いつから変更?基礎控除と青色申告特別控除の改正【2020年分から】

基礎控除と青色申告特別控除の改正
最終更新日:2019年4月3日

2020年(令和2年)分の確定申告から、控除の金額などについて大きな改正があります。この改正で、基礎控除は38万円から48万円に増額。そして、青色申告特別控除65万円には新しい要件が追加され、「e-Tax」などを活用しないと控除額が55万円に減ってしまう事となりました。

主な2つの変更点 - 2020年分(令和2年分)以降

2020年分の確定申告(つまり2021年の2月16日~3月15日に行う確定申告)から、主に以下の2点が変わります。 まだ2019年なので、結構先の話ではあります。

ちなみに、青色申告特別控除65万の「新しい要件」を満たさなかった場合、従来の要件をクリアしていても特別控除の額は55万円となります。逆に「新しい要件」もクリアできた場合、従来と比べると、合計で10万円多く控除を受けられるようになります。

基礎控除額、特別控除の要件変更

青色申告特別控除65万の新しい要件

2020年分以降の確定申告で青色申告特別控除65万の適用を受けるには、従来の要件をクリアした上で「e-Taxによる申告」か「電子帳簿保存」のいずれかを行う必要があります。これまで手書きで確定申告書類を作成していた人などは、そのままでは65万円の特別控除を受けられません。

つまり、改正によって青色申告特別控除の金額は3種類に分かれ、以下のように区別されるということです。ちなみに、10万円の特別控除に関して変更はありません。

青色申告特別控除の変更点

2つの変更点に関して、以下で詳しく説明します。

基礎控除の変更点について

2020年分の確定申告から、所得税の基礎控除が従来の38万円から48万円に増額されます。この改正には、従来の給与所得控除などの一部を基礎控除に振り替えるという背景があり、ざっくり言えば、個人事業主などの多様な働き方を応援するための改正です。

改正前改正後
基礎控除額38万円48万円

改正後、大半の人には上記の基礎控除48万円が適用されます。しかし、年間の合計所得が2,400万円を超える人については、その限りではありません。下記の通り、所得が高い人は基礎控除額が減る仕組みになります。

合計所得金額基礎控除額
2,500万円超0円
2,450万円超 ~ 2,500万円以下16万円
2,400万円超 ~ 2,450万円以下32万円
大半の人はここに当てはまる→ 2,400万円以下48万円

2020年分の確定申告(つまり2021年2月16日〜3月15日に提出する確定申告書)から「大半の人は基礎控除が48万円に増額されるが、お金持ちは基礎控除額が減ってしまう」ということです。

青色申告特別控除の変更点について

2020年分の確定申告から、65万円の青色申告特別控除に新しい要件が追加されます。この要件をクリアしない場合、従来の要件を満たしていても、特別控除額は55万円に減ってしまいます。そのため、改正後の控除額は以下のような3種類に分かれます。

青色申告特別控除の変更点

65万円の新しい要件は、「e-Taxによる申告」か「電子帳簿保存」のいずれかを行うこと。これは、税務手続きの電子化を促進するための改正です。つまり、「ICTの活用に協力してくれたら控除は65万のままでいいよ」ということです。

【改正後】青色申告特別控除65万の主な要件

新しい要件を加えた、改正後の青色申告特別控除65万の主な要件は以下のようになります。

青色申告特別控除65万の主な要件

これまで手書きで帳簿を作成していた人や、手渡し・郵送等で確定申告書類を提出していた人などは、「e-Tax」か「電子帳簿保存」の活用が必要になります。以下で、2つの制度の詳細を説明します。

青色申告特別控除65万の適用を受けるには

2020年分の確定申告以降、青色申告特別控除65万の適用を受けるためには、従来の要件をクリアした上で、以下2つの「どちらか片方」を行わなくてはなりません。

  • e-Taxによる申告
  • 仕訳帳と総勘定元帳の電子帳簿保存

e-Taxとは?

「e-Tax」(イータックス)とは、国税庁が運営する、国税に関する手続きをインターネット上で行えるシステムのことです。国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」から利用でき、市販の会計ソフトから取り込んだデータを送信することもできます。

e-Taxによる申告を行う際には、基本的に「マイナンバーカード」と、それを読み取る「ICカードリーダー」が必要になります。ただし、それらが無い場合でも、税務署でIDとパスワードを発行して貰えばe-Taxの利用は可能です。事前に用意しておきましょう。

ICカードリーダーは、家電量販店などで購入できます。おおよそ2000円程度のものから販売されていますが、マイナンバーカードの読み取りに対応しているかを確認してから購入しましょう。

e-Taxによる確定申告

電子帳簿保存とは?

「電子帳簿保存法」とは、一定の要件をクリアすれば、帳簿をデータの状態で保存できる制度のことを指します。本来、確定申告に関わる書類のほとんどは一定期間「紙での」保存が義務づけられています。しかし税務署の承認を得れば、データでの保存が可能になるのです。

電子帳簿保存を行うためには、帳簿を作成する3ヶ月前までに申請書を税務署へ提出する必要があります。原則として、年の途中からの適用はできません。ただし2020年分の帳簿に限っては、年の途中でもOKです。2020年の年内に承認を得れば、特別控除65万の対象になります。

ちなみに、特別控除65万のためにはe-Taxか電子帳簿保存の「どちらか片方」で構わないのですが、導入までの手間などを考えると、基本的にはe-Taxの活用がおすすめです。まだ活用していない場合は、この機会に検討してみることをおすすめします。

>> 個人事業主の所得控除一覧
>> 個人事業のe-Tax(電子申告)について