従業員の社会保険について - 個人事業の社会保険

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更新日 2022年4月06日

個人事業における従業員の社会保険

個人事業主が従業員を雇用する場合、従業員の健康保険(被用者保険)・厚生年金保険のことを考えておく必要があります。

社会保険の加入義務について

法人の場合は、たとえ経営者一人の会社であっても、社会保険の加入が義務づけられています。 一方、個人事業の場合は、必ずしも加入が義務づけられているわけではありません。

個人事業の場合、常時5人以上の従業員が働いているのであれば社会保険への加入が義務となります。 なお、従業員数5人以上でも任意適用となる業種もあります。 5人以上でも任意適用となる業種例は下記のとおりです。

従業員5人以上でも任意適用になる業種の例

  • 第一次産業(農林水産業)
  • サービス業(理容・美容業、旅館、飲食店、料理店、クリーニング店等)
  • 士業(社会保険労務士、弁護士、税理士等)
  • 宗教業(神社、寺等)

従業員数が4人以下の場合には、任意加入です。 事業主本人は、この人数にカウントしません。従業員の人数です。

任意適用の場合、従業員の半数以上の同意が必要

任意適用の場合でも、これらの社会保険に加入するには、 従業員の半数以上が社会保険の加入に同意することが、加入の必須条件となります。 こちらも事業主本人は除いた数です。

例えば、従業員が4人の場合で、3人が社会保険の加入に同意したとします。 この場合は社会保険に加入できます。 なお「半数以上」なので、従業員が4人であれば、2人の同意を得られれば加入できます。

従業員の半数以上の同意が得られれば、 「任意適用同意書」と「任意適用申請書」などを事業所を管轄する年金事務所(社会保険事務所)に提出します。 そして、社会保険事務局長から認可がおりれば社会保険の加入ができます。

社会保険料の算出について

従業員の健康保険料と厚生年金保険料は、 全国健康保険協会のウェブサイトに用意してある早見表をもとに知ることができます。 厚生年金の料率に地域差はありませんが、健康保険の料率は都道府県によって異なります。 都道府県毎の保険料額表 - 全国健康保険協会ウェブサイト

子ども・子育て拠出金の計算は、下記のページを参考にしてください。
>> 子ども・子育て拠出金とは?税率や計算方法について

下記の給与計算ソフトを利用すれば、従業員の給料や社会保険料を簡単に算出することができます。 >> マネーフォワード クラウド給与

社会保険は事業所単位での加入

社会保険の加入は、事業所単位です。社会保険適用事業所として認められると、従業員全員に加入義務が発生します。 先ほど「半数以上の同意」という表現が出てきましたが、加入は事業所単位なので、反対した従業員も加入することになります。

ちなみに事業主本人は、加入できません。 個人事業主は「被用者保険・厚生年金」ではなく、「国民健康保険・国民年金」の加入となります。

医療保険年金保険
個人事業主国民健康保険(いわゆる国保)
所得に応じた金額を支払う
国民年金
全員一律 毎月およそ17,000円
従業員被用者保険(いわゆる健康保険)
所得に応じた金額を支払う
厚生年金
所得に応じた金額を支払う

>> 源泉徴収をする個人事業主の情報まとめ
>> 個人事業主が従業員へ給与を払う時の源泉徴収について
>> 源泉徴収税額のもとめ方 - 給与から差し引く源泉徴収税