配当所得とは?確定申告の必要性や3つの課税方法

配当所得とは

配当所得とは?

配当所得とは、法人から受ける利益の配当、剰余金の分配などの所得のことです。 身近な例では「株の配当金」がこれにあたります。会社が利益を出した時に株主へ還元するお金が配当金です。

配当所得の具体例

  • 上場株式の配当
  • 非上場株式の配当
  • 剰余金の分配
    (法人が事業活動を通じて獲得した利益や資産の分配金のこと)
  • 公社債投資信託や公募公社債等運用信託以外の分配金
    (主に株式投資信託など株式が組み込まれている信託の分配金のこと)

確定申告の必要性について

配当所得はあらかじめ源泉徴収される

配当所得は、基本的には受け取るときにあらかじめ20.315%が源泉徴収されています。

源泉徴収の内訳
所得税と復興特別所得税(15.315%) + 地方税(5%)= 20.315%
(非上場株式の場合は、20.42%)

源泉徴収されるので、他の理由で確定申告をしなければならない人以外は、確定申告をする必要がありません。ただ、一定の条件を満たすと確定申告をした方がいい場合もあります。配当所得を受け取った時、どの方法を選んだらいいのか理解しておきましょう。

確定申告が必要な人とは?

株の取引に必要な口座は「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」「特定口座(源泉徴収あり)」の3つの中から選ぶことができます。この内、「一般口座」と「特定口座(源泉徴収なし)」を選んだ人は、確定申告が必要です。 特定口座とは、金融機関が利益と損失の計算をして「年間取引報告書」を作ってくれる取引専用口座のことです。

配当所得の3つの課税方法

配当所得には、3つの課税方法があります。それぞれの課税方法の特徴は下記の通りです。

概要主な対象者メリット
申告不要制度確定申告を行わないで源泉徴収のみで完結させる方法
  • 上場株式の配当金などを受け取る人(持ち株割合が3%以上の大株主をのぞく)
  • 非上場株式の配当金が年間10万円以下の人(少額配当)
確定申告の手間が省ける
総合課税確定申告のときに、配当所得を他の課税所得と合計し、所得税額を申告する方法
  • 上場株式の配当金などを受け取る人(持ち株割合が3%以上の大株主)
  • 非上場株式の配当金が少額配当ではない人
  • 配当所得を含めた課税所得が695万円以下の人(税金的に有利)
  • 配当控除を受けることができる
  • 株式を借入金で買った場合、借入金の利子を必要経費として差し引く事ができる
申告分離課税配当金を他の所得と合算せずに確定申告をする方法
  • 上場株式の配当金などを受け取る人(持ち株割合が3%以上の大株主をのぞく)
  • 株式投信や株式の売買など複数の取引をしている人
  • 株や株式投信の損失と上場株式の配当金を損益通算できる
  • 株式を借入金で買った場合、借入金の利子を必要経費として差し引く事ができる

課税方法の選び方

配当所得の種類によって、課税方法は選べます。

  • 上場株式の配当の場合、申告不要制度、総合課税、申告分離課税の3つから選べる
  • 上場株式の配当や非上場株式の配当の場合は、配当が年10万円以下(少額配当)であれば、申告不要制度か総合課税、申告分離課税を選べる
  • 上場株式の大株主(持ち株が3%以上)または、非上場の配当金を受け取った場合(少額配当以外)は、総合課税となる

総合課税を選ぶメリット - 「配当控除」について

申告のときに、あえて総合課税を選び確定申告をするメリットは、「配当控除」を受けられるということです。

配当控除とは?

配当控除は、「総合課税」を選択した場合にのみ、受けられる税額控除です。総合課税は前述の通り、配当所得以外の所得も合計した上で、所得税額が決まります。なので、どのくらい控除されるのかは配当所得以外の所得との合計によって違ってきます。

確定申告をした方が得になる場合

総合課税を選んだ場合、配当所得とその他の所得を合算して「超過累進税率」を適用します。所得が増えるごとに段階的に税率が引き上げられることを超過累進税率といいます。 所得税率の詳細はこちら

本来であれば配当所得を申告する義務のない人でも、申告することによって税金が戻ってくる場合があります。下記の表を見て分かる通り、課税所得が695万円以下の人は、配当控除を利用すると実効税率が7.2%~17.41%となります。通常の源泉税が20.315%なので、その分の差額が還付されるというわけです。

課税所得(配当所得を含む)実行税率(配当控除を適用した場合)
195万円以下7.2%
330万円以下7.2%
695万円以下17.41%
900万円以下20.473%
1,000万円以下30.683%
1,800万円以下37.188%
1,800万円超44.335%

申告分離課税を選ぶメリットとデメリット

申告分離課税のメリット

前述の表の中に書いてある通り、申告分離課税を選択した場合は、株や株式投信の損失と上場株式の配当金を、損益通算できるというメリットがあります。

例えば、株の配当金で50万円を受け取り、株の売買で30万円の損失があった場合、利益の50万円から30万円の損失を引くことができるのです。 このように損益を通算することによって、差益のみに課税されるという点が、申告分離課税のメリットです。 また、損益通算をして損失の方が大きかった場合には、マイナス分を3年間繰り越すことができます。

申告分離課税のデメリット

申告分離課税を選択した場合は、総合課税のように配当控除が適用されません。 また、年間の配当金の全額を申告分離課税にしなければならないというデメリットもあります。

まとめ

配当所得は、あらかじめ源泉徴収されているので確定申告の必要はありません。 ただし、個々の状況によって課税方法を次の3つから選ぶことができます。 「申告不要制度」「総合課税」「申告分離課税」の3種類です。

総合課税は「配当控除」を受けるメリットがあるのでした。 また、配当所得とそれ以外の所得の合計が695万円以下であれば、税金が戻ってくる可能性もあります。

申告分離課税は、配当金の損益通算ができるので、株式の売買差益での損失がある人にとっては、選択すべき課税方法と言えます。 一概に申告をしない方が良いというわけではないのです。

確定申告の時期が来たら、個々の状況に応じて、必要な手続きを選択しましょう。 また、確定申告をする場合には、株式投資会社などからの「支払通知書」が必要になります。「支払通知書」が届いたら、大切に保管しておきましょう。

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