一時所得とは?計算方法や課税方法について

一時所得とは

一時所得とは?

一時所得とは、以下の性質を持たない一時的な所得のことをいいます。

一時所得は下記2つの性質をもたない

  • 継続的な営利行為から生じた所得
  • 業務や資産譲渡の対価としての所得

下記のように「思いがけず得るお金」や「保険契約に基づく一時金」などが、一時所得とされています。

一時所得の具体例

  • 法人から贈与された金品 (業務に関して受けるものを除く)
  • 遺失物を拾って届けたり、埋蔵金を発見した時に受け取る報労金
  • 懸賞や福引に当たった時の賞金
  • 競馬や競輪の払い戻し金
  • 生命保険契約に基づく一時金
  • 損害保険契約に基づく一時金
  • 死亡後3年を超えて支給が確定した退職金

非課税になる一時所得の具体例

  • 宝くじの当選金
  • ノーベル賞の賞金
  • 心身や資産の損害により支払われる損害賠償金や損害保険金
  • 選挙活動に関わる法人からの贈与で、一定の条件を満たしたもの

一時所得の計算方法

総収入金額から「収入を得るために支出した金額」と「特別控除額(最高50万円)」を差し引いた金額が、一時所得の金額となります。一時所得の計算式は、以下の通りです。

一時所得の計算式
総収入金額 – 収入を得るために支出した金額 – 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

収入を得るために支出した金額とは?

例えば、生命保険が満期になったときに受け取る一時金の場合は、 それまで月々支払っていた保険料が「収入を得るために支出した金額」となります。

競馬に当たった場合は、当たったレースの馬券購入費のみが「収入を得るために支出した金額」とされます。 それまでに購入したハズレ馬券の購入費は「収入を得るために支出した金額」には含まれません。

一時所得の「特別控除額」とは?

一時所得の特別控除額は、最高50万円です。「総収入金額」から「収入を得るために支出した金額」を差し引いた後の金額が50万円未満の場合は、その金額が特別控除額となります。

例えば、生命保険の満期時に200万円を受け取り、それに対する支払い保険料が180万円だった場合、 受け取り額200万円から、経費である180万円を差し引くと、残額は20万円になります。 この場合、20万円が控除額になります。

一時所得は内部通算できるが、損益通算はできない

一時所得が複数ある場合、「収益のある一時所得」から「損失のでた一時所得」を差し引くことができます。このように、一時所得で互いに行う損益通算を「内部通算」といいます。一時所得は、特別控除を差し引く前の段階で、内部通算ができます。

例えば、生命保険に2つ加入していた場合を見てみましょう。

  • 生命保険① 受け取った満期保険金が800万円、掛金合計額が650万円 → 150万円のプラス
  • 生命保険② 解約返戻金が300万円、掛金合計額が350万円 → 50万円のマイナス

上記の生命保険①と生命保険②を、内部通算できます。
総収入額 800万円 + 300万円 = 1,100万円
収入を得るために支出した金額 650万円 + 350万円 = 1,000万円
1,100万円 – 1,000万円 = 100万円
100万円が一時所得額となり、この金額から特別控除額50万円を差し引くことができます。

損失額の方が収益を上回った場合、一時所得はマイナスになります。ただし、一時所得は他の所得との損益通算はできません。一時所得がマイナスになったとしても「0」とみなされます。

一時所得は総合課税の対象 - 一部は源泉分離課税

一時所得にかかる税金

一時所得は、総合課税の対象です。 一時所得の金額の1/2に相当する金額を、事業所得などの他の所得金額と合計します。 こうして総所得金額を求めた後、納める税額を計算することになります。

他の所得と合計することになる一時所得の金額について
一時所得の金額 × 1/2 = 他の所得と合計することになる一時所得の金額

確定申告ができない一時所得

以下のものについては、源泉分離課税のため、確定申告はできません。 源泉分離課税とは、あらかじめ税金が源泉徴収されていて、受け取る時点では納税が完了しているものをさします。

  • 懸賞付き預貯金などの懸賞金
  • 一時払いの養老保険や一時払いの損害保険などで、一定の要件を満たすものの差益

>> 分離課税について

一時所得と雑所得の違い

一時所得と間違えやすい所得が「雑所得」です。 以下の表で、その違いをざっくりとおさえておきましょう。

一時所得雑所得
概要以下の性質をもたない一時的な所得
  • 継続的な営利行為から生じた所得
  • 業務や資産譲渡の対価としての所得
10種類の所得の内、他の9種類のどれにも分類できない所得
  • 法人から贈与された金品
    (業務に関して受けるものを除く)
  • 遺失物を拾って届けたり、埋蔵金を発見した時に受け取る報労金
  • 懸賞や福引に当たった時の賞金
  • 競馬や競輪の払い戻し金
  • 生命保険契約に基づく一時金
  • 原稿料や講演料
  • 印税
  • 公的年金による収入
  • 生命保険契約に基づく年金
  • 非営業用賃金の利子(法人役員の社内預金の利子など)
  • その他、副業的な収入(ネットオークションの売上など)
計算式総収入 – 収入を得るために支出した金額 – 特別控除額(最高50万円) = 一時所得 公的年金の場合
収入金額 – 公的年金等控除額 = 雑所得

公的年金以外の場合
収入金額 – 必要経費 = 雑所得
課税方法総合課税 or 源泉分離課税総合課税 or 源泉分離課税 or 申告分離課税

例えば、「作家が受け取る原稿料や印税」「講師が受け取る講演料」などは、雑所得に当てはまりません。 こういった場合は、事業所得に当てはまります。あくまでも、そういった仕事を生業にしていない方が、臨時的に受け取る謝礼などを雑所得と呼びます。

>> 雑所得とは? - 雑所得の定義や当てはまる所得の具体例など
>> 総合課税と分離課税の違い
>> 10種類の所得について