貸倒金(かしだおれきん)

貸倒金と貸倒引当金

個人事業での貸倒金とは?

貸倒金(貸倒損失)とは、売掛金や未収入金、貸付金などが、得意先の経営悪化や倒産などにより回収不能となった損失金額のことを指します。

このように回収できなくなった損失金額については、
「貸倒金」として必要経費にすることが認められています。

貸倒金は、取引発生時の課税区分に応じて消費税区分を決定します。
>> 国税庁 - 青色申告の決算の手引き(一般用)VI 債権の貸倒れなどの整理

貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)とは?

回収不能となりそうな売掛金などを、
あらかじめ「貸倒引当金」として損失計上することができます。

例えば、見るからに得意先の経営状態が悪く、
ここからは売掛金を全て回収できそうにないな〜という場合
売掛金の一部をあらかじめ「貸倒引当金」の勘定科目で経費計上できます。

貸倒引当金とすることで損失を当期に計上することができるため、
節税につなげることが可能です。

貸倒引当金の対象となるものには、売掛金、未収金、貸付金などがあります。

貸倒引当金の対象になるもの貸倒引当金の対象にならないもの
  • 売掛金
  • 未収金
  • 受取手形
  • 事業上の貸付金
  • 一時的に生じた仮払金、立替金
  • 保証金、敷金、預け金など
  • 手付金、前渡金
  • プライベートでの貸付金

貸倒引当金の計算方法について

貸倒引当金には、大きくわけて2種類の計算方法があります。

1. 一括評価による繰入額(青色申告者限定)

こちらは青色申告者限定ですが、簡単です。
12月31日時点での売掛金、貸付金などの合計額に、5.5%をかけた金額を貸倒引当金として計上できます。

売掛金など × 0.055 = 貸倒引当金(一括評価による繰入額)

貸倒引当金の対象になる債権の金額に5.5%を乗じるだけです。
これが当期の必要経費として算入できるわけです。
(金融業の場合は5.5%ではなく、3.3%)

2. 個別評価による繰入額(青色・白色どちらでもOK)

こちらは、白色申告者・青色申告者どちらでも計上可能ですが、やや複雑です。
個別評価による貸倒引当金となる対象は、以下のとおりです。

  • 相手先から、5年以上先に弁済される予定の金額
  • 相手先の債務超過が長く続き、取り立て等の見込みがないと認められる金額
  • 相手先に、以下のことが生じている場合は、その金額の2分の1

    ・更生手続開始の申立て
    ・再生手続開始の申立て
    ・破産手続開始の申立て
    ・特別精算開始の申立て
    ・手形交換所による取引停止処分

個別評価の場合は、「個別評価による貸倒引当金に関する明細書」で繰入額を計算し、 確定申告書類と一緒に提出します。 個別評価による貸倒引当金の詳細については、以下のページをご確認下さい。 国税庁ウェブサイト - 個別評価による貸倒引当金の繰入れをする方へ

上記の、「一括評価の金額」と「個別評価の金額」の合計が、本年分の貸倒引当金になります。
一括評価による繰入額 + 個別評価による繰入額 = 貸倒引当金の繰入額

青色申告決算書 1ページ目青色申告決算書 2ページ目
貸倒引当金の繰戻額と繰入額 貸倒引当金 繰入額の計算

貸倒引当金繰入額は、貸し倒れを見込んで所得から差し引くものです。実際に貸し倒れにならなかった場合には、前年に所得から差し引いた分を所得に繰り戻します。そして残りの貸倒引当金があれば、改めて貸倒引当金を計算して貸倒引当金に繰り入れます。

>> 個人事業で使う必要経費の種類一覧へ