確定申告はいつまで?令和7年の確定申告期限と遅れた場合
更新日 2024年8月29日
- 2025年(令和7年)の確定申告期限 - 遅れたらどうなる?
- ① 延滞税・無申告加算税
- ② 青色申告特別控除が10万円に減額
- 期限後に申告ミスに気づいた!どうしよう?
- 【補足】納税はいつまで? 所得税や消費税など
- まとめ
2025年(令和7年)の確定申告期限 - 遅れたらどうなる?
2025年(令和7年)の確定申告期間は「2025年2月17日(月)~3月17日(月)」です。2024年分の所得などを確定申告書類にまとめ、この期間内に提出する必要があります。
確定申告の期限日に遅れても、申告は受け付けてくれます。 ただし「延滞税」や「無申告加算税」を課される可能性があります。
- 遅れた日数に応じて「延滞税」が課される(年利最高14.6%)
- 本来の所得税額に応じた「無申告加算税」も課される(最高20%)
- 青色申告者は、55万円・65万円の青色申告特別控除が受けられなくなる
税務署は、最大7年前までさかのぼって税務調査ができます。「申告を忘れていた!」などという場合は、早めに申告をしましょう。
① 延滞税・無申告加算税
期限後申告で納税が遅れた個人事業主には、「延滞税」と「無申告加算税」が課されます。加算される税額は「本来の納税額の○○%」と計算します。ただし、少額であれば全額切り捨てとなり、支払わずに済む場合もあります。
「延滞税」と「無申告加算税」- 期限後申告のとき
延滞税 | 無申告加算税 | |
---|---|---|
税率 | 2ヶ月以内:年率2.4% 2ヶ月超:年率8.7% |
原則、本税の5%~20% |
切り捨て額 | 1,000円未満なら 全額切り捨て |
5,000円未満なら 全額切り捨て |
納付期限 | 期限後申告を行った日 |
※ 延滞税の税率は年によって異なる
実際、どのくらいの金額になるのか、簡単に計算してみましょう。たとえば、以下のような状況を考えてみます。
- 納めるべき所得税は10万円である
- 申告納付の期限から40日遅れて、自主的に申告した
- 延滞税は年率2.4%、無申告加算税は5%とする
延滞税の計算例 - 本税10万円を40日滞納した場合
10万円 × 2.4% ÷ 365日 × 40日 = 約263円
今回の例では、延滞税の計算結果が1,000円未満になります。したがって「全額切り捨て」となるので、延滞税はかかりません。
無申告加算税の計算例 - 本税10万円を期限後に自主申告した場合
10万円 × 5% = 5,000円
税務署から指摘を受ける前に自主的に申告をすれば、無申告加算税は「本税の5%」で済みます。したがって、今回の例では「本税10万円の5%」ということで、5,000円の無申告加算税が課されます。
結果、上記のケースでは「延滞税なし、無申告加算税5,000円」となります。このように、できるだけ早く自主申告すれば、延滞税・無申告加算税はそこまで膨大な金額にはなりません。
② 青色申告特別控除が10万円に減額
個人事業主が、55万円・65万円の「青色申告特別控除」を受けるには、期限内に確定申告しないといけません。他の要件(複式簿記など)をすべて満たしていても、申告期限をほんの1日過ぎただけで「10万円控除」に減額されてしまいます。
青色申告特別控除の主な要件 - 10万・55万・65万
青色申告特別控除が10万円に減ると、所得税・住民税などの納付額が増えます。これがどのくらいの痛手になるのか、以下の通りざっくり計算してみました。
青色申告特別控除の影響 - 所得税・住民税を概算
10万円控除 | 55万円控除 | 65万円控除 | |
---|---|---|---|
所得 200万円 |
所得税 50,000 住民税 110,000 合計 160,000 |
所得税 27,500 住民税 65,000 合計 92,500 10万円控除との差額 - 67,500 |
所得税 22,500 住民税 55,000 合計 77,500 10万円控除との差額 - 82,500 |
所得 500万円 |
312,500 380,000 692,500 |
227,500 335,000 562,500 - 130,000 |
217,500 325,000 542,500 - 150,000 |
所得 800万円 |
852,500 650,000 1,502,500 |
762,500 605,000 1,367,500 - 135,000 |
742,500 595,000 1,337,500 - 165,000 |
たとえば、所得200万円の青色申告者は、控除が「65万円」から「10万円」に減額されると、所得税と住民税で合計8万円ほど損することになります。
もちろん、実際の税額は個々の状況によって異なります。あくまで参考としてご覧ください。
期限後に申告ミスに気づいた!どうしよう?
「ちゃんと期限内に確定申告したんだけど、期限を過ぎてからミスに気づいちゃった」という方は「修正申告」か「更正の請求」を行いましょう。
「修正申告」と「更正の請求」の違い
修正申告 | 更正の請求 | |
---|---|---|
申告状況 | 税額が少なすぎたとき | 税額が多すぎたとき |
目的 | 足りなかった税金の納付 | 払いすぎた税金の還付 |
期限 | 可能な限り早く | 基本、5年で権利を失う |
罰則 | 延滞税 過少申告加算税 |
なし |
「修正申告」は、「足りなかった分を納税します!ごめんなさい!」という申告です。税務署に指摘される前に、自主的に修正申告すれば「過少申告加算税」は課されません。
「更正の請求」は、「間違って納税しすぎたから返金してください」という手続きです。基本的には5年以内に行う必要があります。
【補足】期限内にミスに気づいたら?
確定申告期限の前にミスを発見した場合は、修正申告も更正の請求も不要です。通常の確定申告書を、正しい内容で提出しなおすだけでOKです(俗に「訂正申告」という)。原則3月15日の申告期限までは、このように何度でも確定申告をやり直せます。
【補足】納税はいつまで?所得税や消費税の納付期限について
確定申告をしてすぐに納付期限がくるのが所得税です。所得税はその年の確定申告期限日までに納付する必要があります。 つまり、2025年(令和7年)の場合は3月17日(月)までに納税が必要です。
消費税を納める必要がある事業者は、原則3月31日までに納税が必要です。消費税については、売上がそこまで多くなければ、税務署への納付を免除されます。この事業者を「免税事業者」と呼びます。逆に、消費税を納める必要がある事業者を「課税事業者」と呼びます。
- 消費税の課税について
- 個人事業を新規開業してから2年間は、基本的に消費税を納める必要はない。前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合も、納税の必要なし。ただし、前年の上半期だけで課税売上高1,000万を超え、なおかつ、この期間の給与等の支払い金額も1,000万円を超えた場合には、課税事業者になる。
所得税や消費税は、自分の銀行口座からの振替納付を申請することで、支払日を4月中旬〜下旬まで遅らせることができます。
2024年(令和6年)の場合、所得税は振替納税にすると銀行口座からの振替日が4月23日(火)、消費税は4月30日(火)になりました(2025年については未発表)。
この日付で、指定した銀行口座から税金が自動振替されます。
>> 所得税と消費税の納付方法について
そして、少しの期間を経て、住民税の通知が6月頃に郵送で届きます。 個人事業税の通知はさらに遅く、8月以降に届きます。 住民税と個人事業税は、一括で納付するのではなく、下記の通り分けて納付するのが一般的です。
【原則】主な税金の納付期限日
税金 | 原則的な納付期限日 |
---|---|
所得税 | 3月15日(その年の確定申告の提出期限日) |
消費税 | 3月末日 |
住民税 | 6月末日、8月末日、10月末日、翌年1月末日 |
個人事業税 | 8月末日、11月末日 |
期限日が土日祝日と重なる場合は、翌平日に期限日がずれる
>> 個人事業で納める税金の納付時期について
まとめ
2025年(令和7年)の確定申告期間は、2月17日~3月17日です。期限を過ぎても申告は可能ですが、遅れるほど延滞税や無申告加算税のリスクが増大します。
期限後申告のリスクと対処方法
延滞税 | できるだけ早く申告すれば、税額を抑えられる |
---|---|
無申告加算税 | 税務署の指摘を受ける前に自主的に申告すれば、税率を抑えられる (原則5%で済む) |
青色申告特別控除の減額 | 1日でも遅れたら55万円・65万円控除の適用は不可 (10万円控除が適用される) |
55万円・65万円の青色申告特別控除を狙っていた場合は、1日でも期限に遅れると「10万円」に減額されてしまいます。これに関しては、期限内に間に合わなかった時点で、もう対処のしようがありません。
ちなみに、災害などの「やむを得ない理由」で申告が困難である場合は、確定申告期限そのものを延長してもらえます(税務署の承認が必要)。その場合、延長後の期限までに申告できれば、55万円・65万円控除も狙えます。