請求書に同封する送付状の書き方・記入例

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更新日 2022年1月06日

請求書に同封する送付状の書き方

取引先などへ請求書を送る際に同封する「送付状(そうふじょう)」の書き方や注意点について紹介します。送付状とは、書類の概要をひと目で把握してもらうに同封する書類です。「挨拶状」や「添え状」「カバーレター」などと呼ばれることもあります。

請求書を送付するときに送付状は必要?

取引先に請求書を送る際、請求書だけを送るのではなく、送付状を同封するのが一般的です。これは業界を問わず商慣習として行われていることです。思わぬところで取引先との関係を損なわないよう、ビジネスマナーとして同封しておきましょう。

送付状と請求書を封入

後ほど詳しく説明しますが、送付状と請求書を重ねて三つ折りにし、封筒にいれるケースが多いです。先方が三つ折りにしたものを開いたら、まず送付状から見えるようにしておきます。

そもそも送付状とは「送付者」「宛先」「封入した書類とその枚数」などを記載した、書類全体の概要を示すものです。同封した書類が全部で何枚あるのかを記しておくことで、書類を受け取った取引先が封入漏れをチェックできます。なお、電子メールで請求書を送るときは、送付状を作成する必要はありません。

送付状の書き方

送付状は、A4用紙1枚で仕上げるのが一般的です。送付状が複数ページになりそうな場合は、1枚にまとめられないかをまず検討しましょう。たとえば、請求書に同封する送付状であれば、下記のように作成します。

請求書に同封する送付状の例


請求書に添付する送付状

送付状の用紙は、請求書と同じサイズにしましょう。作成した請求書がA4サイズなら、送付状もA4サイズで作成するということです。なお、請求書に添付する送付状でも、記載する項目は特別なものではありません。以下、それぞれの項目に記載する内容です。

請求書に添付する送付状の記載項目

項目内容
① 日付送付日 or 記入日を記載する
② 宛先情報取引先などの会社名や担当名を記載する
組織宛なら「御中」を、個人宛なら「様」をつける
③ 請求者情報差出人である自分自身の情報を記載する
住所や電話番号を記載しておくと連絡が取りやすくなり親切
電話番号は携帯電話やIP電話の番号でもよい
④ タイトル送付状のタイトルを記載する
「請求書送付のご案内」「書類送付のご案内」など、簡単なものでよい
⑤ 本文挨拶と請求書を送付する旨を記載する
「拝啓」「敬具」などの頭語と結語を用いる
⑥ 記書き送付する書類とその枚数を記載する
「記」と「以上」を用いる

送付状を作成する際は、ネット上のテンプレートをダウンロードして使うのが手っ取り早いです。請求書作成サービスを提供している「Misoca(ミソカ)」のサイトでは、送付状のテンプレートを無料でダウンロードできます。

頭語(とうご)と結語(けつご)

手紙やはがきなどで文章の冒頭に用いるものを「頭語」、結びに用いるものを「結語」と呼びます。頭語と結語には、挨拶(いきなり本題に入るのは失礼にあたる)や、相手に対する尊敬の念を表明する意味などがあります(詳しくは後述)。

記書き(きがき)

「記」から始まり「以上」で締められる文章を「記書き」と呼びます。伝えたいことを分かりやすく伝えるために記載するのが「記書き」です。「記」と「以上」の間には、最も伝えたい情報(この場合は書類の名前と枚数)を記載しましょう。文書の種類が複数の場合は、箇条書きで記載します。

送付状の文例

請求書に添える送付状の場合、挨拶などの形式よりも内容自体が重要です。そのため、一文目で簡単に日頃の感謝を伝え、二文目に本題である請求書を送る旨を記載しましょう。

【文例①】一般的な請求書に同封する送付状

拝啓
平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。
請求書を送付いたしますので、ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
敬具

上記のように、改行して頭語と結語を入れると丁寧です。 以下のように、頭語の後ろ、または結語の前にスペースをおいて区切る方法でも構いません。

拝啓 平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。
請求書を送付いたしますので、ご査収の程よろしくお願い申し上げます。 敬具

【文例②】年の瀬に請求書を送るときの送付状

拝啓
本年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
先の取引について請求書を送付させていただきました。
ご査収くださいますよう、よろしくお願いいたします。
本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますと共に、
明くる年も変わらぬご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
敬具

例えば、請求書を送る日付が年の瀬の12月20日以降になった場合、上記のように年末の挨拶を文章中に含めておきましょう。

【文例③】新年最初に請求書を送るときの送付状

拝啓
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
先の取引について請求書を送付させていただきました。
ご査収の程、よろしくお願いいたします。
本年もより一層のご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具

新年の挨拶は「松の内」までにしておきましょう。松の内とは、正月の松飾りのある期間のことをさします。 全国的に、これは大方「1月7日」までという認識で問題ないでしょう。 それ以降になんらかの書類を送付する場合、新年の挨拶は省略して構いません。

松の内に関して、元来は1月15日までとされていましたが、昨今これがいつまでということは明確に定まっていません。 地域によって異なり、西日本は1月15日まで、東日本は1月7日までとする説もあります。 広辞苑には下記のように記載されています。

【松の内】
正月の松飾りのある間の称。もと元日から15日まで、現在は7日までともする。
広辞苑第七版より引用

宛先の敬称 -「御中」「様」どれを使う?

請求書の宛先情報には、敬称をつけて相手方に敬意を表します。このとき、会社や部署に対する敬称の「御中」と、個人に対する敬称の「様」「社長」「部長」などを併用してはいけません。

宛先別 正しい宛名の書き方例

会社や部署が宛先個人が宛先
  • 株式会社○○ 御中
  • 株式会社○○ ☓☓☓部 御中
  • ○○事務所 御中
  • 株式会社○○ 山田太郎 様
  • 株式会社○○ ☓☓☓部 山田太郎 様
  • 株式会社○○ ☓☓☓部 課長 山田太郎 様
  • ○○事務所 山田太郎 様

たとえば「株式会社○○ 御中 山田太郎 様」は、誤りです。「社長」や「部長」といった役職名も敬称にあたるので「株式会社○○ 御中 山田太郎 社長」もNGです。

頭語と結語 -「拝啓」や「前略」など

ビジネス文書のなかでも請求書や見積書は、挨拶よりも内容そのものが重視されます。ですから、時候の挨拶(「○○の候」など)は省いて構いません。ただし、頭語と結語はつけておきましょう。

頭語と結語は、それぞれ「こんにちは」「さようなら」などにあたる言葉です。頭語と結語の組み合わせは決まっており、必ずセットで用います。たとえば、頭語に「拝啓」を用いたら、結語には「敬具」を配置します。

頭語と結語主な使用ケース
謹啓 → 謹言かしこまった文書 (祝い状や詫び状など)
拝啓 → 敬具一般的な文書 (請求書や見積書など)
前略 → 草々前文を省略する文書 (取り急ぎの用件など)

一般的なビジネス請求書の送付状であれば、「拝啓 → 敬具」の組み合わせを使うパターンが多いです。

送付状と請求書の封入について

送付状と請求書がそろったら、重ねて封筒に入れます(請求書の書き方はこちら)。送付状は、いわば書類における表紙や目次のようなものです。郵送する場合でもFAX送信する場合でも、必ず送付状が一枚目として見えるようにします。

送付状と請求書を郵送する場合

送付状と請求書を封入

請求書の場合、書類のサイズは「A4」が一般的です。送付状と請求書を重ねたまま三つ折りにした状態で封筒に入れます(A4用紙を三つ折りにする方法はこちら)。

折る際は、まず先に用紙の下を内側に折り、次に上の部分を内側に折ります。文字面が内側になるので、折り終わったら外側の白い面しか見えない状態になります。こうしておくことで、先方が封筒を開いたときに用紙の上部が先に現れるようになります。

封筒のサイズは、三つ折りにした状態のA4用紙が入る「長形3号(120mm × 235mm)」がおすすめです。縦型・横型どちらでも構いません。封筒の表には「請求書在中」の印字をしておくのが好ましいです。A4用紙が合計4枚以内なら、84円切手で郵送できます。 >>請求書の送り方

まとめ - 請求書に同封する送付状について

ビジネスで取引先に請求書を郵送する際には、送付状を同封しましょう。 これは様々な業界で、商慣習として行われていることです。送付状を封入するほうが丁寧ですし、書類を受け取った相手が封入漏れを確認することにも役立ちます。

送付状の作成ポイント

  • A4用紙1枚で作成する(同封書類とサイズをそろえる)
  • 請求書に添える送付状なら「時候の挨拶」は省いてよい
  • ただし「頭語」と「結語」は必ずつける(拝啓・敬具)
  • 宛先が会社や部署などの組織であれば、宛名を「御中」の敬称で締める
  • 宛先が個人の場合や、担当者の名前まで書くなら「様」などの敬称で締める
  • 同封書類の一番上に送付状を重ねて、最初に見えるようにする

請求書や見積書のように情報を確認する書類の場合、形式的な挨拶よりも内容のほうが大切です。送付状の文章は長々と書くのではなく、記書きなどで簡潔にまとめて分かりやすいものにしましょう。

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