個人事業主の簿記・帳簿づけまとめ
更新日 2024年7月16日
個人事業主は、日々の売上や経費を自分で帳簿づけするのが基本です。この帳簿づけにはちょっとしたルールがあります。一定のルールによって取引の内容を記録することを、簿記と呼びます。
単式簿記と複式簿記の違い
簿記には「単式簿記」と「複式簿記」があります。 単式簿記は、お小遣い帳のような感覚で記帳でき、特別な知識がなくてもすぐに理解できる簡単な形式です。 複式簿記は、「借方」「貸方」という初心者にはとっつきにくい概念があり、理解するためには少し勉強が必要です。
単式簿記の記帳例
日付 | 勘定科目 | 金額 | 摘要 |
---|---|---|---|
20XX年5月10日 | 消耗品費 | 500円 | コピー用紙 |
上記は、事業で使うコピー用紙を購入した場合の記帳例です。 単式簿記の記帳方法で示された内容は、初心者でもすんなり理解できるのではないでしょうか? 同じ取引の内容を複式簿記で記帳すると、下記のようになります。
複式簿記の記帳例
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
20XX年5月10日 | 消耗品費 500 | 現金 500 | コピー用紙 |
複式簿記では、上記のように取引を「借方」と「貸方」に分けて記帳します。このことを「仕訳」と呼びます。
仕訳については、最終的につくる決算書などの配置構成をまず頭に入れておくと、理解がすすんで帳簿づけがスムーズになります。
>> 借方・貸方とは?複式簿記の仕訳を分かりやすく!
なお、複式簿記による記帳が必要なのは、青色申告で55万円控除または65万円控除を受ける場合です。 白色申告の場合や、青色申告でも10万円控除でよい場合には、単式簿記による記帳で構いません。
申告形式と簿記の要件
白色申告 | 青色申告 10万円控除 | 青色申告 10万円控除(現金主義) | 青色申告 55万円・65万円控除 |
---|---|---|---|
単式簿記 | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記 |
>> 単式簿記と複式簿記の違いをもっと詳しく
>> 白色申告と青色申告の違い
帳簿づけのタイミング
記帳方法には、取引が発生した日付を基準に記帳する「発生主義」と、あくまで現金の動きがある時だけに着目して記帳する「現金主義」があります。青色申告で現金主義の申請を出さないかぎりは、白色でも青色でも基本的に「発生主義」で記帳する必要があります。
>> 発生主義と現金主義の違い
申告方式と会計原則
白色申告 | 青色申告 10万円控除 | 青色申告 10万円控除(現金主義) | 青色申告 55万円・65万円控除 |
---|---|---|---|
発生主義 | 発生主義 | 現金主義 | 発生主義 |
帳簿づけを手書きで行うのは大変なので、個人事業用の会計ソフトを利用しましょう。会計ソフトを使えば、帳簿の作成と確定申告で提出する書類の作成が簡単になります。
作成した「帳簿」は、確定申告の際に税務署へ提出するわけではありません。 定められた期間の間(5年~7年)保管しておく義務があります。 >> 帳簿の保存期間と保存方法
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