消費税の益税(エキゼイ)問題とは?

益税問題とは

消費税の「益税問題」について、分かりやすくまとめました。消費税の益税問題とは、最終的に国へ納付されるべき消費税が、それを一旦預かった事業者の利益になってしまうことを指します。

消費税の「免税事業者」と「課税事業者」

まずは消費税の「免税事業者」と「課税事業者」をおさえておきましょう。

消費税を税務署へ納めなくてよい事業者を「免税事業者」と呼び、納付の必要がある事業者を「課税事業者」と呼びます。 消費税の納付において、事業者は大きくこの2つに分かれます。

基本的に開業してから2年間は免税事業者として扱われるため、
この間、事業者は消費税を税務署へ納める必要がありません。

また、開業してから3年以上経過していたとしても、 前々年の課税売上高が1,000万円を超えない限りは、免税事業者として継続して事業運営できます。
特定期間の判定もあり

「免税事業者」にとっての益税

免税事業者は、消費税を税務署へ納める必要がないということを上述しました。 しかし、免税事業者であっても、 お客さんから商品代金と一緒に消費税を頂くことにはなります。

例えば、消費税が8%として、1,000円のものに80円の消費税分を加えると、
「1,080円(税込)」などと表記することになります。
免税事業者といえども、このように商品代金を税込で表記し、販売して良いわけです。

では、この商品代金と一緒に受け取った消費税はどうなるのかと言えば、
納付を免除されているので、受け取った免税事業者のものになります。
つまり、商品を販売した事業者の取り分になるということです。
(最終的に、消費税分にも所得税がかかることになりますが。)

消費者(お客さん)からみれば、最終的に税務署へ納付してもらうために払った消費税が、納税されないことになります。 事業者からみれば、その「消費税がそのまま利益(益税)」になります。これが益税問題のひとつです。

「簡易課税制度」による益税

消費税の免税事業者だけでなく、課税事業者にとっても益税が発生することがあります。 まずは、事業者が納付する消費税の計算方法を見ていきましょう。

消費税の基本的な計算方法は、 預かった消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を差し引くというものです。

消費税の基本的な計算式
受け取った消費税 − 支払った消費税 = 消費税の納税額

これよりも簡単に納付する消費税を算出できる方法として「簡易課税制度」による納税方法が用意されています。 「簡易課税制度」を簡単に説明すると、「小規模な事業者は、納付する消費税をざっくり計算して構わんよ」という制度です。

この方法では、以下の計算で納付する消費税を算出します。

簡易課税方式での最も基本的な消費税計算
受け取った消費税 − (受け取った消費税 × みなし仕入率) = 納付する消費税

この「みなし仕入れ率」は、業種によって定められています。 例えば、小売業では80%、サービス業では50%と定められています。 前半の計算式にあった「支払った消費税」は全く考慮せず、 業種に応じた一定の割合で「ざっくりの消費税額」を算出するだけの方法なのです。

事業者によっては、この方法を選ぶのが有利になります。 そして結果的には、預かった消費税の一部がそのまま事業者の利益になる(益税)というわけです。

消費税の免税事業者にとっての益税、簡易課税制度による益税を見てきました。 このように、本来正しく納められるべき消費税が、そのまま事業者の利益になってしまう場合があります。 このことが益税問題と呼ばれ、消費税制度の問題点として指摘されています。

>> 個人事業の消費税について
>> 個人事業主の税金まとめ - 主な税金の納付時期や計算方法など
>> 納付した税金の仕訳・勘定科目をおさらい