確定申告書Aの廃止【令和4年分~】会社員・個人事業主向けの解説

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更新日 2023年1月25日

確定申告書Aの廃止【令和4年分〜】様式の一本化

令和4年分(2022年分)の確定申告からは「確定申告書A」が廃止され、ひとつの様式に統合されました。これ以降は、確定申告書A・Bの区別がなくなり、会社員も個人事業主も同じ申告書を使うことになります。

確定申告書Aの廃止【令和4年分~】

令和4年分の確定申告から「確定申告書A」が廃止されました。従来は所得の種類などに応じて「確定申告書A」と「確定申告書B」を使い分けていましたが、これ以降はひとつの様式に統一されます。

確定申告書Aの廃止・統合【令和4年分から】

確定申告書ABの一本化【令和4年分~】廃止・統合

確定申告書Aがなくなるといっても、会社員の確定申告が不要になるわけではありません。今後も「医療費控除を受けたい」「一定の副業収入がある」などという会社員は、新しい申告書を使って確定申告します。

注意点として、新しい申告書を使うのは令和5年(2023年)の2月16日〜3月15日に行う「令和4年分」の確定申告からです。それより過去の申告(令和3年分の還付申告など)をする際は、従来の申告書A・Bを使いましょう。

確定申告書の新様式

令和4年分(2022年分)の確定申告からは、会社員も個人事業主も以下の新様式を提出します。申告書「A・B」の区別が廃止されたので、今後はシンプルに「申告書」や「確定申告書」と呼ばれます。

新しい確定申告書の様式【令和4年分~】

申告書 第一表 申告書 第二表
確定申告書第一表(令和4年分以降用)
確定申告書第二表(令和4年分以降用)

※ あくまで案の段階なので、今後修正される可能性もあります

新しい確定申告書は、引き続き「第一表」と「第二表」の2ページ構成です。おおまかな内容は、従来のA・Bと変わりません。ただ、これまで確定申告書Aを使っていた人(会社員など)にとっては、見慣れない記入欄が増えています。

新しい申告書で変わること - 会社員の場合

従来の「確定申告書A」と比較すると、主に下図の赤く塗った欄が増えています。「なんか面倒くさそうになったな」と感じるかもしれませんが、一般的な会社員なら大部分は空欄のままでOKです。

新様式の主な変更点【確定申告書Aとの比較】

申告書 第一表 申告書 第二表
統合後の申告書第一表【確定申告書Aとの比較】
統合後の申告書第二表【確定申告書Aとの比較】

※ あくまで案の段階なので、今後修正される可能性もあります

従来の「確定申告書A」との主な違い

従来の確定申告書Aは「給与所得」や「雑所得」の申告に特化した様式でした。一方、新様式は「事業所得」や「不動産所得」などの申告にも対応しています。そのため、ほとんどの会社員にとっては関係のない記入欄が増えています。

新しい申告書で変わること - 個人事業主の場合

従来の「確定申告書B」と比較すると、主に下図の赤く塗った欄が追加されています。それほど大きな変更点はないので、これまでと同じ感覚で確定申告書を作れそうです。

新様式の主な変更点【確定申告書Bとの比較】

申告書 第一表 申告書 第二表
統合後の申告書第一表【確定申告書Bとの比較】
統合後の申告書第二表【確定申告書Bとの比較】

※ あくまで案の段階なので、今後修正される可能性もあります

従来の「確定申告書B」との主な違い

  • 第一表に「振替継続希望」のチェック欄ができた
  • 第一表に「修正申告」の欄ができた
  • 第二表に「退職所得のある配偶者・親族」に関する欄ができた

個人事業主の確定申告では、これまで通り「決算書(収支内訳書 or 青色申告決算書)」も提出します。決算書の様式には、大きな変更点はありません。

【補足】修正申告用の「第五表」も廃止される

申告書には、特殊なケースで使用する「第三表・第四表・第五表」もあります。令和4年分からは、このうち修正申告の際に提出する「第五表」が廃止されます。

申告書の第三表~第五表【令和4年分以降】

第三表
(分離課税用)
第四表
(損失申告用)
第五表
(修正申告用)
確定申告書第三表(令和4年分以降用)
確定申告書第四表(令和4年分以降用)
×
存続
(若干の様式変更あり)
存続
(若干の様式変更あり)
廃止

修正申告」とは、確定申告期限を過ぎてから「納税額を少なく申告しちゃってたので修正します!」という手続きです。令和4年分からは、確定申告書の第一表に修正申告用の欄が設けられ、第五表を使わずに修正申告ができるようになる見込みです。

まとめ - 令和4年分以降の確定申告書類

令和4年分(2022年分)の確定申告から、確定申告書A・Bはひとつの様式に統一されました。会社員も個人事業主も、令和4年分以降の確定申告では、A・Bの区別のない「確定申告書」を用いて確定申告します。

【会社員の場合】確定申告の主な提出書類

令和3年分まで 令和4年分から
・確定申告書A(第一表・第二表)
・添付書類
確定申告書(第一表・第二表)
・添付書類

会社員の確定申告義務について

会社員の確定申告では「確定申告書A」を使うのが一般的でしたが、令和4年分以降は個人事業主などと同じ「確定申告書」を使います。ちょっと複雑な様式になりますが、記入する内容は従来とほとんど変わりません。

【個人事業主の場合】確定申告の主な提出書類

令和3年分まで 令和4年分から
・確定申告書B(第一表・第二表)
・収支内訳書 or 青色申告決算書
・添付書類
確定申告書(第一表・第二表)
・収支内訳書 or 青色申告決算書
・添付書類

令和4年分以降の「確定申告書」は、従来の「確定申告書B」とよく似た様式なので、個人事業主はあまり気にしなくてOKです。決算書の様式についても、大きな変更点はありません。

ちなみに、会社員も個人事業主も「令和3年分以前」の申告をする際には、従来の確定申告書A・Bを使用します。たとえば、これから2021年分の還付申告をする場合などは、新しい様式を使わないようにしましょう。

>> 2023年の確定申告期間 - 2022年分(令和4年分)の申告
>> 個人事業主の確定申告に使える会計ソフト
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