個人事業主で、源泉徴収をする義務がある場合・ない場合

源泉徴収義務者

源泉徴収義務者とは?

会社や個人が、人を雇って給与を払ったり、税理士などに報酬を支払ったりする場合、 そのたびに支払金額に応じた所得税を差し引いておく必要があります。これが「源泉徴収」です。

源泉徴収義務者とは?
源泉徴収義務者とは、給与や報酬からあらかじめ所得税を差し引いて、国に納税する義務がある事業者のこと。原則的に、この差し引いた所得税は、給与などを支払った月の翌月の10日までに納税する必要がある。

例えば、3月20日に給与や源泉徴収対象の報酬を支払った場合、 給与などを支払う際に、その金額に応じた源泉所得税を事業者がまず天引きして預かります。 そして、源泉徴収した税額を4月10日までに税務署へ納税する必要があります。

事業者の従業員が10人未満の場合は、申請を出せば年2回にまとめて源泉所得税を納付することもできます。 ただし、この特例が適用されるのは給与のみで、外部に報酬を支払う場合の源泉所得税は、必ず翌月の10日までに納めることになっています。
>> 年2回でまとめて納付!「源泉所得税の納期の特例」

源泉徴収義務者に当てはまらない場合

株式会社などの法人の場合は、自動的に源泉徴収義務者となります。 個人事業主の場合、次のいずれかに当てはまれば、源泉徴収義務者にはなりません。

  • 常時2人以下で、お手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与などを支払っている人
  • 給与などの支払いがなく、弁護士報酬などの「報酬・料金」だけを支払っている人

要するに、個人事業主の場合、従業員や青色専従者の方に給与を払っている個人事業主は、源泉徴収義務者です。 この場合は、専従者や従業員に支払う給与はもちろん、 外注で「報酬・料金」を支払う場合にも源泉徴収をする必要が生じます。

一方、特に従業員などがいなくて一人で仕事をしている個人事業主は、 源泉徴収義務者ではありません。 ですので、外注で「報酬・料金」を支払う場合にも源泉徴収する必要はありません。

源泉徴収義務者の個人事業主源泉徴収義務者ではない個人事業主
  • 青色専従者への給与 → 源泉徴収の必要あり
  • パートやアルバイトへの給与 → 源泉徴収の必要あり
  • 源泉徴収が必要な報酬・料金等 → 源泉徴収の必要あり
  • 源泉徴収が必要な報酬・料金等 → 源泉徴収の必要なし
    (ただし、ホステス等への報酬・料金だけは源泉徴収の必要あり)

源泉徴収義務者に当てはまらない事業主は、「源泉徴収が必要な報酬・料金等」を支払う場合であっても、源泉徴収をする必要はありません。

ホステス等への報酬・料金の支払いだけは源泉徴収の必要あり

ホステス等に報酬・料金等を支払う場合だけは、源泉徴収義務者でなくても、源泉徴収をする必要があります。 ホステス等への報酬の支払いに関しては、主にバーやクラブの個人経営者が想定されています。

源泉徴収の本来の目的のひとつに「税金のとりっぱぐれを防ぐ」というものがあります。 水商売を会社にバレたくない、確定申告のし忘れなどの理由で、確定申告をしないホステスさんが多い実情に基因しているのでしょう。 >> 報酬・料金等の源泉徴収義務者 - 国税庁ウェブサイト

源泉徴収義務者になったら

個人事業主でも、従業員を雇用して給与を支払うことになったら、源泉徴収義務者になります。 この場合、給与を支払い始めてから1ヶ月以内に届け出を提出することになっています。 「給与支払事務所等の開設届出書」を、所轄の税務署へ提出します。

給与支払事務所等の開設届出書

従業員に支払う給与からは、源泉所得税を差し引いて、原則的には翌月の10日までに差し引いた源泉所得税を納付します。 最寄りの銀行などで、この納付ができます。事前に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出していれば、年2回にまとめて源泉所得税を納付する形にできます。

>> 従業員を雇って給料を支払うことになった場合
>> 源泉所得税を納付する窓口、納税期限、納付書の書き方など
>> 個人事業の源泉徴収に関する情報まとめ