従業員の社会保険について

個人事業における従業員の社会保険

個人事業主が従業員を雇う場合には、
従業員の健康保険(被用者保険)・厚生年金保険のことを考えておく必要があります。

法人の場合は、最初から厚生年金と健康保険の加入が義務づけられていますが、
個人事業の場合は、必ずしも義務づけられているわけではありません。
個人事業の場合、常時5人以上の従業員が働いているのであれば社会保険への加入が義務となります。(5人以上でも任意適用となる業種もあります。)

従業員数が5人以上でも任意適用となる業種例はこちら↓

  • 第一次産業(農林水産業)
  • サービス業(理容・美容業、旅館、飲食店、料理店、クリーニング店等)
  • 士業(社会保険労務士、弁護士、税理士等)
  • 宗教業(神社、寺等)

従業員数が4人以下の場合には、任意加入です。
(事業主本人は、人数にカウントしません。従業員の人数です。)

任意適用の場合、従業員の半数以上の同意が必要

任意加入の場合でも、これらの社会保険に加入するには、
従業員の半数以上が社会保険の加入に同意することが、加入の必須条件となります。

(こちらも事業主本人は除いた数です。)

例えば、従業員が4人の場合で、2人が社会保険の加入に同意したとします。
この場合は社会保険に加入できます。(2人以上 = 2人〜4人)

従業員の半数以上の同意が得られれば、
「任意適用同意書」と「任意適用申請書」などを事業所を管轄する年金事務所(社会保険事務所)に提出します。
そして、社会保険事務局長から認可がおりれば社会保険の加入ができます。

社会保険料の算出について

従業員の健康保険料と厚生年金保険料は、 全国健康保険協会のウェブサイトに用意してある早見表をもとに知ることができます。 厚生年金の料率に地域差はありませんが、健康保険の料率は都道府県によって異なります。 都道府県毎の保険料額表 - 全国健康保険協会ウェブサイト

平成29年4月分〜 健康保険・厚生年金保険の保険料額表 - 東京都

東京都 - 平成29年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

例)平成29年5月 東京都 従業員(22歳)の給与月額が205,000円の場合
この場合、従業員の月給が205,000円なので、報酬月額「195,000 〜 210,000」の行を確認します。 その行を確認すれば、健康保険料と厚生年金保険料の金額が分かります。

この場合、健康保険料は19,820円、厚生年金保険料は36,364円ということが確認できます。 これを従業員と会社(個人事業主)で半分ずつ納めます(労使折半)。 つまり、健康保険料9,910円と厚生年金保険料18,182円を従業員の給料から差し引くことになります。

計算方法の解説

上記の例の場合、報酬月額「195,000 〜 210,000」に当てはまるので、
標準報酬(月額)が、200,000円ということが表から分かります。
この「標準報酬」に、該当する保険料率をかけて(乗じて)保険料を算出します。
200,000 × 0.0991 = 19,820円(健康保険料)
200,000 × 0.18182 = 36,364円(厚生年金保険料)

「介護保険第2号被保険者」とは、40歳以上64歳以下の方のことです。 この年齡の方は、健康保険料に合わせて介護保険料も納付することになるので、税率が異なるわけです。 従業員の年齡が40歳以上64歳以下の場合は、この「介護保険第2号被保険者に該当する場合」の列を参照します。

厚生年金の列に出てくる「坑内員・船員」とは、それぞれ鉱山の坑内労働者、船舶乗船員などのことを指します。 これらの特別な職種に就いている人は、一般の被保険者と厚生年金の料率が異なります。

子ども・子育て拠出金の計算は、下記のページを参考にして下さい。
>> 子ども・子育て拠出金とは?税率や計算方法について

下記の給与計算ソフトを利用すれば、従業員の給料や社会保険料を簡単に算出することができます。 >> MFクラウド給与

社会保険は事業所単位での加入

社会保険の加入は事業所単位なので、
社会保険適用事業所として認められると、従業員全員に加入義務が発生します。

先ほど「半数以上の同意」という表現が出てきましたが、
加入は事業所単位なので、反対した従業員も加入することになります。

ちなみに事業主本人は、加入できません。
個人事業主は「被用者保険・厚生年金」ではなく、「国民健康保険・国民年金」の加入となります。

医療保険年金保険
個人事業主国民健康保険(いわゆる国保)
所得に応じた金額を支払う
国民年金
全員一律 月16,000円程
従業員被用者保険(いわゆる健康保険)
所得に応じた金額を支払う
厚生年金
所得に応じた金額を支払う

>> 源泉徴収をする個人事業主の情報まとめ
>> 個人事業主が従業員へ給与を払う時の源泉徴収について
>> 源泉徴収税額表の見方