小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除とは、規定された共済契約・個人型年金・心身障害者扶養共済制度の掛金を支払った場合に受けられる控除です。
その年に払った掛金の全額が控除できます。

  • 共済 = 相互扶助団体のこと
  • 掛金 = 保険料のこと

ここでいう個人型年金は、国民年金とは関係ありません。
国民年金や国民健康保険は、「社会保険料控除」の対象になります。
>> 個人事業主の社会保険料控除について

小規模企業共済等掛金控除の対象になる掛金は?

この「小規模企業共済等掛金控除」として控除できる掛金は、次の3つに限られています。

  1. 中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約の掛金
  2. 個人型年金加入者掛金
  3. 心身障害者扶養共済制度の掛金

厳密に言うと、以下の掛金のことを指します。

  1. 小規模企業共済法に規定する共済契約の掛金
  2. 確定拠出年金法に規定する個人型年金の加入者掛金
  3. 心身障害者扶養共済制度の掛金

「小規模企業共済」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の掛金は、この小規模企業共済等掛金控除として全額が控除されます。 それぞれの特徴を順番にみていきましょう。

小規模企業共済とは?

小規模企業共済とは、個人事業主や小規模企業の役員が共済金を積み立てて、
退職時などにそれまで積み立てた共済金を受け取れる共済制度のことです。

中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)が運営しています。

加入資格のある個人事業主

  • 建設業、製造業、運輸業、宿泊業、娯楽業、不動産業、農業などで、 従業員の数が20人以下の個人事業主
  • 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で、 従業員の数が5人以下の個人事業主
  • 上記のいずれかに当てはまる個人事業の共同経営者 (個人事業主1人につき2人まで)

掛金は月1,000円〜月70,000円の範囲で選ぶことができ、掛金の全額が控除対象になります。 年額にすると12,000円〜840,000円です。これが小規模企業共済等掛金控除として、全額控除できます。

小規模企業共済に満期や満額はなく、途中で掛金の増額や減額を500円単位で行うことができます。加入時に1年分の掛金を一括で前払いした場合は、支払った掛金の全額を支払った年の控除対象にできます。 最初だけ1年分の一括払いにして、1年後から毎月払いに変更するということも可能です。

解約をする場合、掛金の納付月数が240ヶ月(20年)未満の場合は、
受け取れる解約手当金が掛金の残高を下回ります。

また、契約してから1年未満で解約をする場合は、解約手当金は全く受け取れません。

ちなみに、同じく中小機構が運営する「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、 小規模企業共済等掛金控除には含まれません。 経営セーフティ共済の掛金は、控除ではなく必要経費として計上します。 小規模企業共済と中小企業倒産防止共済の仕訳方法については、下記のページをご参照下さい。
>> 小規模企業共済・中小企業倒産防止共済の仕訳方法について

確定拠出年金とは?

確定拠出年金とは、公的年金に加えて給付を受けられる私的年金のひとつです。 国民年金基金のように、国民年金の上乗せとなる私的年金で、日本版401k・DCとも呼ばれます。2001年10月からスタートしました。

確定拠出年金には、個人型と企業型の2種類があり、個人事業主が加入できるのは個人型です。 2016年9月16日には愛称が決定し、この個人型確定拠出年金のことを「iDeCo(イデコ)」と呼ぶようになりました。 iDeCoの実施主体は国民年金基金連合会です。

iDeCoでは、投資信託などから自分で投資商品を選んで運用します。将来的な受取額は、自分が選んだ商品次第で変わってきます。 いくつかの金融商品を組み合わせることができ、運用商品の配分は1%単位で設定できます。途中で運用商品を変えること(スイッチング)も可能です。

個人事業主の場合、掛金は月5,000円〜月68,000円の範囲内で、1,000円単位で自由に設定できます。年額にすると60,000円〜816,000円です。(会社員の場合は、月5,000円〜月23,000円) ただし、国民年金付加保険料(400円)を支払っている場合や、国民年金基金に加入している場合は、 それらと合算して、月68,000円が限度となります。掛金額の変更は、1年に1回のみ可能です。

確定拠出年金の主なメリット・デメリット

メリットデメリット
  • 掛金が全額控除され、節税になる
  • 運用益は非課税
  • 受給時に退職所得控除や公的年金等控除の対象になる
  • 60歳まで掛金を引き出せない(支払い停止は可能。)
  • 投資リスクは自分で負う
  • 管理コストがかかる

確定拠出年金の掛金は、全額が所得控除され、所得税と住民税が軽減されます。 運用で得られた利息、配当金、売却益等は全て非課税となり、そのまま次の運用資金として活用できます。 年金で受け取る場合には公的年金等控除の対象となり、一時金で受け取る場合には退職所得控除の対象となります。 このように、拠出時、運用中、給付時のすべての期間で税制上の優遇があります。

確定拠出年金は、60歳までは途中解約ができず、掛金を引き出すことができません。これが最も大きなデメリットです。(ただし、死亡や高度障害等の場合には、引き出し可能に。)60歳時点で確定拠出年金制度への加入期間が10年に満たない場合は、受給開始年齢が段階的に引き上げられます。(50歳までに加入すれば、60歳から受け取り可能です。)

上述のように、iDeCoでは運用商品を自分で選択する必要があります。投資先を自分で選んで、元本割れするリスクも負うことになります。(元本が保証されている商品もあります。)

また、少額ですが、加入時や運用期間中などに手数料がかかります。 加入時と運用時に最低限かかる手数料としては下記のものがあり、 あとは運用管理を任せる金融機関に応じて手数料が異なります。

内容金額
加入時手数料2,777円 (初回のみ)
国民年金基金連合会手数料月103円 (年間1,236円)
事務委託先金融機関手数料月64円 (年間768円)

2017年1月からはiDeCoの対象者が大幅に拡大され、今まで加入できなかった企業年金加入者(会社員)・公務員・第3号被保険者(専業主婦等)も加入できるようになりました。つまり、20歳以上60歳未満の方なら、ほとんど誰でもiDeCoに加入できるということです。(20歳未満であっても、厚生年金被保険者であれば加入できます。)

>> 利益が多い個人事業主の節税方法
>> 最高12万円の生命保険料控除について
>> 所得控除の種類一覧へ