電子契約とは?初心者向けのわかりやすい解説

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更新日 2022年8月17日

電子契約とは?初心者向けのわかりやすい解説

「取引先からいきなり電子契約を頼まれた」「ペーパーレスのために電子契約システムを導入したいがよくわからない」といった初心者向けに、電子契約の概要をわかりやすく解説します。

電子契約とは?

「電子契約」とは、紙の契約書を交わさずに、インターネットなどを介して結ばれる契約です。「オンライン契約」や「ネット契約」と呼ぶこともあります。広い意味では、メールやチャットで交わした約束なども電子契約に当てはまります。

電子契約の定義(広義・狭義)- 電子署名の有無

狭義には「電子契約=電子署名を用いた契約」と説明されることも多いです。「電子署名」によりデータの改ざんやなりすましを防止できるため、このような電子契約であれば書面での契約と同等の法的有効性を持つとされています。

オンラインで契約しても法的に問題ないの?

法律上、契約書のフォーマットは基本的に自由です(契約自由の原則)。ただの口約束ですら、当事者間の合意があれば「契約」になりえます。とはいえ、あとで争いになったら困るので、重要な取引ではきちんと記録した上で押印やサインを施すわけです。

オンライン契約と書面契約の違い(電子署名とは)

オンラインで交わす電子契約においても、重要な取引では「電子署名」を施すのが一般的です。民間のIT企業が提供している「電子契約サービス」を利用すれば、詳しい仕組みがわからなくても簡単に電子署名を付与できます。

>> 無料で電子署名を簡単に付与できるサービス【個人事業主向けの比較】

電子契約のメリット

書面契約と比較して、電子契約には次のようなメリットがあります。費用や時間を節約できるので、限られたリソースでやりくりする個人事業主や小規模企業にも電子契約がおすすめです。

電子契約の主なメリット

  • 送料や印紙代がかからない
  • 紙に貼ったり書いたりしなくてよい
  • 契約書の保管場所に困らない
  • インターネットで素早く締結できる
  • あとで検索しやすい
  • 電子署名により安全に保存できる

一般的な電子契約サービスであれば、大抵は電子署名にも対応しています。無料で電子署名を付与できて、初心者でも簡単に扱える個人事業主向けサービスとしては、以下の2つがおすすめです。

契約書の送受信が無料の電子契約サービス(電子署名も可)

GMOサイン ・送信は月5通まで無料
・受信は完全無料
・契約データのクラウド保存が無制限
みんなの電子署名 送受信が完全無料
・契約データのクラウド保存は1年間*無料
・クラウド保存機能は使わなくてもOK

*「みんなの電子署名」は、締結から1年以上経過した契約書のクラウド保存が有料(550円~/月)

まだまだ電子契約に不慣れな事業者も多いですが、近年は急速に普及が進んでいます。電子契約の性質上、取引先から取引先へと連鎖的に導入が求められるので、早いうちに導入しておいて損はありません。

電子契約に関するよくある疑問

Q. 電子契約だと、契約相手に負担がかかるのでは?
相手方に費用負担を強いる電子契約サービスはまず存在しませんから、費用面の心配はありません。労力面についても、メールのリンクから簡単に手続きできるサービスが一般的なので問題ないでしょう。
Q. ハンコの画像を用意しなきゃダメ?
不要です。印鑑やサインの画像を添付せずとも電子契約は可能ですし、法的有効性への影響もありません。一般的な電子契約サービスには印影を配置する機能もありますが、見栄えをよくするための意匠にすぎません。
Q. やっぱり紙の契約書には劣るんでしょ?
「電子署名法」対応サービスであれば、紙の契約書と同等の法的有効性を担保できるとされます。ただ、10年以上の電子契約に関しては更新手続きが必要な場合があるため、その点は書面契約に劣ります。他方で、契約にかかるスピードや保存管理の利便性ではむしろ電子契約のほうが優れています。
Q. 市販の電子契約サービスを使わないとダメ?
「電子署名法」や「電子帳簿保存法」などの各法令に対応したシステムを自前で用意するのは困難です。通常のメール文面でも“広義の電子契約”にはあたりますが、裁判等で「最終的な合意」とみなされない懸念があります。万一の紛争に備えるなら「電子署名法」に対応したシステムを利用すべきです。
Q. どのくらいお金がかかるの?
無料の電子契約サービスを上手に活用すれば費用はかかりません。一般的な有料プランの相場は概ね「10,000円/月」です。freeeサインマネーフォワード クラウド契約の個人事業主プランであれば「1,000円/月」程度に抑えられます。

ちなみに、ごく一部ではありますが、電子化が認められていない契約書もあります。下記の契約書に関しては、書面で作成する必要があります。

  • 事業用定期借地契約書
  • 農地の賃貸借契約書
  • 任意後見契約書
  • 訪問販売等の契約等書面
  • 企業担保権の設定又は変更を目的とする契約書

まとめ - 電子契約に関わる用語を整理

ビジネスで対外的に「電子契約」を交わす際は、改ざんやなりすましを防止するために「電子署名」を施すのが一般的です。市販の電子契約サービスを利用すれば、初心者でも簡単に「電子署名」を施せます。

用語集 - 電子契約関連でよく見かけるもの

電子契約 広義には電子データによる契約全般を指す。狭義には、とくに電子署名が施されたものをいう。
電子署名 改ざん・なりすまし防止のために付与されるデータ。主に「タイムスタンプ」や「電子証明書」が用いられる。
タイムスタンプ 暗号技術により「その時点でその契約書が存在したこと」を証明する仕組み(改ざん防止)。
電子証明書 暗号技術により「その契約書に誰が署名したか」を表示する仕組み(なりすまし防止)。
電子サイン 明確な定義はないが、タイムスタンプや電子証明書を用いないタイプの電子署名を指すことが多い(メール認証など)。
電子印鑑 明確な定義はないが、印影をスキャナ等で画像データに変換したものを指すことが多い。社内で稟議書等に用いられる。
立会人型 電子署名の際、当事者の指示により第三者である事業者が代わりに署名する方式をいう。「事業者署名型」ともいう。
当事者型 電子署名の際、当事者が直接署名を施す方式をいう。あらかじめ当事者本人が電子証明書を取得しておく必要がある。

電子契約には難しい用語が多いので、苦手意識を抱く人も多いかもしれません。しかし、きちんと法令に対応した電子契約サービスを使っておけば、細部まで理解していなくてもなんとかなります。無料で使えるサービスもあるので、まずは試してみるとよいでしょう。

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