個人事業税の計算について

個人事業税の計算

個人事業税の厳密な計算式

個人事業税の厳密な計算式は、以下のようになります。

個人事業税の計算式
(事業所得 + 所得税の事業専従者給与(控除)額 − 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額 + 青色申告特別控除額 − 各種控除 ) × 税率 = 個人事業税の税額

以上が東京都主税局が公式に発表している計算式ですが、分かりにくいかと思います。
計算式を簡単にすると以下のようになります。

個人事業税の計算式(簡易版)
(収入 − 経費 − 専従者給与等 − 各種控除)× 税率 = 個人事業税

計算式の中で出てきた用語については、以下を参考にして下さい。

事業所得収入 − 経費 − 専従者給与等 − 青色申告特別控除 = 事業所得
不動産所得がある場合は、その金額も含みます。
(雑所得が課税対象とされる場合もあり。)
専従者給与
専従者控除
家族従業員に支払う給料のこと
(白色申告の場合は、専従者給与ではなく専従者控除)
一定額を必要経費として控除できます。
青色申告特別控除青色申告者にのみ適用される特別控除(10万円 or 65万円)
青色申告特別控除は個人事業税には適用されません。(計算式中で相殺されています。)
各種控除事業主控除290万円は、全ての個人事業主に一律で適用されます。
(ただし年の途中で開業した場合などは、290万円の月割となる)
事業主控除とは別に、繰越控除というものもあります。(詳細後述)
税率3~5%(業種によって異なる。)

事業所得とは、厳密に言うと下記のように計算します。
収入 − 経費 − 専従者給与(控除) − 青色申告特別控除 = 事業所得
専従者給与や青色申告特別控除も差し引いた金額が、事業所得なのです。

しかし、個人事業税では青色申告特別控除が適用されないので、
事業所得の計算の中で一度差し引いた青色申告特別控除を、
もう一度計算で足して、無いこと(ゼロ)にするという計算式になっているわけです。
なので、冒頭で挙げた東京都主税局の計算式には青色申告特別控除が計算式の中に入っています。

そこからさらに、各種控除を差し引いた金額が課税対象になります。
これに業種によって異なる税率をかけて、個人事業税の金額を算出します。

計算式の「各種控除」とは?

個人事業税の計算でいう各種控除とは、所得控除とは異なります。
各種控除とは、以下の事業主控除と繰越控除を指します。

事業主控除290万円

  • 年間290万円(営業期間が1年未満の場合は月割額)

この事業主控除(290万円)は全ての事業主に適用されます。
なので、収入から経費を差し引いた後の金額が290万円以下であれば、
自動的に個人事業税も支払う必要がないことになります。

個人事業税を支払う必要がない事業主も多いということです。

繰越控除

  • 損失の繰越控除(青色申告者で、赤字となった時)
  • 被災事業用資産の損失の繰越控除(白色申告者で、震災などによって損失がある時)
  • 譲渡損失の控除と繰越控除(機械などの事業用資産を譲渡したために損失が生じた時)

個人事業税の税率について

最後にかける税率は、業種によって異なります。
ただ、ほとんどの業種は5%だと思っておきましょう。

業種によって異なる個人事業税の税率
個人事業税の税率(東京都の場合) - 東京都主税局

一部の特殊な業種のみ3~4%の税率となっていますが、
多くの業種の個人事業税の税率は5%となっています。
簡単にまとめると下記のようになります。

税率業種
5%その他、多くの業種
4%畜産業・水産業・薪炭製造業
3%あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他の医業に類する事業と装蹄師業
(個人事業税の課税対象にならない業種もあるが、ほとんど多くの事業は課税対象)

個人事業税の計算例

年間収入1,000万円 経費400万円 専従者なし 青色申告特別控除65万円 料理店業(税率5%)
この場合で、個人事業税を計算してみましょう。
冒頭であげた個人事業税の計算式に当てはめていきます。

個人事業税の計算式
(事業所得 + 所得税の事業専従者給与(控除)額 − 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額 + 青色申告特別控除額 − 各種控除 ) × 税率 = 個人事業税の税額

まず、事業所得を算出します。
1,000万円 − 400万円 − 65万円 = 535万円
(収入から必要経費と青色申告特別控除を差し引いたものが事業所得です。)

今回は「専従者なし」なので、計算に専従者給与額などは関係ありません。
個人事業税に青色申告特別控除は適用されないので、
事業所得に青色申告特別控除(65万)を足して相殺し、事業主控除(290万)を差し引きます。
535万円 + 65万円 − 290万円 = 310万円

「料理店業」は個人事業税の税率が5%なので、310万円に5%をかけます。
310万円 × 0.05 = 15万5千円
この場合、15万5千円を個人事業税として納付します。

簡易版で計算しても同じことになります。

個人事業税の計算式(簡易版)
(収入 − 経費 − 専従者給与等 − 各種控除)× 税率 = 個人事業税

1,000万円 − 400万円 − 290万円 = 310万円
310万円 × 0.05 = 15万5千円

2月~3月に確定申告を出していれば、その内容が国税庁から地方自治体に伝達されます。
そして少し期間を経て、8月頃に都道府県税事務所から個人事業税の通知が郵送されます。
詳しくは下記ページをご覧ください。

>> 個人事業税とは 計算方法や税率・290万円の控除について