報酬が源泉徴収された場合の帳簿付けなど - もらう側のまとめ

報酬が源泉徴収された場合

個人事業主のあなたが外部から請け負って仕事をするときに、
以下の2つの両方が当てはまる場合には、クライアントに源泉徴収をしてもらうことになります。
以下の「2つ両方が当てはまる」場合というのがポイントで、
どちらかが当てはまらない場合には、基本的にクライアントが源泉徴収する必要はありません。
詳細は「源泉徴収が必要な報酬・料金等」「源泉徴収義務者」の各リンク先を確認して下さい。

この場合には、支払い元であるクライアントに源泉徴収をしてもらい、
あらかじめ源泉所得税を差し引いた金額を振込み(または現金支払いなど)してもらいます。

このようにして差し引かれる税金を「源泉所得税」と呼びます。
「源泉徴収された税金」「源泉徴収税額」などと表現されていることがありますが、
同じ意味でとらえて下さい。

上記した通り、クライアントが個人事業主の場合などは源泉徴収をする義務がないケースもあり、
その時には報酬そのままの金額を受け取って問題ありません。

報酬が源泉徴収されて支払われる例 - 源泉所得税の計算方法

例えば、10,000円の仕事を請け負った場合
源泉徴収税額の計算方法にしたがって報酬に税率をかけます。
(平成25年〜平成49年までは復興特別所得税が加算されるので、税率10.21%です。
この期間は税率10%ではないので注意!)

報酬 × 10.21% = 源泉所得税額(←支払い金額が100万円以下の場合はこの計算)
10,000 × 10.21% = 1,021円

この1,021円が源泉所得税となり、
あなたに仕事を発注した会社が、あなたに代わってあらかじめ国に納税することになります。

そして、この源泉所得税額を差し引いた金額が、
あなたに支払われる報酬となります。

10,000 − 1,021 = 8,979円

この場合は8,979円が、実際にあなたの預金口座に入金される、
もしくは現金として受け取れる金額となります。

源泉所得税は税金の前払いなので、
払いすぎた場合、確定申告をすればあなたに還付されます。
(払い過ぎた分が後で戻ってきます。)

源泉徴収されて支払われた報酬の帳簿付け

【複式簿記の場合の帳簿づけ例】
デザイナーがA社のデザインを100,000円で請け負った場合

白色申告、青色申告では基本的に発生主義で帳簿付けする必要があるので、
まず、仕事を終えて納品するタイミングの日付でこのように帳簿付けします。

借方貸方摘要
売掛金 100,000売上高 100,000A社 Bデザイン料金

そして、実際に現金が振り込まれた日付で以下のように仕訳します。

借方貸方摘要
普通預金 89,790売掛金 89,790A社 Bデザイン料金
売掛金 回収
事業主貸 10,210売掛金 10,210A社 Bデザイン料金
源泉所得税

クライアントであるA社が源泉徴収した金額10,210円は、事業主貸で計上します。
(事業主貸ではなく、仮払源泉税や仮払税金といった勘定科目で仕訳しても構いません。
その場合は、決算のタイミングで事業主貸へ清算をします。)

源泉徴収をしてくれた会社から送られてくる支払調書

仕事を発注してくれた会社から、翌年の1月頃に「支払調書」が送られてきます。
これに、その会社から実際に支払われた金額と源泉徴収された金額が記載されています。
ちなみに、支払調書を送るのは必ずしも義務ではないので、
会社によっては送ってこない場合もあるかもしれません。なければないで、OKです。

実際に、Amazonアソシエイトプログラムが、
業務簡素化のために支払い調書の送付を停止してちょっとした話題になりました。
しかし、先述の通りアマゾンが個人事業主へ支払調書を送る義務はありませんし、報酬を受けた個人事業主が支払調書を税務署へ提出する義務もないので、法的には何の問題もありません。

送られてきた支払調書は、
税務署に行って確定申告をする場合は添付書類台紙にのりづけして添付するものですが、
支払調書は添付しなければならないわけではありません。
(確定申告書に添付が義務付けられている書類は所得税法第120条に列挙されていますが、 支払調書はこれに該当しません)

添付が義務ではありませんが、慣例として添付されるものなので、
添付しないと税務署員から催促される場合もあるようです。
法的には提出の必要がありませんが、
あれば出し惜しみせず、添付して確定申告しましょう。
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数 - 国税庁ウェブサイト

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