借方(かりかた)貸方(かしかた) - 複式簿記の仕訳

借方と貸方を分かりやすく

借方・貸方と帳簿付けは理解しにくいクセモノなので、なるべくシンプルに説明します。
まず、借方・貸方という言葉の意味を考える必要はありません。
単純に「左に書いてあるのが借方、右に書いてあるのが貸方」と認識しておけばOKです。

左(借方)右(貸方)

このページでは、青色申告65万円控除を目指す方向けの複式簿記について解説しています。
白色申告、あるいは青色申告10万円控除の場合は、簡易な簿記(単式簿記)でOKです。簡易な簿記では、このページの内容を理解する必要はありません。

貸借対照表と損益計算書の構成 - これは丸暗記しておく

複式簿記の仕訳を理解するためには、
貸借対照表と損益計算書の配置構成、これを暗記しておきましょう。

貸借対照表でいえば、左にくるのが資産です。右に負債と資本がきます。
このポジションは決まっているものなので、暗記するしかありません。

そして、資産には現金や預金があり、負債には買掛金や未払金があります。
この配置を丸暗記しておくと仕訳がカンタンになります。(下記の「貸借対照表」)
実際にはもっと多くの勘定科目がありますが、いきなり全てを覚える必要はありません。
ここでは重要なものをピックアップして解説しています。

貸借対照表(バランスシート)

資産
(現金、預金、売掛金、固定資産など)
負債
(買掛金、未払金など)
資本
(元入金など)

ちなみに、青色申告者が確定申告で提出するものに「青色申告決算書」があります。
青色申告決算書の1ページ目が損益計算書、2~3ページ目は損益計算書の明細、4ページ目がこの貸借対照表です。(青色でも、10万円控除の場合は貸借対照表を作成しません)
>> 確定申告で提出する必要書類について

個人事業の事業年度は、1月1日~12月31日と決まっています。なので、確定申告で提出する貸借対照表は12月31日時点での、資産・負債・資本を表したものとなります。

必ず「資産 = 負債 + 資本」となり、左右が必ず一致するのでバランスシートとも呼ばれます。
(左は運用の結果、右は資金を調達する源泉、とも言えます。)
ちなみに元入金(もといれきん)とは、法人でいう資本金のようなもので、
事業主が用意した準備資金のことです。

損益計算書

費用
(交通費、消耗品費など)
収益
(売上高)
利益

次に「損益計算書」を見てみましょう。
収益とは、売上のことです。収益から費用をひいたものが利益ですね。
なので、この表も「利益 + 費用 = 収益」で、左右がそろいます。

損益計算書は、1年間の収益・費用・利益の明細です。
これを見ればなぜお金が入り、なぜお金が出たのかが分かります。
損益計算書では、なぜ利益を得ることができたかが分かりますが、
貸借対照表だけでは「なぜ」が把握できません。

帳簿づけの例

先ほどの貸借対照表と損益計算書の配置構成を、まず暗記します。
そのうえで、帳簿づけをするときには「増えたらそのまま、減ったら逆側につける」
これを覚えておけばOKです。

例えば、資産である「現金」は、貸借対照表の左側にありましたね。
なので現金が増えたら、そのまま機械的に左側へ増えた現金をつけます。
逆に、現金が減ったら、右側へ現金をつけます。
仕訳例を順番に見ていきましょう。

仕訳例1) 現金で売上高100円を得た

借方貸方
現金 100売上高 100

現金は資産であり、左側に位置していましたね。
なので、現金が増えたのであれば機械的に現金を左側につけます。
すると、現金を得た理由の「売上高」が自動的に右側にきます。
確認のため損益計算書を見てみると、収益である売上高の位置(右)と一致しています。

仕訳例2) 現金で交通費200円を支払った

借方貸方
交通費 200現金 200

現金は資産なので、増えたら左側にくるのですが、今回は現金が減ってしまいます。
なので「増えたらそのまま、減ったら逆側につける」にしたがって、現金を機械的に右側につけます。 そして、現金が減った理由の交通費を左につけます。
一応、損益計算書を確認してみましょう。費用である交通費は左に位置していますね。
「交通費という費用が増えている」ので、そのまま左の位置で合っています。

例3) 売上高300円を掛売りした場合

次は、掛売りの場合です。つまり、取引発生日(売上が確定した日)と、実際にお金を支払ってもらう日付けが異なる場合です。
この場合は、取引発生日と実際に現金が動く日付で、計2回帳簿づけします。

日付借方貸方
3月15日売掛金 300売上高 300

まず、売掛が発生した日付で、売掛金(将来入るお金としての資産)は増えるわけですね。
なので、増えた売掛金は左につけます。そして、売掛金の理由としての売上高は右につけます。

日付借方貸方
4月30日現金 300売掛金 300

次に、売掛金を回収できる日づけで、実際に現金が増えるので左に現金をつけます。
そして、現金が増えた理由としての売掛金を右につけます。
(「売掛金は現金に化けることによって減る」わけなので、本来とは逆の右につけるのです。)

>> 単式簿記と複式簿記の違い - 簡易な簿記と正規の簿記
>> 個人事業の簿記・帳簿づけに関するまとめ