合には満額の38万円が適用されます。
(収入 − 経費 = 所得)

例えば「夫の所得は500万円だよ」という家庭には、今回の改正は関係しません。 個人事業で所得900万円超えを達成するのは難しいことなので、多くの家庭にとっては安心の改正と言えます。

ちなみに、控除対象の配偶者が老人(その年の12月31日時点で70歳以上)の場合は、控除額が少し多くなります。 この場合は「控除なし、16万円、32万円、48万円」の4段階となります。

「配偶者特別控除」とは?

配偶者に38万円を超える所得(給与収入の場合は103万円)があるために配偶者控除が受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられます。これを「配偶者特別控除」といいます。

要するに、たとえ配偶者の給与収入が103万円を超えたとしても、控除がスパっとなくなってしまうわけではなく 「配偶者の収入金額に応じて、段階的に控除をしてあげますよ」というのが配偶者特別控除です。

ただし、配偶者特別控除を少しでも受けるには、控除を受ける納税者のその年の合計所得が1,000万円以下である必要があります。 また、配偶者特別控除も配偶者控除と同様で、夫婦の間で互いに受けることはできません。

2018年(平成30年)分からの改正点(配偶者特別控除)

配偶者特別控除は、平成30年分から以下の2点が改正されました。

  • 配偶者の合計所得金額の条件が「38万〜76万円」から「38万〜123万円」になった
    (給与所得のみの場合は「103万〜141万円」から「103万〜188万円」になったということ)
  • 控除を受ける納税者自身の所得も3段階に分けられた

まず、配偶者の合計所得金額の上限が、ゆるくなりました。 今まではパートで働いている配偶者の給与収入が「103万〜141万円」だった場合に、 段階的に適用されていた控除です。これが「103万〜188万円」まで拡充されました。 「パートで頑張ってくれている奥さん、もっともっと働いて下さい!」という国からのメッセージです。

今までは、この控除を受けられる納税者の所得に関しては「1,000万円以下」という条件だけのシンプルなものでした。 これが、「900万円以下、900〜950万円、950〜1,000万円」の3段階に分けられるようになりました。 後に表でまとめています。

配偶者特別控除を受けるための要件

配偶者が、配偶者控除の1〜3の要件に加えて、以下の要件両方にも該当する必要があります。 上で示した通り、この2つ目が今回改正された部分ですね。

  • ほかの人の扶養親族となっていないこと
  • 年間の合計所得金額が38万円超 123万円未満であること
    (収入が給与収入だけの場合は、103万円超 188万円未満)

収入から必要経費などを差し引いたものが、所得です。
収入 − 必要経費 = 所得

配偶者がパート勤めなどで給与収入だけを得ている場合には、給与収入の総額が103万円超 188万円未満の場合に、配偶者特別控除を受けることができます。給与収入の総額とは、税金や保険を差し引かれる前の金額です。 (勤務先から支給される交通費は含みません。)

配偶者特別控除の金額 - 0円〜38万円の多段階

「配偶者の合計所得」と「納税者本人の所得」の対応表です。一番左の列は、配偶者の所得を表しています。「うちの妻はパートで働いているよ」という方は、左列の「給与収入だと」の中から、奥さんの給与収入を探して下さい。

右の3列は納税者本人の合計所得です。例えば「私の年収は500万円くらいだよ」という方は、「900万円以下(給与収入でいう1,120万円以下)」の列を参照して下さい。

「配偶者の所得」と「納税者本人の所得」の関係

納税者の合計所得
900万円以下
(1,120万円以下)
900〜950万円
(1,120〜1,170万円)
950〜1,000万円
(1,170〜1,220万円)
123万円超
給与収入だと188万円超
控除なし控除なし控除なし
120〜123万円
給与収入だと185〜188万円
3万円2万円1万円
115〜120万円
給与収入だと180〜185万円
6万円4万円2万円
110〜115万円
給与収入だと175〜180万円
11万円8万円4万円
105〜110万円
給与収入だと170〜175万円
16万円11万円6万円
100〜105万円
給与収入だと165〜170万円
21万円14万円7万円
95〜100万円
給与収入だと160〜165万円
26万円18万円9万円
90〜95万円
給与収入だと155〜160万円
31万円21万円11万円
85〜90万円
給与収入だと150〜155万円
36万円24万円12万円
38〜85万円
給与収入だと103〜150万円
38万円26万円13万円

(「超」「未満」はその数を含みません。10円超 = 11円〜
「以上」「以下」はその数を含みます。10円以下 = 〜10円)

例えば、パート勤めをしている妻の給与収入が年間で173万円となった場合で、 夫の合計所得が500万円の場合、夫の所得から16万円を配偶者特別控除として控除できます。

もしあなたが個人事業主ではなく給与所得者の場合、配偶者特別控除は年末調整で受けることができます。 「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を勤務先に提出してください。(国税庁ウェブサイト - 給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告

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