個人事業の開業について

個人事業の開業

開業届けの書き方・提出方法について

原則として、開業してから1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書(いわゆる開業届)」を納税地の税務署に提出する義務があります。 届け出は簡単で、開業届(A4用紙)を提出用と控え用で、同じものを2枚税務署に提出するだけです。

税務署へ行けば開業届の用紙をもらえます。そこで用紙に記入して提出すればOKです。
控え用の開業届は、税務署の印鑑を押してもらって持って帰ります。
この開業届を出せば、晴れて個人事業主になります。

>> 開業届けの出し方と提出場所について
>> 開業届けの書き方 - 7つのポイント

屋号について - 屋号の決め方や利用用途について

法人に会社名があるように、個人事業にも「屋号」があります。 上述の開業届に屋号の記入欄があるので、開業届を出しに行く際は屋号を考えてから税務署へ向かいましょう。
屋号は自由につけることができますが、すぐ近くに同じ名前の店やよく似た名称があると商売がしづらいので、業種によっては周辺の状況をチェックしておく必要があります。

屋号を決めかねている場合には、以下のことをポイントにして下さい。まず、屋号から事業内容を理解できること。そして、読み書きしやすいこと。
日本人に親しみがある言葉で、覚えやすいこと。個人事業のハンデのひとつである「信用」を屋号のネーミングで表現できること。

そして、顧客や取引先にネット検索をして見つけてほしい場合などは、あらかじめグーグルやヤフーなどの検索サイトで考案した屋号を検索してみましょう。同名の競合がいないかなどを、事前にチェックしてみることも重要です。

>> 屋号について
>> 屋号の決め方のポイント

個人事業主の年間スケジュール - 確定申告から納税まで

法人の場合は、自由に事業年度の始まりを決めることができます。しかし、個人事業の事業年度は1月1日〜12月31日と決まっています。1年間の売上や経費を計算して、翌年の2月16日〜3月15日の確定申告期間中に確定申告書類を税務署へ提出します。(基本的に2月16日~3月15日が確定申告期間ですが、土日祝日の関係で前後することもあります。)

確定申告を終えたら、次は納税をします。税金の納付時期は、各々の税金によって異なります。全ての税金を一括で納めるわけではありません。また、税金によっては売上や所得が少なければ、納めなくてよいものもあります。

最も早いのが所得税で、その年の確定申告期限日(基本的に3月15日)が所得税の納付期限です。その後に、消費税の納付期限が3月31日。間をおいて、住民税の納付通知書が6月頃に届きます。そして最後に、個人事業税の通知書が8月頃に届きます。これが個人事業主が納める主な4つの税金です。

>> 個人事業主の年間スケジュールについて - 確定申告期間と税金の納付期限

個人事業の起業と会社設立の違い - それぞれのメリット・デメリット等

他に仕事をしておらず、個人事業が専業の場合、年間所得が38万円を超えると確定申告をする必要があります。収入から必要経費を差し引いた金額が、所得です。(収入 − 必要経費 = 所得)
なので、例えば平均した場合に、ひと月あたり3万円~4万円以上の利益が出るようになったら、個人事業の開業を検討しましょう。

起業には大きく分けて、個人事業を開業する方法と、会社設立をする方法があります。 個人事業を選択する場合には、会社設立と比べて下記のメリット・デメリットがあります。

個人事業のメリット個人事業のデメリット
  • 開業が簡単、設立費用なしですぐに始められる
  • 運営の手間とコストが少ない
  • 所得が少なければ納税額も少なくて済む
  • 交際費の計上に上限がない
  • 社会的な信用度が低い
  • 金融機関から融資を受けにくい
  • 所得が多くなると納税額で不利になる
  • 事業の責任が事業主個人に及ぶ

法人化のメリットが出る所得のラインについて

商売をしていてたくさん利益が出る場合には、会社を設立した方が節税につながる場合があります。 では、具体的にどのくらいの所得になれば法人化を視野に入れるべきなのでしょうか?

これは業種や経営状況、将来性も加味する必要があるので明確なボーダーラインは打ち出せませんが、 所得400万円〜900万円を超えた辺りから法人化による節税メリットが出てくると考えておきましょう。 (収入 − 必要経費 = 所得)

例えば、年間所得が300万円程であれば、まだ法人化を検討する必要はありません。 基本的には、まず個人事業として事業をスタートして、ビジネスが軌道にのって収入が安定してきたら、法人化を検討することをおすすめします。これが最も堅実な方法です。

個人事業の接待交際費について

接待交際費とは?
接待交際費とは、事業を円滑に行うために取引先や仕入先の人と食事や外出をする際にかかる費用のこと。 具体的には、取引先や仕入先など、事業に関係のある人と食事にいって料金を支払った場合や、 取引先へのお中元・お歳暮の費用などを、接待交際費として必要経費にできます。 >> 個人事業の接待交際費について

株式会社などの法人の場合は、資本金額または出資金額が1億円以下の会社で、交際費の計上が年間800万円までと定められています。しかし、個人事業ではこの上限がありません。ただし、上限がないからといって何でも接待交際費に計上して良いわけではもちろんありません。事業運営にあたって必要な交際費のみ認められます。

端的に言って、事業規模の大きな個人事業者でなければ年間800万円もの接待交際費を計上することはできませんので、このメリットは多くの個人事業主には当てはまらないと考えて良いでしょう。

個人事業の責任について

個人事業主は、事業の負債に対して無限責任を追います。 商売が上手く行かずに個人事業の借金が残ってしまった場合は、個人事業主が自分で全ての借金を返す必要があります。 一方、株式会社などの法人であれば出資の範囲内で、有限責任を負うことになります。

ただし、一般的な中小企業では銀行などからの借入金について、代表取締役の連帯保証が求められます。 つまり、中小企業の多くのオーナー社長については、実質的に個人事業と同じように無限責任を負っているというのが現状で、 責任に関しては実質的に個人事業主と中小・零細企業のオーナーに違いがありません。

会社設立は事業が軌道にのってから

規模の小さい事業であれば、多くの面で個人事業が有利です。
事業規模がある程度大きくなるまでは、
会社を設立するよりも個人事業主として仕事をすることをおすすめします。

取引先との都合で会社設立の必要がある等のことがなければ、
個人事業で商売を成長させて、事業が安定してきてから法人化を検討しましょう。