個人事業主が電子申告する方法【e-Tax】
更新日 2024年5月01日
- 電子申告の方法【おすすめフローチャート】
- ① 会計ソフトからそのまま
- ② マイナンバーカード方式(確定申告書等作成コーナー)
- ③ ID・パスワード方式(確定申告書等作成コーナー)
- スマホから電子申告できる?
- まとめ
電子申告の方法【おすすめフローチャート】
個人事業主が電子申告をする方法は、大きく3パターンに分けられます。下記のフローチャートを参考に、自分に適した電子申告のやり方を確認しましょう。
自分に合った電子申告のやり方はどれ?
- どの方法を選んでも税額に影響はない(どのやり方でも青色65万円控除は狙える)
- マイナンバーカードがない場合は③の方法しか選べない
- マイナンバーカードの発行には1~2ヶ月ほどかかる
- 「確定申告書等作成コーナー」とは、国税庁が運営するウェブサイトのこと
個人事業主が電子申告をする際は、マイナンバーカードを使ってオンラインで個人認証をするのが基本です。ただ、現状は「ID・パスワード方式」の手順ならマイナンバーカードがなくても電子申告できます(詳細は後述)。
従来、マイナンバーカードを読み取るには、パソコンに外付けするタイプの「ICカードリーダー」が必須でした。しかし、昨今ではスマホでマイナンバーカードを読み取れる場面が増えているので、ICカードリーダーが必要とは限りません。
① 会計ソフトからそのまま
- マイナンバーカード …… 必要
- ICカードリーダー ……… 基本的にスマホで代用可能(会計ソフトによる)
- 税務署での手続き ……… 不要
大手の会計ソフト(弥生・freee・マネーフォワードなど)なら、会計ソフトからシームレスに電子申告できます。この方法だと、国税庁のソフトやサイトは一切使いません。現状では、これが一番ラクな電子申告のやり方だと言えます。
電子申告のおおまかな手順(会計ソフトから申告する場合)
- 会計ソフトで確定申告書類を作成する
- 会計ソフトの画面から、電子申告用のソフトやアプリを起動する
- マイナンバーカードで個人認証をする
- 確定申告書類のデータを国税庁に送信する
たとえば、個人事業主向けクラウド会計ソフトの「freee会計」では、以下のような流れで電子申告できます。会計ソフトで作った申告書類を、同社が提供する「freee電子申告アプリ」という無料ソフトを使って送信します。
電子申告の流れ(freee会計の例)
確定申告書の作成 | 電子申告用ソフトの起動 | 申告データの送信 |
---|---|---|
「freee会計」では、同様の流れでスマホからも電子申告ができます。その場合は、スマホでマイナンバーカードを読み取るので、専用のICカードリーダーが要りません。このほか、たとえば「マネーフォワード」でも、ICカードリーダーなしで電子申告できます。
>> 会計ソフトのe-Tax対応まとめ - 弥生・freee・マネーフォワード
ちなみに、マイナーな会計ソフトだと、そもそも電子申告用のソフトやアプリが提供されていないケースも多いです。その場合は、代わりに国税庁の「e-Taxソフト」等を使うことになります。民間のソフトと比べると使い勝手が悪いので、初心者は少し苦戦するかもしれません。
② マイナンバーカード方式(確定申告書等作成コーナー)
- マイナンバーカード …… 必要
- ICカードリーダー ……… スマホで代用可能
- 税務署での手続き ……… 不要
マイナンバーカードを持っていれば、国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」から、すぐにでも電子申告ができます。ただ、申告書類の内容を手入力する必要があるので、会計ソフトを使うやり方と比べると手間がかかります。
電子申告のおおまかな手順(マイナンバーカード方式の場合)
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
- マイナンバーカードで個人認証をする
- 必要事項を入力して、確定申告書類を作成する
- 確定申告書類のデータを国税庁に送信する
この方法は、マイナンバーカードの情報を読み取って個人認証を行うことから「マイナンバーカード方式」と呼ばれています。後述の「ID・パスワード方式」とは、個人認証の方法が異なります。
電子申告の流れ(マイナンバーカード方式の手順)
提出方法の選択 | 個人認証 | 申告書類の作成 |
---|---|---|
※ 個人認証の画面は「2次元バーコード認証」を選択した場合のもの
従来、マイナンバーカードの読み取りには「ICカードリーダー」が必要でした。しかし、2022年からは「2次元バーコード認証」が可能になり、ICカードリーダーをスマホで代用できるようになりました。(一部、非対応のスマホもあるので要注意)
>> 確定申告書作成コーナーの「2次元バーコード認証」について - 自営百科
③ ID・パスワード方式(確定申告書等作成コーナー)
- マイナンバーカード …… 不要
- ICカードリーダー ……… 不要
- 税務署での手続き ……… 必要
マイナンバーカードがない場合は、この「ID・パスワード方式」でしか電子申告できません。税務署で事前にIDとパスワードを発行してもらい、それらを使って「確定申告書等作成コーナー」から電子申告します。
電子申告のおおまかな手順(ID・パスワード方式の場合)
- 税務署に出向いて「ID・パスワード方式」の利用手続きをする
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
- 税務署で発行されたIDとパスワードで個人認証をする
- 必要事項を入力して、確定申告書類を作成する
- 確定申告書類のデータを国税庁に送信する
事前の手続きは5~10分ほどで終わりますが、確定申告時期が近いと税務署が混雑するので注意しましょう。IDとパスワードを発行したら、自宅のパソコンから以下のように操作していきます。
電子申告の流れ(ID・パスワード方式の手順)
提出方法の選択 | 個人認証 | 申告書類の作成 |
---|---|---|
ちなみに「ID・パスワード方式」は、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な制度です。いつまでも利用できるとは限らない、という点に留意しておきましょう。
スマホから電子申告できる?
個人事業主の電子申告は、パソコンから行うのが基本です。しかし、e-Tax対応の進んだ会計ソフトを使えば、スマートフォンから電子申告できる場合もあります。
個人事業主の電子申告【パソコン or スマートフォン】
会計ソフト | 確定申告書等作成コーナー | ||
---|---|---|---|
マイナカード方式 | ID・パスワード方式 | ||
パソコンから 電子申告 |
○ | ○ | ○ |
スマホから 電子申告 |
△ ソフトの対応状況による |
× | × |
大手メーカーの会計ソフトだと、たとえば「freee会計」と「マネーフォワード クラウド確定申告」がスマホ申告に対応しています。ただ、スマホでマイナンバーカードを読み取るので、手持ちのスマホがマイナンバーカードの読み取り対応機種であることが前提です。
>> クラウド会計ソフトのe-Tax対応まとめ【比較一覧表】
「確定申告書等作成コーナー」はスマホからもアクセスできますが、スマホ版は今のところ会社員などの確定申告に特化したものになっています。事業所得や不動産所得の申告には対応していないので、個人事業主はパソコンから利用するしかありません。
まとめ
個人事業主が電子申告をする方法は、3つのパターンに大別できます。基本的には、どのやり方を選んでも問題ありません。
個人事業主が電子申告をする方法【e-Tax】
- 会計ソフトからそのまま電子申告する ←いちばんラク!
- 確定申告書等作成コーナーから「マイナンバーカード方式」で電子申告する
- 確定申告書等作成コーナーから「ID・パスワード方式」で電子申告する
電子申告のやり方によって、下記のように準備すべきものが異なるので注意しましょう。特に、マイナンバーカードは申請から発行までに1~2ヶ月ほどかかります。
電子申告に必要なもの
会計ソフトから そのまま |
確定申告書等作成コーナー | ||
---|---|---|---|
マイナカード方式 | ID・パスワード方式 | ||
マイナンバーカード | 必要 | 必要 | 不要 |
ICカードリーダー | スマホで代用可能 (会計ソフトによる) |
スマホで代用可能 | 不要 |
税務署での手続き | 不要 | 不要 | 必要 |
現状、最も手軽なのは「会計ソフトからそのまま電子申告をする」という方法です。大手メーカーのクラウド会計ソフトなら、帳簿づけ~申告書類の作成だけでなく、電子申告までシームレスに完結できます。
「確定申告の手間をできるだけ減らしたい!」という個人事業主は、クラウド会計ソフトの導入を検討しましょう。
電子申告がラクになる会計ソフト【大手3社の比較】
弥生 | freee | マネーフォワード | ||
---|---|---|---|---|
利用料金 (税込) |
白色:無料~ 青色:11,330円/年~ |
12,936円/年~ | 11,880円/年~ | |
帳簿づけ画面 | ||||
確定申告書類 作成画面 |
||||
電子申告 | パソコン | ○ | ○ | △ e-Taxソフトを使う |
スマホ | × 未対応 |
○ | ○ |
>> クラウド会計3社を徹底比較!- 弥生・freee・マネーフォワード
>> クラウド会計ソフトのe-Tax対応まとめ
>> 青色申告にオススメの会計ソフト【比較一覧表】