白色申告の帳簿付け方法と書類の保存期間【個人事業主の会計】

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更新日 2023年10月26日

白色申告の帳簿づけ

個人事業主やフリーランス向けに、白色申告の帳簿付け方法と、帳簿・書類の保存期間を解説します。白色申告でも帳簿づけは義務です。ただ、簡易的な記帳方法が認められている部分もあるので、青色申告よりは少しラクです。

白色申告の帳簿付けとは?

白色申告の記帳業務【ポイント】

  • 日々の取引を「単式簿記」で帳簿付けする
  • 1年分の帳簿をもとに、翌年2月16日〜3月15日に確定申告をする
  • 確定申告のあとも、帳簿・領収書・銀行通帳などを保管しておく

白色申告の帳簿付けでは、日々の売上や経費について下記の4項目を記録していきます。帳簿付けの形式は「単式簿記」でOKです。単式簿記は、家計簿やお小遣い帳のようなシンプルな記帳方式です。

白色申告の帳簿付け(個人事業主が記帳する内容)

売上や経費の証拠になる書類(請求書や領収書など)は、捨てずに保管しておきましょう。これらの証憑書類は、作成した帳簿とあわせて、最大7年間にわたって保存しておく必要があります(保存期間の詳細は後述)。

白色申告の帳簿付け方法【単式簿記の記帳方法】

白色申告の帳簿付け方法 - 単式簿記の記帳例

白色申告の個人事業主は、取引の「日付・科目・収支の金額・摘要」を、帳簿付けしておく必要があります。 そして、最終的には1月1日〜12月31日までの期間で会計情報をまとめます(新規開業した年は、開業日から12月31日までの期間)。

必要な情報が記帳されていれば、手書きで帳簿付けをしても構いません。 ただ、手書きの帳簿付けはかなり面倒なので、個人事業主向けの会計ソフトを使うのがおすすめです。 会計ソフトと使えば、ほとんど簿記の知識がなくても何とかなります。
>> 白色申告におすすめの会計ソフト【比較一覧表】

帳簿付けの「科目」ってなに?

帳簿付けの際には、その収支を「消耗品費」「旅費交通費」「広告宣伝費」などの勘定科目に分類して記帳します。そして最終的には、確定申告の提出書類に、科目ごとの合計額を書くことになります。初心者には少し分かりづらい部分ですが、会計ソフトでは用意されたメニューから科目が選択できるようになっています。
>> 個人事業で使う必要経費の勘定科目一覧

会計ソフトによる帳簿付けの具体例

会計ソフトを使って帳簿づけする場合は、おおよそ以下のように操作します。 今回は、個人事業で利用するパソコンを「8万円」で購入した場合の記帳例を見てみましょう。

パソコン(8万円)を現金で購入した場合の帳簿づけ例


パソコンを購入した場合の帳簿づけ例

1 取引の種類 2 内容と金額 3 日付 4 摘要
支出から現金を選択 「備品・消耗品費」の科目を選んで、金額を入力 カレンダーから、購入した日付を選択 摘要欄に「業務用パソコン」と入力

上記は白色申告対応の会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」での帳簿づけ例です。 シンプルで分かりやすいソフトなので、会計初心者には特におすすめです。

上記の通り、4ステップで帳簿づけが完了します。 あとは同じように売上や経費を入力していけば、必要な帳簿が自動で作成されます。このソフト1本で、帳簿づけから確定申告書類の作成まで対応しています。
>> マネーフォワード クラウド確定申告の詳細レビュー

帳簿や書類の保存期間・保存方法【領収書や請求書など】

帳簿や領収書などの書類は、最大7年間保存しておく義務があります。 事業に関する入出金がある銀行通帳もとっておきましょう。 なお、個人事業の場合は、自分の個人口座と事業口座をひとまとめにしていても構いません。 (個人用口座と事業用口座は、分けたほうが色々とラクになりますが。)

白色申告のために作成した帳簿などの保存期間については、以下の年数が定められています。 事業に関係した帳簿や領収書、銀行通帳などはしっかり保管しておきましょう。

帳簿や書類の保管期間(白色申告の個人事業主)

帳簿・書類保存期間
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)7年
その他の補助的な帳簿(任意帳簿)5年
書類(領収書や請求書、納品書、送り状、棚卸表、預金通帳など)

定められている保存期間からも分かる通り、国税局は最長7年分さかのぼって税務調査できます。 税務調査が入る場合には、その求めに応じて保管しておいた書類を提示します。

翌年2月中旬〜3月中旬の期間に確定申告する

帳簿づけした内容から1年間の売上や経費を計算し、確定申告の提出書類を作成します。 白色申告の会計ソフトで帳簿づけをしていれば、確定申告書類の大部分はソフトが自動作成してくれます。 ユーザーは、ソフトのガイドにしたがって必要箇所を埋めていくだけです。

会計ソフトで作成した確定申告書は、印刷すればそのまま税務署へ提出できます。大手のクラウド会計ソフトなら、ソフト上からオンライン提出(電子申告)できる場合も多いです。

作成した書類は、原則2月16日〜3月15日の確定申告期間中に税務署へ提出します (その年の土日祝日と期日が重なる場合は、後ろに日程がずれます)。

個人事業の会計期間と確定申告期間

作成した「帳簿」は、確定申告で提出するわけではありません。 確定申告で提出するのは、この帳簿の内容をもとに作成した確定申告書類です。 白色申告で何を提出するかについては「白色申告で提出する必要書類」を参考にして下さい。

ちなみに従来は、白色申告の個人事業主で、事業所得などの合計が300万円以下の人には帳簿付けの義務がありませんでした。しかし、2014年(平成26年)1月以降は、白色申告をするすべての個人事業主に「帳簿付け」と「帳簿・書類の保存」が義務付けられました。

まとめ - 会計ソフトで帳簿づけする流れ

1月1日〜12月31日の間は、日々の売上や経費を会計ソフトに記録しておきましょう。 白色申告用の会計ソフトには、しっかりした老舗メーカーが提供しているものでも無料で使えるソフトがあります。
>> ずっと無料で使える「やよいの白色申告 オンライン」

帳簿や、帳簿づけの根拠になる領収書や預金通帳などは、一定期間保管しておく義務があります。 書類によって定められている保存期間が異なりますが、どの書類も7年間とっておけば間違いないです。

1年分の会計情報を全て会計ソフトに入力したら、あとは確定申告書類の作成です。 これも白色申告用の会計ソフトを利用していれば、ソフトの案内にしたがって進めば簡単に作成できるはずです。 ソフトで作成したデータをプリントアウトすれば、そのまま税務署への提出用として利用できます。

  • 1月1日〜12月31日は会計ソフトに帳簿づけ
  • 帳簿や、帳簿づけの根拠になる領収書などは保管しておく
  • 翌年2月16日〜3月15日の確定申告期間に確定申告する

例年、確定申告期間は2月16日〜3月15日です(期日が土日祝日と重なる場合は翌平日)。この期間内に、確定申告書類を税務署に提出します。

>> 白色申告の帳簿づけ具体例 - 売上と経費の記帳
>> 白色申告で提出する確定申告書類
>> 白色申告用の会計ソフト【一覧表】