個人事業税とは?計算方法や税率・290万円の控除など

更新日 2026年8月07日

個人事業税とは

個人事業税とは?

個人事業税は、個人事業で稼いだ金額(事業所得)に課される税金です。納付が必要な人には8月頃に納付書が届くので、それに従って納付します。

対象者 前年の事業所得が一定額を超えた人
おおまかな
計算方法
(事業所得 − 事業主控除) × 税率 = 納税額
事業主控除は原則290万円(開業年などは月割り)
税率 ほとんどの業種は5%
納付時期 8月・11月

ちなみに、個人事業税の納税額は必要経費に計上できます。納付したら「租税公課」の勘定科目で帳簿付けしましょう。

個人事業税の計算方法 - 290万円の控除あり!

個人事業税は、自治体から届く納付書にしたがって納めるので、自分で納税額を計算する必要はありません。ただ、「大体いくらになるか知りたい」という場合は、以下の式でおおまかな金額を確認できます。

個人事業税の計算式【簡易版】
(収入 − 必要経費 − 事業主控除 − 繰越控除)× 税率 = 個人事業税

※ 青色申告特別控除は適用できない

計算式に出てくる項目は、それぞれ下記のような意味です。

事業主控除 全員が適用できる控除
控除額は最大290万円(営業期間が1年未満の場合は月割)
繰越控除 過去の損失を繰り越している人が適用できる控除
青色申告の「純損失の繰越」などを利用していなければ関係ない
税率 3〜5%(業種によって異なる)
詳しくは後述

事業主控除の控除額は、1年のうちの営業月数によって異なります。1年まるまる営業していた場合は290万円ですが、年の途中で開業した場合などは控除額が下がります。

事業主控除の控除額

1ヶ月 242,000 7ヶ月 1,692,000
2ヶ月 484,000 8ヶ月 1,934,000
3ヶ月 725,000 9ヶ月 2,175,000
4ヶ月 967,000 10ヶ月 2,417,000
5ヶ月 1,209,000 11ヶ月 2,659,000
6ヶ月 1,450,000 12ヶ月 2,900,000

ちなみに、個人事業税では「青色申告特別控除」を適用できません。そのため、青色申告特別控除を適用後の「事業所得」をベースにして計算する場合は、青色申告特別控除を足し戻す必要があります。このような理由で、厳密な計算方法はかなり複雑になっています。

個人事業税の厳密な計算式
(事業所得 + 青色申告特別控除額 + 所得税における専従者給与or専従者控除 − 個人事業税における専従者給与or専従者控除 − 事業主控除 − 繰越控除)× 税率 = 税額

参考:個人事業税の計算式 - 東京都主税局

所得税における事業所得には、青色申告特別控除が適用されている場合があるので、まずはそれを足し戻します。また、専従者給与専従者控除は、所得税と個人事業税で微妙に扱いが異なるため、こちらもわざわざ「足し戻してから引く」という計算をするわけです。(大抵の場合は前述の簡単な式でも同じ計算結果になります)

個人事業税の税率 - ほとんどの場合5%

個人事業税の税率は業種によって異なり、3%〜5%ですが、ほとんどの業種は税率5%です。

  • 税率5%......物品販売業・飲食店業・デザイン業など、多くの業種
  • 税率4%......畜産業・水産業・薪炭製造業
  • 税率3%......あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業と装蹄師業

個人事業税の課税対象にならない業種もありますが、多くの事業は課税対象です。

業種によってかわる個人事業税の税率

個人事業税の税率(東京都の場合) - 東京都主税局

個人事業税の計算例

たとえば、以下の条件で個人事業税を計算してみましょう。

  • 事業所得:400万円
  • 青色申告特別控除:65万円
  • 事業主控除:290万円
  • 専従者なし
  • 繰越控除なし
  • 税率:5%

ここでいう「事業所得」は、確定申告の際に計算した事業所得です。青色申告特別控除が差し引かれたあとの金額なので、まずはその分の金額を足し戻します。

400万円 + 65万円 = 465万円

ここから、事業主控除の290万円を差し引きます。なお、今回のように専従者も繰越控除もなければ、ほかに差し引く金額はありません。

465万円 − 290万円 = 175万円

最後に税率をかけます。税率は業種によって異なりますが、今回は一般的な飲食店や小売店を想定して5%で計算します。

175万円 × 5% = 87,500円

したがって、このケースの個人事業税は87,500円です。なお、先述のとおり、個人事業税は自治体から届く納付書にしたがって納付するので、自分で金額を計算する必要はありません。最終的には、届いた納付書で金額を確認しましょう。

個人事業税の納付時期は8月と11月

個人事業税の納付期限日は、通常8月末日と11月末日です。 納付期限日が土日祝日と重なる場合は、翌平日に期限日がずれます。振替の場合には、それぞれの納付期限日が振替日となります。

個人事業税の納付期限日

第一期分 第二期分
8月31日 11月30日

※ 土日祝の場合は翌平日

忙しい自治体では送付が遅れることもあり、その場合は9月以降に通知書が送付されるのを待ってから納税すれば問題ありません。 送付が遅れる場合には、納付期限日も延長されます。

個人事業税の納付方法

個人事業税の納付方法は、自治体によって異なる場合もありますが、たいていは銀行・コンビニ・オンラインなどで納付できます。事前申請しておけば、口座から自動的に引き落としてもらうことも可能です。

個人事業税の主な納付方法

  • 銀行などの窓口で納付
  • コンビニ納付
  • クレジットカード納付
  • QR決済アプリ納付
  • 振替納付(納付期限日に振替)

※ 自治体によって異なる場合もある

クレジットカード納付する場合は「地方税お支払サイト」を使います。なお、クレジットカード納付には手数料がかかるので注意しましょう。具体的には、納付額が1万円以下なら37円、以降1万円ごとに75円の手数料がかかります(税別)。

納付もれがなく、手数料もかからず、納付日は自動的に最も遅くできるという点で、おすすめは口座振替です。たとえば東京都の場合、東京都主税局の専用サイトから、口座振替のWEB申し込みができます。原則として、口座振替を開始しようとする月の当月の10日までの申請で適用されます。

個人事業税の仕訳方法 - 租税公課で経費計上

個人事業税を納付したら、その納税額は必要経費として計上できます。 経費の勘定科目「租税公課」を用いて、下記のように帳簿付けします。

個人事業税を納付したときの仕訳例

日付借方貸方摘要
20XX年8月25日租税公課 100,000現金 100,000個人事業税の納付

これは複式簿記の場合の仕訳例で、租税公課という経費を10万円計上し、現金が10万円減ったということを表します。単式簿記の場合は、要するに個人事業税を払ったときは「租税公課」という経費の科目で記帳するということをおさえておけばOKです。

個人事業主が納める税金には、経費にできるものとできないものがあります。 個人事業税は経費にできますが、たとえば事業主の所得税や住民税は、経費計上できません。 もし所得税や住民税の納付額を帳簿づけする場合には「事業主貸」の勘定科目を用います。

個人事業税のポイントまとめ

  • 納税の必要がある事業主には通常8月に通知書が届く
  • 通知書にしたがって2回に分けて納めるのが基本
  • 納付期限日は通常8月末日と11月末日
  • 税率は3%〜5%で業種によって異なる(大抵は5%)
  • 年間290万円の控除があるので、低所得なら納めずに済む
  • 納付方法は銀行窓口、コンビニ、口座振替、クレカ、アプリなど
  • 納付した個人事業税は「租税公課」の科目で経費計上できる

個人事業税は地方税なので、納付方法の選択肢は自治体の準備次第です。金融機関の窓口納付・コンビニ納付・振替納付は標準的ですが、クレジットカード納付やアプリ納付の対応状況には、まだまだバラつきがあります。

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