国民健康保険料について

個人事業主の国民健康保険料について

国民健康保険とは?

国民健康保険(国保)とは、病気やけがをしたときに安心して治療をしてもらえるよう、加入者が所得に応じて保険料を出しあい、医療費に充てる相互扶助の制度です。日本では、すべての国民が何らかの公的な医療保険に加入する、国民皆保険制度を採用しています。

個人事業主になった人は、お住まいの市区町村役場にいけば加入できます。 国民健康保険は、市区町村が運営しています。

市区町村が運営する国民健康保険に入らず、国民健康保険組合の保険に入ることもできます。 健保組合の保険に入っておけば、国民健康保険に入る必要はありません。健保組合の保険は定額のところも多く、所得が多い人は節税になる場合があります。

保険料のおおまかなイメージと年間上限金額

上述の通り、国民健康保険を運営しているのは各地方自治体です。 保険料の計算方法は、住んでいる地域によって大きく異なります。 そのため、年収にもよりますが、国民健康保険料が低い自治体と高い自治体では2倍以上の金額差が生じます。 計算方法も複雑ですので、ここでは所得に対する保険料のおおまかなイメージをおさえておきましょう。

39歳までの国保被保険者は、「医療分」と「後期高齢者支援分」を国民健康保険料として納付します。 40歳から64歳までの国保被験者は「医療分」「後期高齢者支援分」に加えて「介護分」も納付します。 つまり、年齢が40歳以上になると保険料の負担が大きくなります。

年齢層国民健康保険料の内訳
39歳まで医療分 + 支援金分
40歳から64歳医療分 + 支援金分 + 介護分

札幌市が分かりやすい保険料の早見表を出していたので、その抜粋を以下に掲載します。 (札幌市は全国平均よりも保険料がやや高い地域です。)

所得とは、収入から必要経費などを差し引いた金額です。 個人事業主の場合、前年の所得に応じて保険料を算出することになります。 (収入 − 必要経費 = 所得)

北海道札幌市 平成29年度 一人世帯の場合

前年の所得39歳までの方の年間保険料40歳〜64歳の方の年間保険料
108万円約15万円約20万円
227万円約30万円約38万円
306万円約39万円約50万円
426万円約54万円約68万円
510万円約64万円約80万円
600万円約72万円約88万円
690万円約73万円約89万円

千円単位は四捨五入 詳細は平成29年度 国民健康保険料の目安 - 札幌市

この例でいうと、35歳の個人事業主の年間所得が510万円の場合は、 年間の国民健康保険料として約64万円納付することになるということです。 同じ所得金額の方が仮に50歳であれば、保険料は約80万円です。なかなか大きな負担ですね。

国民健康保険の保険料は市町村によって異なりますが、 上限金額は国が一律で定めています。年間の上限金額は89万円です(平成29年4月〜平成30年3月の場合)。

国民健康保険料の算定には、基礎控除(33万円)以外の所得控除が反映されないので注意が必要です。 青色申告特別控除も同様に、国保の計算には反映されません。

国民健康保険料は1年分をまとめて前納することができます。 地域にもよりますが、前納をすると大体1%の割引になるようです。

納付した保険料は社会保険料控除として控除できる

支払った国民健康保険料は、社会保険料控除として全額が所得から控除されます。下記の「各種控除」の部分に、この社会保険料控除が当てはまります。この控除額が多いほど、納める税金も少なくなります。 >> 個人事業主の所得控除一覧

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 課税控除額 = 所得税額
>> 個人事業主の所得税計算について

地方自治体の国保に加入している場合、保険料を正しく払っていれば、 お住まいの市区町村から「年間納付額のお知らせ」が送られてきます。 それぞれの自治体によって通知書の呼び方は様々なようですが、 いずれの場合も、確定申告時期の少し前の1月〜2月上旬にこのお知らせが郵送されます。 国民健康保険の場合は、国民年金のように「控除証明書」と呼ばれるものは基本的に発行されません。

個人事業主が確定申告で提出する確定申告書Bに社会保険料控除の記入欄があるので、そこに支払った金額などを記入します。自治体から送付されるお知らせをもとに、金額を書き込みましょう。 国民健康保険に関する年間納付額のお知らせは、原則的に確定申告の際に添付する必要はありません。

国民健康保険料の仕訳について

国民健康保険料は個人事業の支出ではなく、事業主本人の個人的な支出です。 ですので、帳簿に書き込む必要はありません。 例えば、事業用の銀行口座などから国民健康保険料を振替納付して、なんらかの形で帳簿づけが必要な場合には「事業主貸」の勘定科目で処理すればOKです。

複式簿記での仕訳例

日付借方貸方摘要
2017年1月31日事業主貸 30,000普通預金 30,000国民健康保険料

社会保険料の仕訳をもう少し詳しく

このように、国民健康保険料や国民年金、所得税、住民税などは、事業主個人のプライベートな支出と考えます。 ですので、帳簿づけの必要はありません。やむをえず記帳しておく必要がある場合は、 上述のように「事業主貸」の勘定科目を利用します。 これは事業用の銀行口座から事業主のポケットマネーを引き出した場合などに使う勘定科目です。

逆に、個人事業税や事業で使う資産の固定資産税や自動車税などの税金は、 個人事業の経費として計上できます。この場合は租税公課という勘定科目で仕訳をし、経費扱いできます。

>> 個人事業主が納付する税金の仕訳一覧
>> 社会保険料控除について - 国民健康保険と国民年金
>> 個人事業主の保険・年金・共済まとめ