個人事業の簿記・帳簿づけまとめ

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更新日 2021年1月06日

個人事業主の帳簿づけ

個人事業主は、日々の売上や経費を自分で帳簿づけするのが基本です。この帳簿づけにはちょっとしたルールがあります。 一定のルールによって取引の内容を記録することを、簿記と呼びます。

単式簿記と複式簿記

簿記には「単式簿記」と「複式簿記」があります。 単式簿記は、お小遣い帳のような感覚で記帳でき、特別な知識がなくてもすぐに理解できる簡単な形式です。 複式簿記は、「借方」「貸方」という初心者にはとっつきにくい概念があり、理解するためには少し勉強が必要です。

単式簿記

日付勘定科目金額摘要
20XX年5月10日消耗品費500円コピー用紙

上記は、事業で使うコピー用紙を購入した場合の記帳例です。 単式簿記の記帳方法で示された内容は、初心者でもすんなり理解できるのではないでしょうか? 同じ取引の内容を複式簿記で記帳すると、下記のようになります。

複式簿記

日付借方貸方摘要
20XX年5月10日消耗品費 500現金 500コピー用紙

複式簿記では、上記のように取引を「借方」と「貸方」に分けて記帳します。このことを「仕訳」と呼びます。 仕訳については、最終的につくる決算書などの配置構成をまず頭に入れておくと、理解がすすんで帳簿づけがスムーズになります。
>> 借方・貸方とは?複式簿記の仕訳を分かりやすく!

なお、複式簿記による記帳が必要なのは、青色申告で55万円控除または65万円控除を受ける場合です。 白色申告の場合や、青色申告でも10万円控除でよい場合には、単式簿記による記帳で構いません。

申告形式と簿記の要件

白色申告青色申告
10万円控除
青色申告
10万円控除(現金主義)
青色申告
55万円・65万円控除
単式簿記単式簿記単式簿記複式簿記

>> 単式簿記と複式簿記の違いをもっと詳しく
>> 白色申告と青色申告の違い

帳簿づけの概要

記帳方法には、取引が発生した日付を基準に記帳する「発生主義」と、あくまで現金の動きがある時だけに着目して記帳する「現金主義」があります。青色申告で現金主義の申請を出さないかぎりは、白色でも青色でも基本的に「発生主義」で記帳する必要があります。
>> 発生主義と現金主義の違い

申告方式と会計原則

白色申告青色申告
10万円控除
青色申告
10万円控除(現金主義)
青色申告
55万円・65万円控除
発生主義発生主義現金主義発生主義

帳簿づけを手書きで行うのは大変なので、個人事業用の会計ソフトを利用しましょう。会計ソフトを使えば、帳簿の作成と確定申告で提出する書類の作成が簡単になります。

作成した「帳簿」は、確定申告の際に税務署へ提出するわけではありません。 定められた期間の間(5年~7年)保管しておく義務があります。 >> 帳簿の保存期間と保存方法