個人事業の屋号の決め方・ネーミング

更新日 2024年7月25日

屋号の決め方について

個人事業を開業するにあたって屋号の考案に悩んでいる人は、ネーミングによる事業内容の伝わりやすさなど、以下のポイントを参考に屋号を考えてみてください。

屋号から事業内容を理解できる

屋号から事業内容が連想しやすい名前、自社サービスの強みがイメージしやすいネーミングは、それだけで営業面で有利に働くと言えます。

法人ですが「アサヒビール」のネーミングを例にとります。まず「ビール」という言葉で事業内容が連想できます。何を売り、どのような事業を主軸としているか、名前を見ただけで一目瞭然です。

アサヒビールは、焼酎・ワイン・その他の業務用商品も豊富に取り扱っていますが、あらゆるアルコール類の中でもビール製造に特化しているということが、名前からすぐに理解できます。このようなネーミングにすれば、事業名そのものが顧客からの認知に役立ち、営業をしてくれることになります。

商品イメージと企業名を結びつけて広告を大量に打てる大企業であれば、固有名詞のみのネーミングもインパクトがあって良いのですが、個人事業であれば、一見して事業内容が分かる「固有名詞+サービス名称」の屋号ネーミングは非常に有効です。
例)トヨタ自動車,コスモ石油,ヤマダ電機,積水ハウス,森永乳業,アルプス電気

読み書きしやすい名称を意識する

例えば、PIZZAをそのまま日本語で表すと「ピッツァ」と発音するのが近いのですが、「ドミノ・ピザ」や「ピザハット」などの大手企業は、あえて「ピザ」という言葉を選んでいます。

正確ではありませんが、大多数の日本人の感覚からすれば「ピザ」という語感の方が自然で、読み書きしやすいですね。しかし、実際にはこだわって「○○ピッツァ」などとネーミングしている団体もたくさんあるのです。

これでは呼びにくいし、領収証をお願いする時に毎回「ピザではなくピッツァでお願いします!」と言わなくてはなりません。サンドウィッチマン(グレープカンパニー)のコントを彷彿とさせます。事業運営を始めてから屋号が使われるシーンを想像して、呼びやすい名前にしましょう。

親しみがあり覚えやすい言葉

長すぎるネーミング、聞きなれない言葉の使用は避けたいところです。ただ、長いネーミングでも、スッキリ略せるのであればOK。例えば、アマゾンジャパンの正式名称は「Amazon.co.jp」。正式名称は少しややこしいのですが、「アマゾン」が通名になっています。

逆に、短い名前でも聞きなれない言葉は、やはり覚えにくいものです。パリの「シュルンベルジェ」は世界的な大企業です。ですが、日本人の私たちからすれば全く聞きなれない言葉なので、記憶の網になかなか引っかかりません。

さきほどの読み書き・呼び聞きの観点からも、シンプルで日本人に聞き慣れたネーミングを心がけてみましょう。

信用できるイメージをもたせる

法人と比べて、個人事業の大きなハンデのひとつは「信用」です。それでも、個人事業主がネーミングで打てる手として、屋号に「信用」や「事業の規模感」を感じられる言葉を結びつけるという方法があります。

オフィス●●、●●事務所、●●グループなど、このようなネーミングで、「信用できるイメージ、しっかりと事業運営しているイメージ」を演出することができます。

屋号に「オフィス」や「事務所」という言葉を使っても問題ありません。ただし「会社」「法人」など、会社であると誤認されるような文字を用いることはできません。また「銀行」や「労働金庫」などの文字を用いることも禁じられています。

グーグルで競合他社の有無を検索してみる


屋号の決め方のポイント

特に、インターネットで商売をする人、屋号を用いたブランドを構築予定の人は、自分で考案した屋号の候補をGoogleやyahooで検索して、ほかに同じネーミングですでに商売をしている競合がいないかをチェックしてみることも大切です。

顧客や取引先に、検索サイトから屋号を検索してきてもらいたい場合は、検索上位に入りやすい屋号にすることも重要です。ラーメン、デザイン、不動産、など、このようなありふれた普通名詞は「ビッグワード」と呼ばれ、これだけで検索上位に入ることは困難です。

屋号や店名を検索してみて上位表示させるためには、もともとの言葉を少しもじったオリジナルの言葉にするか、上述のように「固有名詞+サービス名称」などのネーミングにすることが有効です。
例)丸徳ラーメン、ナルトデザイン、立川不動産

例えば、このサイトは「個人事業主」とだけ検索すると検索結果の1位にこないことがありますが、「個人事業主メモ」と検索すると、必ず検索結果の1番上にくるはずです。

将来的に、グーグルなどの検索サイトから屋号や店名で顧客を誘導したい場合には、上位表示できそうな固有のネーミングにすることをおすすめします。

屋号を決める際のポイントまとめ

ビジネスにおいて有利に働く屋号を考える上で、5つのネーミングポイントをまとめておきます。

屋号を考える上でのポイント

  • 「固有名詞+サービス名称」の屋号ネーミングは非常に有効
  • 屋号が使われるシーンを想像して、読み書きしやすい名前にする
  • シンプルで、日本人に聞き慣れたネーミングを心がける
  • 「オフィス●●」など、信用できるイメージを演出する
  • 検索結果で上位表示できそうな固有のネーミングにする

上表のように、屋号に「オフィス」などの言葉をつけると、誠実な印象を与えることができます。ただ、「株式会社」など、法人と間違えられてしまうような言葉は使うことができません。

屋号に使える言葉屋号に使ってはいけない言葉
オフィス
事務所
商店
企画
デザイン
グループ
など
株式会社
会社
法人
財団
銀行
労働金庫
など

屋号がきまったら、個人事業主の1年間の過ごし方と、確定申告の仕方や時期について、おおまかに把握しておきましょう。

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